2016年06月16日
好調なのは堅守
月一度の北海道新聞の2つのコラムの日です。 一つは、「J2赤と黒の闘士たち」スポーツライター・斉藤宏則が迫るです。 今回は、DF18増川隆洋36歳です。 大見出しは、「最終ライン徹底死守」 小見出し、「失点だけは」 「狙い通りの守備が常に出来るわけではない、とにかく失点しなければいい、そう割り切って守備している」という言葉を、ある試合後に残した。 「最終的はゴール前ではね返せば、何とかなる」。 形ばかりにとらわれず、強く巧みな守備でゴール前に立ちはだかり、見事勝ち点3を奪った。 僅差の白星を重ねることができるのは、今季加入した豊富なDFの存在が間違いなく大きい。 常に冷静な立ち振る舞いでDFラインを統率しているが、プロ入り当初はMFやFWでプレー、2年目から本格的DFでプレーした。 小見出し、「エゴを克服」 「新人の頃はエゴがあった」が、プロの世界で能力のアル選手は、あまたいる。 ベンチメンバーに入れない日々が続いた。 そんな時、当時の福岡の控え選手を指導していたスタッフが声をかけてくれた。 「落ち込んでいた気持ちを、常に奮い立たせてくれた」と感謝する。 「プロ選手は試合に出なければ価値がないと思っていたし、熱心に指導してくれる人たちの期待に応えたいと強く感じていたので、試合に出られるのならば、ポジションはどこでも良くなった」。 DFというポジションに全力で向き合い、プロ2年目でCBとしてレギュラーをつかみ、それから現在まで最終ラインが定位置となった。 2005年J1名古屋に移籍し、10年には闘莉王らと組んで強固なDFラインを築き、J1優勝も経験した。 小見出し、「日々是戦い」 大事なことは試合に出て勝つことが、サッカー選手として最優先事項であり、30代後半でもタフなプレーを維持できるのは、勝利への意欲が衰えないからだ。 毎週繰り広げられるライバルチームとの激しい戦いやチームメイトとのハードなポジション争いなど、あらゆる戦いに勝つことが、自分の存在感の証明となる。 「一日も長くこの世界にいることが、今の最大目標」 「日々是戦い」が、ますかという男の生き様なのだろう。 もう一つは、「吉原宏太のマンスリーコンサ」です。 見出しは、「稲本の悔しさ、パワーに」です。 札幌は長崎戦に勝ってJ2首位を走るが、引き分けの千葉戦と黒星を喫した松本戦は、逆風を感じた試合だった。 対戦チームは高いモチベーションで望んでくる。 千葉も松本も立ち上がりから、ミスを恐れず激しく攻めてきた。 2試合とも前半に2失点。 札幌の選手は立ち上がり猛攻にさらされても「いずれ試合は落ち着く」と、どこか俯瞰して対応していたように見えた。 2試合とも2点のリードを追いつき、長崎戦では逆転勝ちしたのだから、チーム力が高まっていることを実感した。 松本戦でも、かなりの本数のクロスを上げてゴール前で決定的場面もつくったので、攻撃に手応えをつかめたはすで、悲観する内容ではない。 その中で大きな出来事が、稲本のけがだった。 千葉戦の序盤で接触プレーで右ひざ前十字靭帯を断裂、今季復帰は絶望的となった。 稲本選手は劣勢の時、相手に激しく当たりボールを奪い、チームを鼓舞することがある。 あの場面は押され気味の試合の流れを変えようとしたのではないか。 チームメイトは戦う姿勢を全面に出してけがをした稲本の離脱を、パワーに変えなければいけない。 うまいだけではなく、時には強く激しいサッカーを期待したい。 今年好調の一番の理由は、選手の補強であり、その一番は間違いなく増川を取ったことで、失点が大きく減ったことは間違いないと思う。 稲本の離脱は、本人もそうだがチームとしても痛い。 だが、その逆境を力に変えて、必ずしやJ1に昇格してほしい。
posted by consa.kazu |09:12 | コメント(0) |