2011年11月18日
果実酒
雑誌『O.ton(オトン)』だったら隠れ家的と表現するだろうか。 イチイの一枚板でできたカウンターとテーブル席が3つ、奥に小上がりが1つ。 メニューをさっと眺める。踊一はサッポロクラシックを注文した。マスターはなんとなくジオゴ似だった。突き出しに大根の田舎漬けが出てきた。 ウイスキーは「宮城峡」と「余市」がある。宮城峡には(芳賀)と書き加えてあった。 日本酒も置いてある。 北の勝 純米 純米吟醸 宮の沢 季節限定濁り酒 厚き心に 宮の沢?聞いたことない酒だ。厚き心に?熱き心に、小林旭かっ。でもあの曲は好きだ。チャントにしてもいいと思ってる。 ページをめくる。フードメニューはどんな感じだろう。 鮭ザンギ ~J1回帰~ 鳥栖地鶏鍋焼きうどん ツッコミどころ満載だな。鍋焼きうどんの写真、何コレ、鍋敷きがエルゴラの古紙だし…。ばんぶうのパクリやん。 クラシックを飲みながら、さらにメニューを見回す。 セレクトワインのページに目が止まった。エレベーターガールのイラスト、吹きだしに「上へ参ります」とある。 1997年モノ、2000年モノ、2007年モノのワインがずらりと並んでいる。フランス産、イタリア産、チリ産の中に北海道産も沢山あるらしい。 「昇格年のワインを集めたって訳か」 ブドウの出来不出来ではなく、コンサドーレ昇格決定年のブドウで造ったワインを集めているのだ。マニアックである。イタズラ書きで「(2011)」と書き加えてある。 <アドベンチャー>と題して、1998、2001、2002、2008年のワインも特集されている。文字通りJ1へ冒険した年だ。こういうこだわりは嫌いではない。 こちらもイタズラ書きで「(2012)」と書いてあった。 カクテルのページもサッカー一色だった。 メニューにはオリジナルカクテルが並んでいる。 バビロンリバー ヤリキレナイリバー チャント「何も恐れず」のバビロン河に、昔練習場があった栗山に流れていたヤリキレナイ川か。 ショウリノメガミ ダンスウイズドールズ 女性向けの甘い酒なのだろうか。 <やさぐれカクテル> ミスパス ミスキック ミスサッポロ ノーゴール オウンゴール イエローカード レッドカード ジャルカード ギャグのつもりなんだろうか。なんだか頼むのが怖い。ふと見やったモニターにジオゴのカラスパフォーマンスのシーンが流れていた。 再びカクテルのラインナップに目を通した。 <おすすめカクテル> 1996 ニアサイド ファーサイド サイドチェンジ アーリークロス アーリーカラス ストライカー 4-2-3-1 4-4-2 飲んだことがない、聞いたこともないカクテルのオンパレードだった。 一体何屋なんだ… ジオゴ似のマスターに聞いてみた。 「あのー、ニアサイドってどんなカクテルですか」 予想外の長い説明が始まった。 コンサにちなんだカクテルを開発研究していること。赤と黒にこだわっていること。サッカー観戦をするお客のために目に良い素材を使いたいこと。 ブルーベリーとアロニアは自分で栽培していること。ブルーベリーは黒実でアロニアは赤実を使用しているから「赤黒」になること。 ニアサイドのニアはアロニアのニアか。じゃあファーは何なんだ…。 で、炭酸割りでサイドチェンジと。メモメモ。 と、その時だった。カランカランとドアのカウベルが鳴った。 山下達也だった。 「た、達ちゃん!!」 「達っちゃんは馴染まないなー。ヤマかタツでいいですよ」 三角山放送局のレディオコンサドーレそのまんまやん! 「レ、レディコンに質問送ったの、実は…」 その時だった。すかさず達ちゃんがプラカードを見せた。 プラカードには「ドッキリ 大成功!!(ハートマーク)」と書かれていた。 やられたーー!! 「それより明日の草津戦、行かなくていいの?」 次の瞬間、踊一は目を覚ました。
posted by Yohichi Sakawotano |15:31 | 坂大楽 踊一 | コメント(0) | トラックバック(0)