2008年11月03日
ビジョンは既に出ている
リーグ戦14試合勝ち無し、天皇杯初戦敗退、US応援自粛、明るい話題が全く無いコンサ。そもそも何でこうなったかといえば、①「クラブにカネが無い」からとか②「クラブにビジョンが無い」云々というサポの不平不満愚痴に辿り着くわけです。 しかし、①に関しては児玉前社長から、②は村野GMからそれぞれ、2月12日の「サポーターズ集会」で触れられきちんと説明されております。 柏戦降格直後に、GMが「降格は大した事ではない」と話した件ですが、サポ集会での発言を思い出せば容易に理解できると思います。 「富士山でも羊蹄山でもいいんですけど、わかりやすい例え話としてよくこんな話をします。 J2を4合目以下とすれば、今は5合目。ここから上へ登っていかなきゃならない。 浦和、ガンバ、鹿島などは9合目にいて、毎年頂上アタックができる。いわばベースキャンプが(9合目に)あるチームです。 5合目というのは、J1のスタートです。財務的に5合目かどうかは別として(苦笑)、一歩づつ上へ、ベースキャンプを上へ持っていかないとならない。 もちろん、5合目から落っこちることもありえます。落っこちないこと、ベースキャンプを上げることは、お金で解決できる」 2月のキャンプ中にGMは財務的な不安と、資金不足による降格の可能性も示唆しています。 GMは次のように続けました。 「私は<北海道>にこだわりたい。金がないなら、もらっている給料の3倍働こうと思っています。寮長もやっていますが、出来の悪い子ほど可愛い。西大伍が昨年出てきました。U-15、18からトップチームに抜擢されたコンサの生え抜きです。コンサのアンダーからコンサを経由して青いユニフォーム(代表)へ呼ばれる。そういう選手を育てる事が働くモチベーション(動機)になる。 金~他人のチカラ~を使って強くなっても、面白くない。 花にはランという(高価な花)のがある。金があれば(ランの)切花なり鉢植えを買ってくればいいが、コンサドーレの強化としては、花を育てる。畑を耕す。肥やしをやる、種をまく。 (GMとして)スーパースターが出るための努力(土壌作り)はする。 シーズン途中の補強で大事なのは、コストパフォーマンス。監督がコストパフォーマンスを頻繁に口にする(貧乏)チームも珍しい。 『強くしたって、クラブが無くなったらしょうがないだろ』ってことです」 最後にこう付け加えてくれました。 「(児玉)社長も居るので、私が考える将来的な構想(理想)も話しておきます。 夢は、東雁来にアンダー(ユース)の全寮制の施設を造ること。 育成部長として思うのは、強いチームは「食育」がきちんとしているということ。 柏レイソルはユースにちゃんとしたレストランを用意して栄養管理をしている。アンダー組織の環境を整える事も強化の一環だ。食べ物はサッカー選手のガソリンです。 (トップチームを)自前の選手だけでやれるようなチームを目指して、5合目から毎年毎年7合目、8合目へと登りたい。だから育成を重要に考えている」 何故、いま過去記事を引っ張り出したかというと、これからクラブから出されるであろうビジョンが上記と変わらないものであると予測するからです。 ここまで読んで気付いた方も多いかと思いますが、ビジョンというものは残留しようが降格しようが変わらないはずなのです。ビジョンはクラブが存続するための指針でありますから、社長が変わろうとGMが変わろうと揺らぐことはないのです。 だから柏戦直後の厚別でGMは「このクラブは皆さんのモノです」と数十年先までのクラブ存続を訴え、「児玉社長はよくやってくれたと思う」と減資&増資を評価し、「5段階計画は3~4段階に一歩後退」(5段階目=J1定着・安定したチーム、4段階=J1昇格)と述べたのです。 何を書きたいかというと、降格したからといってビジョンが変更される事はあってはならず、変わるとするならば「J1残留、定着」を前提とした経営計画なのかな、という事です。後任監督問題にしても、来季のJ2での戦い方にしても「無い袖は振れない」HFCの財務状況ですから、推して知るべしでしょう。 長くなりましたが、前置きはここまで。(前置きだったのかよ!) 玉石混交ほとんど石(笑)な秒刊コンサに以下の「玉な」書き込みがありました。 303 :!omikuji:2008/11/03(月) 06:20:17 ID:T9qkIw9l0 (前略) 債務超過の解消は、(1)利益を上げて債務を返すか、(2)増資によるか、で解消される 減資で債務超過は解消されない 大事なことだから二度書くけど、債務超過の解消と減資は関係ない 減資で債務超過を解消するから、今回の減資は必要だった ↑ ここが一番の間違い 今回も債務超過を解消したのは増資であり、減資によって債務超過が解消した訳ではない だからな、減資をしなきゃならなかった財務状態というのがそもそもウソだ そして、その減資をしたんだからHFCが評価できるというのもバカなやつの勘違いだ (後略) この投稿には、半分は正しいが半分は「?」と思いました。 まず、株主が応じた80%減資によって解消したのは、「債務超過」ではなく、「累積債務」です。この点については正しい。 そして第3者割当増資によって債務超過が解消された。 なぜ緊急の減資が行われ累積債務の解消で身軽になる必要があったのか。 それは児玉前社長が説明しており、道や市や企業の株主も了承している。 「2億円の債務超過を1年で消すという確認書を(Jリーグ鬼武チェアマンへ)出している」 「1年間で(債務超過解消に充てる)利益を出すのは難しい。減資案などを考えていかないといけない。クラブの存続が第一」 「クラブの存続が第一」なのだから、HFCの減資は評価できるじゃないですか! 端的に言ってしまえば、クラブの存続のための経営計画とビジョンは両輪の関係なのではないですか? どちらかだけが突出するのはありえない。大事なのは「経営計画とビジョンのバランス」であります。
これから注目したいのは、クラブのビジョンと今後の経営計画との整合性なのです。 サポーターにもそれぞれ「コンサにああなって欲しい、こうなって欲しい」というのが必ずあると思います。 ビジョンというのはGMの言う「東雁来に全寮制施設を造る」のように長期的な目標であると思います。これは「札幌5段階強化計画」の最終ページにイメージ画まで載っております。サポ集会で思いつきで言った事ではありません。 例えば、じゃがほっけ佐々木元社長の「サッカー専用スタジアムが欲しい」というのも将来的なビジョンでしょう。「自前のスタジアムが欲しい」と多くのサポも思っております。 そのためにはやはりクラブの財務状況がしっかりしていないとならないわけです。身の丈な黒字経営を毎年続けないとビジョンなんて簡単には達成できない。「公的資金に頼らない経営」も目指しているわけだから、スポンサーももっと集めなくちゃならない、入場料収入を増やすためにチケットも沢山売らなくちゃならない。じゃぁ、スポンサーを付けるにはどうしたらいいか、チケットを沢山売るにはどうしたらいいか。どうしたらスポンサーに付きたい、スタジアムに行きたいと思わせるだけの魅力あるチームになれるのか。 地方だから出来ないとは言わせません。そりゃ大分にも新潟にも競合するプロ野球チームはないですよ。福岡も仙台も同じく苦労してるかもしれない。でもコンサドーレにはファイターズとは違う魅力があるはずです。潜在的なサッカーファンは北海道にドーム一杯分はいます。オシムジャパンが来た時はドームが満員になったでしょ。 違うか(笑) ユーチューブで聞いたGMの言葉を思い出します。 「5段階計画に基づいた育成路線でいくべきだ。計画を変更しているつもりは無い。北海道の子供達をベースにしたチーム作りはブレていない」 GM達が策定し掲げた「札幌5段階強化計画」、Jリーグと約束した「債務超過の解消」、そのために敢行した「減資・増資計画」。それらを踏まえた上での来季の方向性、目標、次期監督、選手そして目指すサッカースタイルの選択肢は、そんなには多くないような気がします。 USの皆さんは応援自粛を解除するための「落としどころ」をどこに設定しているのかな?
posted by (oDo) |08:35 | HFC/(株)コンサドーレの経営 | コメント(3) | トラックバック(0)