コンサドーレ札幌サポーターズブログ

スポンサーリンク

2008年10月07日

強いチームへの道程

ジュビロ戦の2失点目と3失点目について、かなりの時間考えていた。

コンサを完膚なきまでに叩き潰した 駒野と前田。

・駒野の精度の高いCK
・前田のポジショニングと高い打点のヘッド、当たり負けしない強さ
・西嶋ヒロくんが2回も前田に競り負けたこと

駒野についてだが、言うまでもなく磐田産の選手ではない。広島産だ。育成云々を語るなら広島を褒めるべきか。ああいう選手を育てたいがために例えば藤田征也に期待するのだろう。駒野のような代表クラスはなかなか札幌からは出てこないかもしれないが、それを追い求めている人がコンサドーレには居る。村野GMだ。
育成を語るとき「北海道出身の選手を集めないと集客力が上がらない」という声も上がるのだが、果たしてそうだろうか。それは三上強化部長が全国を回ってかき集めてきた選手に悪いのではないか。宮古島出身の上里、熊本出身の岡本、浜松大から札幌入りした柴田・・・・。逸材を集めて育てて強い集団を形成していく。高校や大学のサッカーレベルが比較的低い北海道ではそうやって選手を集めていくしか道はない。そこがサッカー王国静岡と違うところだ。

もちろん「北海道出身の選手」でトップチームの半分以上を占められれば「オラが街のチーム」という誇りは持てるだろう。J2ならそれでもいいが、J1ではなかなかそうも言ってられないのが現状だ。誰が監督でも「ダヴィ&アンデルソン」を選び「石井&宮澤」ということにはならないのだ。ダヴィの方が銭の取れるプレイヤーだからだ。
DFの選手にしても道産子の曽田、池内だけではとてもじゃないが戦えない。歴戦のツワモノ西澤、箕輪が居て、移籍組の西嶋、坪内が居て、新戦力の柴田が居て、やっと面子が揃う。

駒野友一と前田遼一に2回も同じ形でやられた。
コンサにもあんな選手が欲しいと思う。完璧だし力強いし。ヤマハスタジアムのボルテージは上がるし、コンサは意気消沈する凄まじさだった。セットプレーが一番得点の可能性が高いわけだから、いつも三浦監督が言っている通り、あれがコンサが本来狙う得点パターンだった。フロントが三浦監督を支持するのは、例えばそういう「現実的な采配」を目指している所なのだ。
自分でバイタルエリアに切り込んでシュートを打ち込む日本人ストライカーを育てるのは至難の業だし、他所のチームから移籍させることも出来ない。ならば、札幌版の前田遼一を、例えば宮澤裕樹なり横野純貴に担ってもらう。札幌版の駒野友一を、藤田征也なり西大伍に担ってもらう。わかりやすく言えばフロントの考え方はこういう感じだと思う。宮澤、横野、藤田、西、全員J1を体験することが出来た生え抜きの道産子コンサドーラーだ。

2002年のJ2降格時と違って絶望感が割りと少ないのは、彼らがいるからなのだ。そして三浦監督もフロントの強化方針に準じた指導なのである。フロントが「結果だけでなくプロセスも重視」と言っているのは、たぶんそういう事なのだろうと思う。そこを見通しているサポは安易に「監督解任」を叫ばない。

前置きがエライ長くなってしもうた。本題はこっから後ろだす(ええー!)

三浦監督について、自分の調べたことを振り返って読んでみていたら、自分の大きな勘違いに気付いた。

先日、「ちゃんとしたフィジカルコーチが居ないのが怪我人が多い理由だ」と書いた。
いまさらだが、三浦監督はフィジカルトレーニングを重視していないということに気付いた。したがって松井コーチにフィジコを兼務してもらっているのは、三浦監督の意向だと思われる。

http://www.tifosissimo.8m.com/columns/103miura.html
(イタリア通信103:<番外編その1>ドイツ仕込みのアウトサイダー)

興味深いのは、以下の点。青字の部分、そのまま引用させていただきます。

日本人選手について:
「自分の頭で考えて判断を下す能力が鍛えられていない。言われたとおりにこなすことはできても、状況の変化に対応するのが苦手」

春先からの外国人2トップ構想の根っこはココにある。ダヴィの去年からの変わり様、アンデルソンのたったの4ヶ月での変わり様を見ると、やっぱりブラジル人の頭の柔軟さは凄いなと思ってしまう。

フィジカルトレーニングよりボールを使った実戦を重視:
「いいサッカーをするためには、選手ひとりひとりが自分の頭で考え、判断できなければばならないとぼくは思っています。だから、いまうちは、ボールを使った練習以外はほとんどしません。フィジカルトレーニングはやらないんです。
 筋トレしたりただ走ったりするのは、選手にとっては実は楽なんですよ。頭を使わなくていいから。それに、20代半ばの選手がフィジカルトレーニングで得られるものはそんなに大きくない。彼らに一番必要なのは、常に自分の頭で考え続けながらプレーするという姿勢を身につけることです。それにはボールを使った練習しかない。
 個々の選手の判断力が磨かれれば、チームとしての総合力はまだまだ伸びます。フィジカルをやっていれば、最後の10分まで走り負けしないとか、そういうメリットはあるかもしれないけれど、それでサッカーの質が上がることは絶対にあり得ません。だからうちでは、フィジカルを省いてでもボールを使った練習を重視します。」

・自分の頭で考え続けながらプレー
・個々の選手の判断力

これはヤンツーの教え5か条にも出てくることだ。

戦術的には両極端な柳下監督と三浦監督だが、コンサに足りないところは二人ともお見通しなのだ。
そして優秀な二人の監督の指摘は当然、三上強化部長を通じてフロント上層部まで届いていることだろう。その上で来年どういったチーム作りをしていくべきか議論することになろう。
コンサドーレは一朝一夕に強くはなれない。上がったり下がったりの繰り返しをしながら強くなっていくしかないのだ。それがエレベータークラブの宿命なのだ。

俺達が認識しなくちゃならないのは、昨年12月1日がジェットコースターの頂点で、あとは急降下するだけの運命にあったということ。重力に逆らえないのと同じで今回の降格は避けきれなかったものだと思う。

エレベータークラブの宿命と書いたが、京都サンガとは違ったタイプのエレベーターだと書き加えておく。

・ヤナギみたいな大型補強はできない
・一度落ちると上がるまで時間がかかる

俺は「エレベータークラブ」を汚名とは思っていない。ヨーロッパを見て欲しい。エレベータクラブは必ず存在する。
地方(イタリア語でプロビンチャ)だから弱い?大分や新潟に失礼だろ。
大分と新潟は「上りエレベーター」になるヒントをくれている。

・第2のシャムスカを探してくる
・何が何でもスタジアムを満員にする

改めて、札幌らしいやり方ってなんだろうって思う。
フロント(というか村野GM)がいろいろ考え抜いた上で、三浦監督続投要請するなら俺は支持するよ。
ただ、札幌での3年目は三浦監督にとってメリットがあるのだろうか?
果たして引き受けてくれるだろうか・・・・。


posted by (oDo) |08:22 | 三浦俊也監督 | コメント(3) | トラックバック(0)