2007年11月08日
ホーム・アドバンテージの話 ②
ホーム・アドバンテージの話 ① はこちら スポーツ報知 サッカー担当記者リレー日記
さて、続きですが、
私は件のスローインの話だって、目立たずに上手くやれればOKだと思います。結果が求められる世界なのですから、知恵を絞って、たとえ馬鹿馬鹿しいことであってもあらゆる手を尽くすのは当然のことでしょう。
しかし、お客さんはサッカーの試合を観に来ているわけであって、茶番劇に付き合うために来ているのではない。あからさまな妨害・遅延行為は競技としてのサッカーに対する興味とか尊敬を奪ってしまう。それではホームチームが勝っても元も子も無い。
相手チームや相手サポーター、さらにはサッカーという競技に対する敬意を忘れてしまっては、それはホームアドバンテージではなく単なる自己満足だ。必ずしっぺ返しを食らうであろう。
現場がどうなっているのかよく知らないが、ファイターズの試合では試合前だとか相手投手がKOされた時などに相手を茶化すような演出があるそうで、苦々しい思いで見ている方も結構いるようです。曰く「ホームチームが勝利して動員を増やすことのみを目的とした演出で、遠征してやって来る相手チームや相手ファンへのリスペクトが全く感じられない。このことは観光が主要産業である北海道のイメージをも傷つけている」と。
ウチの場合も場内DJが相手サポに「ようこそ札幌へ」と「良い演出」をしたときにブーイングしたり・・・、
おっと、この話は複雑ですのでとりあえず置いておきましょう。ただ、スタジアムは「人や文化を育てる場」でもあると思います。闇雲にブーイングするのでは駄目で、しかし逆に何でも拍手すれば良いものでもない。私だって偉そうな事言えるサポではありませんが、理想としては様々な経験を積んで「成熟した」サポーターがピッチの四方を取り囲めば、それは大きなホームアドバンテージになるのかなと思います。
もう一つ。これはもっと直接的な例ですが。
現在、ドームでは1ブロック、厚別では4ブロック(ぐらいだったかな)を「アウェイサポーターエリア」にしています。
アウェーサポはその一角に閉じ込められてしまうわけですね。
アウェイエリア外のB自由席が空いていたとしても、応援したければその狭い一角にぎゅうぎゅう詰めで座ってくださいということになるわけです、一応。
これもいわば「ホーム・アドバンテージ」というやつですね。
ただ、どうなんでしょうね。
どこのチームとは言いませんが、中東のイランという国で行われた試合に数百人規模でサポが駆けつけるというチームもあるわけですよ。国内に。
お隣韓国で行われた試合は6千人でしたっけ?
そういう人達からすれば、札幌なんて散歩に出かけるくらいのレベルではないでしょうか。
しかしそれでも、こちらのホームでやるのなら、「アウェイサポは1区画」を堅持して、
「詰めて座れ! 座れなければ諦めろ!」
ということも理論上は可能・・・なはずだ。
しかしこの場合、溢れたサポは緩衝帯を隔てた隣のB自由席に陣取って応援するだろう。そうすると緩衝帯の意味は全く無くなるわけで、浦わ・・・いやいやその相手チームのサポに新聞記者が取材でもしようものなら、
「札幌 運営面の未熟さ露呈」
と、コケにされるのは目に見えている。
それより何より現場整理にあたる私らの命が危ない(爆)。
勿論実際にはアウェイエリアを広げる対応をするでしょうが、どこまで広げるかというのが大問題。スペースが足りなければ↑のような事が想定されますし、かといって広げ過ぎると「なぜアウェイサポを優遇するのか!?」という話が出てくる。
開場後の様子を見て柔軟に対応しましょうということは、おそらくできません。B自由アウェイ側で見たいというウチのサポもいて、席を取ってしまうでしょうから。
これに関しては、そのチームのサポがギチギチに詰めれば全員座れるようにアウェイエリアと緩衝帯を絶妙のバランスで配置して、
「ホームアドバンテージはさりげなく」
を実現したいものです。
ただ、そんな事が来年あるとは思っていません。
無欲無欲無欲・・・。
posted by Gekitei |23:40 | コンサドーレ及びHFC | コメント(6) |