コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2013年08月03日

Jリーグ・各クラブ放映権料収入は1試合当たりJ1約3.7%、J2約1.5%

公開されている資料を基に、Jリーグの1クラブあたりの放映権収入比率を算出してみた。
話の始まりは、レコンビン効果で札幌に入る放映権収入は1試合約12万円を参照のこと。


★放映権収入の基本概念
第122条〔収入の配分〕
前4条の事業に基づく収入は、予め定められた比率により、Jクラブに配分する。
※Jリーグについて - 公開資料の「全文(5.83MB)」より

これはJリーグ規約に載っている。
つまり、クラブではなくJリーグが管理している収入の1つ・・・
というか全収入の40%以上を占める放映権料収入は、
Jリーグから各クラブへ「予め定められた比率により、Jクラブに配分」されている。

Jリーグの収入(一部)
経常収益計  9,640百万円 
放送権料収益 4,387百万円 (全体の46%)
協賛金収益  2,657百万円 (全体の28%)

※Jリーグの損益計算(収入と支出(配分金))
正味財産増減計算書総括表(pdf)


★Jリーグの放映権収入は、Jリーグが一括で管理し、全クラブへ配分される。
→札幌の試合をベトナムで放映しても、収入はJリーグが管理し【全クラブへ配分】される。
→配分比は、総額をリーグで割る。(J1:J2=2:1)
 リーグで分けた額をチームで割る(J1:18,J2:22)
 放映した主催試合数や順位などが加味された出来高が加算される(これが分配金収入の差となる)
 分配金の出来高要素は他にもあると思われるが、今回はそれは問題ではないので割愛。

多少の差分があるにせよ、なぜ均一に分配するのか?
と、疑問に思う方もいるかもしれないが、
・放映権収入総額の半分を2チームが占めるリーグ(例:スペイン)
・放映権収入をできるだけ均一に分配するリーグ(例:ドイツ、イングランド、アメリカ)
どちらがその国のサッカーリーグの繁栄を支えるか考えれば、自ずと答えは出るはず。
世界の潮流は「放映権は分配」が常識。
大切なのは、突出したクラブを作り出すことではなく、「リーグのブランド向上」。
ここは異論を唱える人がいるが、そこは言及しない。不毛な議論なので。
「Jリーグは放映権収入を分配している」ということだけ理解できればよい。

Jリーグメディアプロモーションの映像利用規定には、
「2.7.2 海外番組
 ◦海外に「映像」を販売する場合は、お問合せ下さい。」
 と、あるので、先述の料金表や配分比率がそのまま適用されずに、
東南アジア向けだから、特殊な分配比率というのがあるかもしれない。
仮に出来高が大きく10倍も差が出るとなると、Jクラブがもっと早くに手を出しているはずだ。
そんな考えもあり、ある程度均一に分配されていることは間違いないと考える。


★放映権収入の分配比率の根拠
Jクラブ個別経営情報開示資料
によると、

各クラブの経営情報と分配金収入
40クラブに分配された分配金は
リーグ総額6,169百万円
うちJ1総額4,093百万円
うちJ2総額2,076百万円

J1の18クラブで割ると、1クラブあたり227百万円
J2の22クラブで割ると、1クラブあたり 94百万円

つまり、放映権収入が各クラブへ分配される比率は、概算で以下と言える。
J1の場合、約3.7%(=227百万円 / 6,169百万円)
J2の場合、約1.5%(= 94百万円 / 6,169百万円)

【1クラブあたり分配金の考察】
J1各クラブの分配金収入は202百万円(鳥栖,神戸)~267百万円(浦和)。
「1クラブあたり227百万円」が収まっているので概算としては正しいと言える。

【概算の分配比率の考察】
2012年度の
札幌の分配金収入は209百万円
リーグ分配金総額6,169百万円
209 / 6169 = 3.39%
J1の場合、約3.7%との誤差が10%程度なので、概算の分配比率としては正しいと言える。

山形の分配金収入は 95百万円
リーグ分配金総額6,169百万円
 95 / 6169 = 1.54%
J2の場合、約1.5%との誤差が10%程度なので、概算の分配比率としては正しいと言える。

ゆえに、クラブに入る放映権収入は、
J1の場合、約3.7%
J2の場合、約1.5%

これを元に計算すると、J2の1クラブあたり放映権収入概算は
8,100千円 x 1.5% = 121,500 ≒ 12万円。

8,100千円 x (1/3) / 22 = 122,727 ≒ 12万円。
※総額をリーグで割る。(J1:J2=2:1)
※リーグで分けた額をチームで割る(J1:18,J2:22)

※地上波(全国)=8,100千円(1500円/秒 x 5400秒)
※1試合を90分(5400秒)とする。計算が面倒なので。
※基本料金はMAX30,000円で計算が面倒なので省略。
※Jリーグメディアプロモーション・テレビ放送用料金表よりこちら


というわけで、ベトナムでコンサドーレ札幌の試合が放映されると、
1試合あたり約12万円の収入増。
という結論に。

posted by sca25 |08:57 | コンサドーレ経営状況2013 | コメント(2) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:Jリーグ・各クラブ放映権料収入は1試合当たりJ1約3.7%、J2約1.5%

 なるほど。
 同じ収入でもスポンサーによる収入とは違って、放映権は特殊な位置づけをされている。
 均等分配が大前提としてあるのだから、放映権でコンサだけがウハウハな状態、大儲けとはならない。
 金額だけでみると「ショボいなおい!」となりますが、
 ここはしっかり認識しておく必要があるということですね。
'
>世界の潮流は「放映権は分配」が常識。
'
 これで思い起こしたのがNFL。アメリカのプロスポーツは大体こうですね。
 国土の広さの違いがあるので地方放送と全国放送は別物という感覚があるんでしょうが、
 放映権はリーグ全体の利益(たとえばリーグのイメージアップ)に寄与するんであって、
 クラブの知名度アップは各クラブでやってくださいねってことなんでしょう。
 世の中そんなに甘くないですなあ…。

posted by フラッ太| 2013-08-03 10:25

Re:Jリーグ・各クラブ放映権料収入は1試合当たりJ1約3.7%、J2約1.5%

フラッ太さん、さすがするどい。
NFLなどのアメスポはスポーツビジネスで世界の最先端行ってますから、
ベンチマークの対象としては最適です。
TV局が放映するためにはスタジアムが90%(?)埋まらないと放映できないとか、いろいろあります。
そこから世界市場に枠を広げてうまいことやってるのが、イングランドプレミアリーグです。
最下位でも放映権収入が50億円ですから。
Jリーグが仕掛けているのは、欧州に流れるマネーの一部をアジアに向けるための、
アジアでのJリーグ・ブランディング戦略なんですね。

posted by sca| 2013-08-03 11:16

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