2006年06月11日

祈りと声と

フッキが2度目のPKのボールをセットしている所を見て。
自然と。
極、当たり前の様に。
その言葉が頭に響いた。
神様、と。

サッカーの神様  と。

ここ数年、PKでもFKでも、神に祈ると言う事をしていなかった。
祈るよりも、選手本人に想いを託していた。
決めてくれ、頼むから入れてくれ、と。
でも今日は、当たり前の様に祈っていた。

サッカーの神様、お願いだから力を貸してやって。

ボールをセットするフッキを見ながら、そう祈る。
2度目の弾道は、真直ぐにゴールネットに突き刺さった。
僅か一瞬だった筈のその映像は、何故かとても緩やかに見えた。


試合が進むにつれ、祈りは思いに、想いは声になって、ドームを満たしてゆく。
1点入る毎に勢いを増してゆく沢山の声。
それでも、試合終了まであと少しの時間に、ゴール裏が叫ぶ。
その声は、SBまで確かに届いた。

「最後まで集中して応援しよう!」

周りから好意的なざわめきが起きた。
確かに届いた想い。
少しでも力になれば、と今まで以上に声を出した。

喉は痛いし。
叩きっぱなしだった手も痛いし。
何だか左肩まで痛いけれど。
でも、まぁいいか。
自分なりに精一杯頑張った証だから。

選手達に、届いたかな。
沢山の沢山の想い。

前半のまだ調子が出なかった頃。
余り勢いの無い声援の中で、小さな女の子の声が響いた。
「こんさどーれ、がんばれーー!」
「こんさどーれ、しっかりーー!」
幼いからこそ純粋な声は、大人の胸には却って突き刺さるもんで。
こんなちっちゃい子にばっかり応援させてちゃいかんよな、と改めて気合いを入れ直した。

試合が終わってから、ゴミを回収に来たCVSの方が笑顔で言う。
「フッキも大人になりましたよね」
そうですよね、と相槌を打ちながら、くすぐったいぐらいに嬉しい。
こんな日はCVSも仕事がはかどるんだろうな。何時も何時も、ご苦労様です。

家に帰ってから金曜日の夕方に撮ったYOSAKOIソーラン祭りのビデオを確認していると、アナウンサーの男性が新琴似天舞龍神の衣装を見て言った。
「黒の着物と赤い帯に白で、まさにコンサドーレカラーですね」
こんな所でまで、気にしていてくれる人がいる。
コンサフリーク~北海道武蔵女子短期大学~の女の子が、挨拶の終わりに言ってくれる。
「私達はコンサドーレ札幌を応援しています」
ありがとう。例えカンペを読んでるだけでも嬉しいよ。


沢山の人達の、沢山の想い。
小さくとも少しずつ集まって。
そして大きなうねりになって。
選手達の背を押す力になっただろうか。
少しは迷いを晴らす事が出来ただろうか。

この1勝が、1歩を踏み出す力になればいいのだけれど。
例え1歩であっても、踏み出さない事には前へは進めないのだから。

posted by 半月 |01:32 | 試合に行った日 | コメント(0) |

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