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2006年10月24日

「上を向いて歩こう」

2002年10月27日。
あの日のあの場所には居なかったけれど。
それでも、あの声は今でも胸に残っている。
カシマスタジアムに集まった皆の、本心からの叫び。

「必ず戻る」

あれは、誓いだった。
誰かに・とか、何かに・とかではなく。
ただ自分達に誓った。


あの日の事を今年になってからよく思い出す。
あれから4年。
昇れなかった状況を味わうのも、これで4度目。


慣れは無いけれど。
今年は覚悟は出来ていたし。
それに、昇れなくてもやる事は変わらないと思っていたから。
去年程の、立ち上がれない程の悔しさは無かったけれども。
それでもやっぱり悔しくて。

歩いていたら叫びだしそうだったから、ひたすら走った。
歯を食いしばって。下を向いて。

悔しくない筈が無かったから。
でも、何に悔しいのかが良く解らなくて。
勝てなかった事なのか。
4失点もした事なのか。
今年も昇れなかった事なのか。
昇格争いにまるで絡めずに終わる事なのか。

またしてもカウンターサッカーに屈した事なのか。


好みの問題なんだろうけれど、神戸のサッカーを見ていて。
正直に言って、あのサッカーはつまらない・と思った。
勝つ為にああいうサッカーを選択する日が来たとしたら、私はもうゴール裏に行こうとは思わないだろう。
SBで歌う事すら無くなるかもしれない。

そんなサッカーに負けた事が悔しかった。


悔しくて。ただ悔しくて。
飛び乗った特急の中で小さくなって眠って。
東室蘭駅の駐車場で月の無い暗い夜空に寂しさを感じて。
走っていた勢いのまま、車も少し暴走気味に走らせて。
疲れを感じ始めた頃に、ようやく家に帰り着いた。

車を降りて見上げた空。
そこには星が輝いていた。
星明かりに彩られた空は、思いの他、明るくて。
沢山の星が、強く瞬いていて。
1つ1つは小さくても、力強くしっかりと輝いていて。


ずっと、下ばかりを見ていた事に気が付いた。


見上げれば、星空。
青空でも無く、月夜でも無く。
満天、と言う程でも無いにしろ。
明るくも力強い、そんな空。

下しか、見てなかったなぁ。
悔しさを堪えて。
叫ばない様に。泣かない様に。
ただ耐えて下だけを向いて。

でも。


   上を向いて歩こう
   涙が零れない様に


脳裏にふと流れたその曲に。
胸のつかえが、取れた気がした。




下には何も無いんだった。
目指す物は遥か高み・だって言うのに。
下なんか見たって何も見つかる筈が無い。
目指す物は、何時でも1つだ。

勝っても負けても引き分けても。
打ちのめされようとも叩き潰されようとも。
次の試合が来れば、結局はまた応援してるんだ。
結局、札幌が好きなんだ、私は。
札幌が目指しているサッカーの完成形が見たいんだ。
どれだけ時間がかかっても。
何年待たされる事になろうとも。
諦めない限りこの道は途絶えない。

全てを手放すには余りにも早すぎる。




2002年10月27日。
あの日、カシマスタジアムに集まった皆の、本心からの叫び。
「必ず戻る」
誓いとしたその言葉。
その言葉はまだ、この胸に突き刺さっている。
もう1つの誓いと共に。



「この世にチームがある限り俺達はどこまでもついて行く!!」



まだ、たった4年。
あの年に産まれた子供はまだ、小学校にも上がっていない。
たったそれだけの時間しか経っていないし。
それに、何の成果も上がっていない訳じゃないんだし。

カッコつけて諦めたフリしてみたって、得る物なんて何も無いから。


足掻いてやる。精一杯。
自分に出来る全力で。
出来る事はまだある。
後悔しない為に全力を尽したい。
あの日の誓いを胸に。




改めて、そう思う。

posted by 半月 |20:55 | サッカーを想う日々 | コメント(0) |