コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2011年02月04日

蔓延るさもしさ

相撲の話を聞いていて、だからというわけでもないのでしょうが、なんとなく思い出したことがあります。

年末年始に帰省してた時、こんなことがありました。

私の実家は、チェーン店などではない街の薬屋なのですが、1日と2日は休業でした。

2日の午後だったか、親父が2Fにいた母を呼びに来ました。私も2Fにいたのですが、どうやら来客の模様。

さっき言った通り休みですから、お店のシャッターは完全に閉まっているのですが、そこはチェーン店に比べて少なくとも人情だけは勝っている街の薬局ですから、裏道に面している居間の窓を叩くお客さんに対応するのは、我が家の場合珍しいことではありません。特に年末年始は病院が長期休業ですから、救急車とまではいかずともある程度急を要するという方が助けを求めてくる場合もあるので、これは無視するわけにいかないのです。

ですが、戻ってきた母が憤然としているので訳を尋ねたのですが、私も呆れて物が言えなくなりました。

聞くと、窓を叩いたのは70歳前後の婆様だったそうで、「お宅の日めくり、毎年貰ってるから、よこせ」という話。

どういうことか説明しますと、毎年うちの薬局では年末年始にかけて「日めくり」や「カレンダー」を何部か用意して、商品をお買い上げ頂いたお客様向けに進呈しているのです。日めくりの場合、晴れ着姿のタレントが花かなんか持って微笑んでいる画の下に店の名前が印字されているというのがお決まりのパターンです。子供の頃はそれが印刷された台紙に日めくりを装着して袋に入れるという作業を面白がりながらやった記憶があります。

そんなことはどうでも良いのですが、

当然ながら、これらのものは、「お買い上げ頂いた方に」「来年も(今年も)よろしくお願いしますという気持ちとして」差し上げているものです。

当然ながら、サービスの一環としてやっていることですから、日めくり代とカレンダー代は全て自己負担。

そして当然ながら、それを店先に明文化しているわけではありません。また、よく「○○円以上お買い上げの方に××を進呈」という文句をチラシ等で見かけることもありますが、我が家の場合は金額で縛るようなこともしていません。

ひとえに世間様の良識・常識が頼りというやり方です。

さて、

その婆様は、ウチなら日めくりが無料で貰えると知ってて、わざわざ1月2日という正月真っ只中に、その無料の日めくりをせしめるために、休んでいる店の窓を叩いたという話なのです。そんな婆様ですから、肝心の薬は商店街の薬局より安く買えるチェーンのドラックストアで買い、もう2年ほどもウチでは買い物していないのだという母の話。それでいて1年1度の進呈品だけ貰っていこうという根性にはさすがの私も呆れ果てました。

それでもその婆様はまんまと目的の品をせしめたようですが、もし私だったら拒否したかもしれません。素直に渡した母の徳に感心しましたが、それにしてもこれが今の世の中の一端です。

今の若年層に対する批判は、マスコミの方々にお任せします。私から言えるのは、少なくとも、いい年なのにこういう根性を持った人間に育てられた子供がろくな人間になるわけがないだろうということです。

「自分さえ良ければ良い、他人の痛み、他人の負担を理解しないさもしい人間が老若男女問わず今の世の中多すぎる」という母の言葉に、私も何とも形容し難い暗澹たる気持ちになりました。

最近ではそういったカレンダーなどの粗品配布を止めた企業も多いと思いますが、単に経費の問題だけではなく、配ることが馬鹿らしいと感じられてしまう世の中になってしまったのかもしれません。



ただ、それでも我々は生きていかないといけないわけで、

ただ、世の中はどんどん生き難くなっていて、心の余裕がどんどん無くなっているから、言動・行動がどうしてもさもしくなってしまって、



例えば、何十何百と就職試験を受けて落とされ続けた若者が
例えば、何十年も勤めてきたのに、少し欠勤が多いという理由だけで解雇となったパイロットが
例えば、貰える筈の年金が貰えないお年寄りが

月給103万6千円(~282万)という地位を守るために星を融通し合っているという話を聞かされれば、それがいくら伝統の一部だといっても、もはや許容できない話だろうと思います。

今後、国民の心に、「そういう文化」を受け入れるだけの心の余裕が生まれる見通しが立たないのであれば、今の日本相撲協会・今の大相撲は世の中から追放されることもやむを得ない話であると私は思います。日本独自の文化が無くなるとすれば大変悲しいことですし避けたいですが、100%外部主導ででもやらない限り、改革は不可能であることは最早明白であろうと思います。

いっそ他の格闘技団体と同じラインに立った方が分かりやすくなるのかもしれません。





思ったことをつらつらと書いてしまいましたが、「最小不幸社会」というのは、政治の問題ではなく一人一人の心の問題でしょうね。

posted by Gekitei |21:58 | 筆者動静 | コメント(2) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:蔓延るさもしさ

ひじょーに理解できる話です。
今の日本人のこころはすさんでいます。
でも・・・さらに悪化するでしょう・・
サッカーはそんなすさんだ空気をやわらげてくれます。

posted by 北空知」かわうそ村| 2011-02-05 00:48

Re:蔓延るさもしさ

すみません遅くなって。
まぁ良くなる要素は無いですよね・・・。

ただそれでも生きていかなきゃならないわけで、だったら、悔いの無いように、自分が大事だと思うもののために生きようとすることで、活力が出てくるんじゃないかなと思います。

サッカーの可能性を拡げるために、我がコンサさんにも今の何十倍何百倍も頑張ってもらわないといけません。

posted by Gekitei| 2011-02-15 23:25

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