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2006年05月11日

FCサンパウロ対パルメイラス



この試合は熱かった!
誰もがこの試合の重要性を認識していたからだ。

負ければ失脚。クラブ世界一への挑戦権は潰える。
だから、興奮していた。サポーターどおしの衝突もあった。




スタジアムをUの字に赤白のトリコロール(しま模様)カラーが席を埋め、緑のポルコ(豚)軍団が、片側のゴール裏一階席、二階席に陣取った。

開始前からお互いボルテージは最高潮だった。



1-1になり追撃モードになったポルコはさらに勢いづいた。
トリコロールは消沈気味。スタジアムは完全にポルコのものだった。




しかし・・・・・、
一気にトリコロールがスタジアムを飲み込んだ。
後半40分過ぎ、ホジェリオ・セリが二点目を決めた瞬間、8万人収容のモルンビーのスタジアムが揺れた。

それは、震度1を受けたような感覚だった。
五万人が熱狂し、五千人が泣いた。
勝利への確信をつかんだんだ。






三階席からはいたるところで赤色の発煙筒が焚かれ、もうもうと煙が上空に立ち込める。
見知らぬ人とハイタッチ。前に座るカップルは興奮も相まって熱い抱擁を交わす。

もちろん大歓声に包まれ、スタジアムを包み込む応援歌が鳴り止まなかった。
その圧倒的な声量は、偽りのない純然たる真実だった。




当日気温は16度。しかし、トリコロール軍団にとって関係なかった。
チームの誇りを誇示するかのように、上着を取りトリコロールを強調した。
そして、そのまま逃げ切り勝ちが決まった。
再び会場は揺れ、ポルコは呆然とした表情でピッチを眺めた。

トリコロールの男たちの低い声でポルコに対して『Eliminado(消えた!ここまで!)』が連呼された。



リベルタドーレスの決勝トーナメント一回戦。
1試合目が、ポルコの本拠地で1-1と引き分けたことが、
観衆に余計な火をつけた。
とにかく、大事な一戦。負けたら終了だった。
トヨタカップ、世界一の夢も消える。

熱狂の試合が終わったのは午前0時。
渋滞解消待ちでスタジアムに残ったため、
家に着いたのは午前二時半だった。


posted by brasil |08:58 | ブラジルの話題 | コメント(4) | トラックバック(0)