2017年09月21日
両サイドの活躍
北海道新聞の2つのコラムの日です。 massは、「J1赤と黒の闘士たち」スポーツライター・齋藤宏則が迫る です。 今回は、MF32 石川直樹 32歳 です。 大見出しは、「残留へ 経験出し切る」です。 9日磐田戦、1-1で迎えた後半39分、チャナティップの縦パスを小野がワンタッチで流した。 そこに、ライン際を駆け上がった石川が左足で低いセンターリングをゴール前に蹴ると、走りこんだヘイスが右足で押し込んだ。 小見出し、「6年半ぶり」 これが決勝点となり、磐田を下した札幌は、今季初の2連勝。 J1残留に向けて貴重な1勝を挙げた。 堅実な守備が特徴の石川は、6年半ぶりに札幌ドームでMFとしてサポーターに歓喜をもたらした。 シーズン途中のオファーを受けたため、移籍を決めるのに1週間を要した。 小見出し、「移籍を応援」 32歳になった石川は、仙台のある先輩選手に相談すると、「30歳を過ぎた選手が必要とされることは、素晴らしいこと」と背中を押してくれたという。 そして移籍を決意した石川の意思を仙台も了承してくれた。 移籍が発表された当日、ホーム柏戦が仙台でのラストゲームだった。 試合後、監督から強く促されてスタンドに向かうと、待っていたのは大声援と石川の応援歌の大熱唱だった。 自然と流れ出した涙は止まらなかった。 残留請負人でもある。 11年新潟に移籍してからは、13年仙台移籍後も、J1の中位以下のタフな争いに身を置いてきた。 12年は最終節に残留を果たしたし、14年の仙台では開幕からほとんど勝てず、さまざまなシーズンを味わったが、必ず最後は残留を果たしてきた。 小見出し、「開き直る」 厳しい残留争いを勝ち抜く中で得た経験則は「精神的に開き直ることが大事」ということ。 「下位にいると、背の美をして自分に出来ないプレーまでやろうとし勝ち。でも、やれることに全力を尽くすしかない」とその心を語る。 J1残留を目指す札幌にとしては、非常に頼もしい新戦力の復活と言える。 32歳という年齢は、仙台では上から数えて3番目だった。 しかし、札幌では30代後半の選手が何人もおり、石川は中堅に近いとも言える。 16年ぶりのJ1残留に挑んでいる札幌、その達成に少しでも貢献すべく、32歳の背番号32は、フレッシュな気持ちでグランドを走り回る。 もう一つのコラムは、「吉原宏太のマンスリーコンサ」です。 見出しは、「高く明確な目標持ちプレーを」です。 J1リーグが終盤を向かえ、残留をかけた札幌の戦いも佳境に入った。 神戸戦に敗れたものの、仙台、磐田に勝利し、J1で16年ぶりの2連勝。 最近の試合では、両サイドの早坂と石川が随所で「効いて」いた。 磐田戦では、石川が前に出ると早坂が引き、まるでシーソーのように2人の動きがかみ合っていた。 3-4-3をとる札幌にとって、両サイドの後ろを狙われやすいが、ほとんど隙がなかった。 大宮での現役時代に早坂が対戦相手としては一番嫌な選手だった。 サッカーを熟知していて、こちらが疲れている場面では見通したかのように突破攻撃をしかけてきた。 相手が嫌なこと、見方がして欲しいことを見極める力が優れている。 磐田戦で、まさに早坂らしさが発揮された場面だった。 佳奈丹那ゴールに見えるが、自分で突破してやろうと考えている選手なら絶対にできないプレーだと思う。 今の札幌には、決定的なスター選手は欠くものの、個人でも十分にJ1で競り合える選手がそろっている。 前の人は前で守るという役割を明確にし、狙ってボールを取りに行くことだ。 個人で抜かれるリスクはあるが、ボールを奪った後の攻撃の展開は大きく変わる。 責任の所在が分りやすくなるので対策も立てやすいし、選手の責任かが高まることも期待できる。 残留を目指すのは当然だが、選手にはそれに加えて、個人としても高い目標を持ってほしい。 それがひいてはチームのレベルアップにもつながる。 磐田戦のように、両サイドの石川と早坂が上手くバランスをとりながら、相手陣なに攻め込むと相手守備陣は守備を分散せざるを得なくなり、個の力で抜き去りやすくなる。 四方田監督も、この両サイドの2人が活躍することで、メンバー起用がかなり楽になったのではないだろうか? このまま、J1残留を果たすことができれば、シーズン当初そしてシーズン中盤での、補強が大成功だったといってよいだろう!
posted by consa.kazu |10:12 | コメント(0) |