2011年12月12日
立ち位置
サカナクションのリーダーが言った。 マジョリティーじゃなくてマイノリティーでありたい。 でもマイノリティーの中のマジョリティーでもいたい。 踊一はコンサに置き換えた。 ビッグクラブじゃなくて地方クラブでありたい。 でも地方クラブの中のビッグクラブでありたい。 …なのかな。 大震災で多くの人達の価値観が変わった。 あらためて地方には地方の生き方がある、なんて事を考えた。 どういうクラブを目指すのか、どこへ行こうとしているのか。 例えば、大スポンサーがついてあっちこっちから有力選手をかき集める。 これはビッグクラブの典型。 いや、そうじゃない。チームの核はあくまでも地元出身選手であるべき。 これが地方チームのコンセプトだ。 コンサドーレは地方のチーム。だが施設やスポンサー、サポーターの質と量は、J2では常に上位であり、数年に一度はJ1下位クラスに匹敵する。 いつも思っていることがある。コンサ、札幌、北海道の潜在能力だ。 代表監督の岡田は、日本代表⇒コンサドーレ札幌⇒横浜Fマリノス⇒日本代表と歩み、監督として上へ昇りつめた。 ゴン中山は、ジュビロ磐田一筋だったのにコンサを選んでくれた。 万人にわかる例えではあるが、コンサの潜在力、そして財産だと思っている。 通過点としての存在意義もある。登竜門と言ってもいい。 エメルソン、フッキ、ダヴィ、ダニルソン。吉原宏太、播戸竜二、今野泰幸。 コンサがきっかけで世界への扉をノックした選手達。 こんな事を何年も何年も重ねていくうち、ふとたどり着いた疑問がある。 コンサドーレ札幌の立ち位置ってなんだろう。 例えば、もう1度東芝サッカー部という伝統に立ち戻り、胸スポンサーに『TOSHIBA』とついたらどうなるか。 日立のレイソルやパナソニックのガンバのようなアジアを目指すチームになれるだろうか。 それとも地元札幌の銘菓『白い恋人』を胸につけたまま、アジアを目指すのか。 昇格の度に、補強したい、金が無い、でも補強しないとまた落ちる、でも金が無い、の繰り返し。いつのまにか地方の金無しクラブだからエスカレーターが当たり前のクラブになっていた。 『ニトリ』マネーの3億があっても1年で降格した。2008年の惨めさは忘れない。あの時はトータル8億だか9億の強化費で落ちた。平均13億のJ1では戦えずダントツの最下位に終わった。 2011年。スタメンには年俸の安い選手がずらり並ぶ。J1で実績の無い選手がたくさんいる。その若いチームをメンタル四天王(河合、砂川、芳賀、ゴン)が引っ張る。今年さらに凄かったのは四天王の上に、昇格請負人がいたこと。福の神、昇格座敷わらし・岡山一成である。こんなに札幌にハマるとは思っていなかった。しかし岡山は、自らの選手生命を賭けて戦いぬき勝利した。誰もが彼のサクセスストーリーを称えた。 チーム構成は2009年、2010年と比べ抜群にバランスが良かった。 中でも砂川はクラブが一度は放出を決めた選手だ。西嶋や藤田の移籍が決定的になり原資を捻出、急遽再契約が決まった。ふたを開けたら砂川は入団以来最高のパフォーマンスを見せた。 これだから、サッカーは面白い。 チーム作りはナマモノだ。毎年作って毎年壊して、やっと2011年型が完成した。でも…。 踊一は気を引き締める。 「J1で戦っていくためには、また2011年型をぶっ壊さなきゃダメだろうな」 サポーターひとりひとりが監督の気持ちになり、強化部長の気持ちになる。時にはサポーター上がりの社長の立場も考える。持株会会員の立場でも考える。 ストーブリーグに火はともった。 J1開幕は3月上旬。さっぽろ雪まつりの頃にはグアムキャンプ入りだろう。 1月15日札幌ドームにはどんなメンバーが揃うのか。 クラブの立ち位置は…。 踊一は何度も考えていた。昇格で浮かれた頭で考え続ける。正直まだ12.3の熱が冷めていない頭で。 エレベーターはエレベーターだろうな、なんて思う。仕方がない。 でも誇りがあるし意地がある。かつてのライバル仙台は大震災を乗り越えてJ1の4位だ。 だったらもう一度。リメンバー2001年。残留しかないぜ。 踊一の頭に「あの人」が思い浮かぶ。「ZANRYU」しかないゼーーーット!!
posted by odo |15:41 | 坂大楽 踊一 | コメント(0) | トラックバック(0)