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2009年08月24日

バランス。 -第35節 鳥栖戦考-

前節の鳥栖戦、4-1-3-2(4-4-2)という時間帯が多かったように思う。
(※先発のポジション表記でいっても、4-4-2)

これが車でいうと、ニュートラルな状態だとすると、
守備時に、両SHと西と宮澤がそれぞれ、ポジションを下げる。
ウイイレ風に意識で表すとすると(笑)、


  
  西  キリノ
  ↓
         
砂川  宮澤  藤田
↓    ↓   ↓ 

  ダニルソン


上里 石川 趙 西嶋



守備時にどこまで下がるかは、状況によって異なった様に見えた。


これが、攻撃時になると、


  ↑   ↑
  西  キリノ
   
↑   ↑    ↑   
砂川  宮澤  藤田
↓       

  ダニルソン

↑
上里←石川 趙 西嶋


この時、いくつかポイントがあるのではないかと。


①前目の5人が軒並み“前のめり”。


前のめりなのは積極性の表れで、クロスを上げてもゴール前に誰もいない
という開幕当初の積極性のなさよりはいい。

しかし、最近の征也は、敵陣深く切り込んで、
マイナス方向にグラウンダーのクロスを入れるようになってきた。
3点目の中山へのクロスもそうだし、
正に、43分の砂川がはずしちゃった、あのシーンである。

ゴールの可能性としては、敵ゴールに向かってマイナス方向のクロスの方が高く、
敵陣深く切り込まなければいけないので、征也の頑張りは◎。

しかし、前目の5人が軒並み前のめりなので、せっかくマイナスにクロスを入れても、
ペナルティアーク付近に誰も居ないというシーンもチラホラ(-"-;A ...


そして、この前のめりが、おそらく攻守の切り替え時のバランスの悪さに繋がっている。

鳥栖戦は、DFラインは高く維持されていたが、
はげおさんのいうように(2009年08月23日覚書反省)、鳥栖のDFラインが下がってからは、
布陣がコンパクトにならず“間延び”していたように私も感じた。

前の5人とDFラインの間にダニルソンしかいないという状況では、
さすがに、中盤がスカスカになってしまう。

間延びというか、コンパクトに出来なかった理由の一つに、
攻撃時のバランスの悪さが、攻守が一体のサッカーだけに、
そのまま守備時のバランスの悪さに繋がっているのではないだろうか。

そして、



②左サイドのバランスの悪さ。


左SBの上里が、左SHの砂川のキープ力を信じて積極的にオーバ-ラップしていた。
これ自体は◎だろう。

ただ、そのために、CBの石川が空いた左サイドに寄り、
状況によって砂川が後ろのスペースにカバーに入っていた。

それと、鳥栖のマイクが、西嶋と趙の間に居ることが多く、
マイクのマークで引っ張られて、
左サイドが、相対的に薄くなっていて、試合中ずっと気になっていた。
この状況では、征也は積極的に前に行くし、西嶋は上がれなかったと思う。

鳥栖の2点目となったPKを与えたファウルは、上里の右CKから受けたカウンター、
3点目のFKを与えたファウルもほぼ中央だったが左サイドだった。

ただ、上里に左サイドにスペースを無暗に空けずに、上がるなというと多分良さが失われる。
まして、おそらく上里への期待は、「守備<攻撃」だろう。

難しい問題だが、守備を考え、上里の良さを出すなら
もう少し前目でプレーさせた方がいいのかもしれない。


開幕当初、消極的だったと思ったら、最近は積極的になってきた札幌。

振り子の振りが、その度に極端なような気もしますが(苦笑)、
そのうち、ちょうど良いバランスになるのでしょうか。


posted by whiteowl |19:35 | Tactics (戦術) | コメント(5) | トラックバック(1)

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Re:バランス。 -第35節 鳥栖戦考-

同感です。上里の左SBは、CBへの負担が大きいと思います。石川のサイドチェンジやオーバーラップも魅力的ですし、もともとDFなので、左サイドに石川を置くのがいいと思っています。

posted by まさひろ| 2009-08-24 20:37

Re:バランス。 -第35節 鳥栖戦考-

シュートで完結できる展開の時は、"前のめり"でもよいと思うのです。J2だとやっぱり"速い攻撃"は有効な側面があるので。
ただ、確立が高くない状況でも"前のめり"をやってしまうと、守備の陣が整わなくて当然だし、ボールを失った地点から逆襲を食らう展開になる。それを陣が崩れた状態で受けることになるので、組織守備というよりは個人能力勝負気味になりますね。

サッカーでは、攻守両面において、定期的にブロック形成的な感じで布陣修正をしなければならないと思っています。意図的にそれをしないと、バランスは偏る。ピッチの全員が、バランス感覚に優れているなら必要ないですが、"上空から目線"のようなポジショニングができる選手が11人そろうわけがない。

私は上里は左サイドバックでよいと思うのです。上里→藤田の大きな展開は、今後も多数の好機を生み出すと思うので。右の西嶋は、攻撃センスも高い(シュートが枠に飛ぶし)ですが、攻撃<守備のプレーヤーなので、両サイドが守備的になるよりはよいと思っています。

私は、ダニルソンの配置をいじった方がよいと、今は思っています。緑戦があって、"ダニ1ボランチ"すごくよいっていうイメージがあるけれど、1ボランチに入る選手は、DFラインのケアに入らなければならない。コンサの攻撃モードは、ほぼ2バックなので、そこに1ボランチ(この表現しっくりこないけど…)を組み込んで、最低でも緊急時には急造3バックを形成しなければならない(そしてディレイを実行)と思っています。現状のダニは、そこら辺の判断、ポジショニングにまだまだ課題を残しているので、"いるけれどそれだけ"みたいに見えてしまう場面もあります。

極めて自分勝手な妄想ですが(苦笑)ベター配置は、今は↓な感じかな…と。

    キリノ
     西
砂川       藤田
     ダニ
     芳賀

上里 石川 吉弘 西嶋  
    

ダニはフリーマンにして、ボール奪取のことだけを考えてプレー。攻守のバランスは西がとり、守備のバランスは芳賀がとる。芳賀の位置に宮澤で、流動的な要素が高くなる方が魅力的かもしれないけれど、今は、宮澤が悩みモードに突入しかけているような感じもするので、少しだけ役割分担を明確に…という感じです。
"守備的MFの人材が多い"と開幕頃は感じていましたが、"守備的バランサー"を及第点+αでこなせる選手は、芳賀しかいない気がします。

度々、長コメですみません(-_-;)
"妄想"は自分のブログで書けばいいんですよね…(苦笑)。

posted by はげお| 2009-08-25 00:08

Re:バランス。 -第35節 鳥栖戦考-のお返事。

>まさひろさん

>上里の左SBは、CBへの負担が大きい

CBが、他のところまでカバーできるほどしっかりしていれば問題ないのですが、
現状、CBの負担の大きさにCBがついていけてない感じもしますからね。

>はげおさん

>定期的にブロック形成的な感じで布陣修正をしなければならない

FWは、当然意識の上で前のめりでいいと思うんです。

はげおさんも妄想のところで書いてますが、数名でいいので、
誰かもう少し攻守の全体のバランスを考えて動いてくれるといいと思うんですよ。

まあ、それは、普通ベテランの役割で、経験の少ない選手が多い札幌にとっては、
そこが課題なのは、ある意味当然なのかも知れません。

上里のサイドチェンジとオーバーラップによって、札幌のサイド攻撃の左右のバランスが
取れているという面は確かにあると思うんです。

ただ、SHとSBだと守備にかかる負担が違う。
その負担にCBが耐え切れていないように見えるんですよ。

本文中にも書きましたが、上里に守備を求めると良さが消えてしまうだろうし、
ある程度強いところとやる時は、最終ラインの安定も必要だと思うんですよね。

posted by whiteowl| 2009-08-25 18:40

Re:バランス。 -第35節 鳥栖戦考-

スポーツナビのコラムで、VVVの本田のコメントを引用しますと

引用ここから

ゴール量産中の最中にも、厳しさが本田に募っている。自らの裏を突かれたことについては、「だから進化していかないといけない」と本田は言う。
「(相手にとって)嫌なことを1回増やすとか、そういうことを地道にやっていくしかない。1週間で劇的に自分たちが強くなるとか、うまくなるというのは無理な話。1シーズン通してうまくなっていくのは可能ですけど。だからおれとしては、メンタルから改造していく必要がある。去年改善し、さらにもうひとつ改善しないといけない部分は、さらに貪欲(どんよく)にということ。1部では相手が攻めてくる。その中でおれのやることを変えるのかという選択肢もある。現に今日だってラスト2分、引き分けでもいいと思って右サイドをケアしにいったわけです。これは2分ならおれは守備をするべきだと、自分のエゴを削っているわけです。どれだけ自分のエゴを出せるか、それが今年の勝負。でも絶対、エゴを削ることもチームプレーなんであるんじゃないでしょうか。そこが難しい。それは自分で判断しないと」

引用終わり

本田のVVVとは状況が違いますが、根本はこういう事だと思うんですよ。その上で私の感想ですが、

・両サイドが、上里、西嶋の欠点
この二人は、共通の欠点があると思います。それは、トラップとボールキープの仕方です。他のブログで指摘されていたので、注意深く試合を見ていたのですが、低い位置のトラップなのに、正確でないため、相手に寄せられて、パスミスにつながっているシーンが結構ありました。あと、ボールキープするときに止まっているので、相手は守りやすいです。ボールを動かしながら、キープをしていると、ドリブルもあるので、相手は縦を切らないといけないのですが、パスしかないのであれば対応は楽ですし、プレスもかけやすいのです。あと、西嶋は視野が狭いのかな?というプレーが東京V戦や岐阜戦で見受けられました。ボール奪うまではいいのですが、そのあとのパスミスが多いんですよね。
二人とも、いいクロスを上げますし上達した部分もあるのですが、このあたりが改善しないとJ1では厳しいかも・・・
石川が入ると安定しているのですが、攻撃面ではミドルの怖さがなくなるし、難しいですね。

・センターバック
1対1で負けすぎですし、凡ミスも多いですよね。ただ、上記二人のところで、ミスって後手を踏まされることが、多いので同情する部分はあります。曽田が戻ってどうなるか、楽しみです。

で、わたしの結論としては、上里・西嶋のボールの取られ方が悪いので、現状CB+GKでは対応しきれない。
守備面での問題はこのあたりだと思います。サイドバックが変な位置でボールを奪われるな、相手も狙っているぞ!!ってことなので、改善できる部分と感じているので、石崎監督はあの位置で起用しているのかもしれませんね。だとすると、1年で昇格って石崎監督の頭になくて、J1で通用するようになって昇格(それが、1年であれば最高)というのが目標のように感じるので、スポンサーに来年も同額で支えてもらえれば・・・と思っているのですが、景気を考えると厳しいですね。

posted by langu| 2009-08-26 08:38

Re:バランス。 -第35節 鳥栖戦考-(languさんへ)

トラップやキープの仕方の違いは、中村俊輔を見れば明確ですよね。

常に次を考えてボールを置いてるし、動かしてる。

ただ、大事なところは技術的なところよりも、俊輔との違いでいうなら、
「次のイメージの引き出しの多さ」だと思うんです。

視野の広さと判断の早さと置き換えてもいいかもしれません。

CBについては、本職のSBがいない影響は受けていると思いますね。

だから、SBはスタメンで出たい選手は、めちゃくちゃチャンスだと思うんですけどね(笑)。

>J1で通用するようになって昇格

みたいなことは、CSのインタビューでも答えてましたね。
上に上がるだけなら、上がれる。でも、そこで定着するのが目的なら違うって。

スポンサーを引き止めるためには、
コンサドーレ札幌の集客効果をアピールするしかないと思うんですよ。

企業側も寄付してるわけじゃないですから、宣伝効果を期待しているわけで。

だから、HFCには観客動員に拘って欲しいと思います。
そして、それが札幌の価値を高めることにも繋がると思いますし。

posted by whiteowl| 2009-08-27 11:38

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