コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2007年12月09日

2008三浦コンサの方向性

「コンネム」が選ぶ今年の流行語大賞を軽く発表。

大賞:「後悔したくなかった」
    大賞と大勝をかけたのですが、三上大勝強化部長の語録。
    西大伍を短期留学先のブラジルから呼び戻した時の言葉。
    プロ初ゴールが、愛媛戦のロスタイム決勝弾というミラクルぶり。
    3万2千人を集めた京都戦でプロ初先発、最終戦の水戸戦でも先発し、
    見事に同点ゴールを演出(大伍⇒スナ⇒ダヴィ)した。
    あの時、大伍を呼び戻していなかったら、優勝していなかったかも。

準大賞:「ハードワーク」
    これはJ1に上がっても必要なコンセプトだと思う。
    ミスター・ハードワークは芳賀キャプテン。
    キャプテン手当て、あるいはハードワーク手当てを上げたい位。

敢闘賞:「ソレナリント」
     西嶋ヒロくん。ヤンツー時代から複数ポジションをこなしてきた彼だが、
     ある雑誌のインタビューで「ポリバレント」というより「ソレナリント」だと。
     “それなり”に色々な事をこなす人は、組織からは重宝される。
     ソレナリントがいるからこそ、少ない人数で組織が回る。
     全治2ヶ月。グアムには行けないが開幕には間に合いますよう。




さて本題に入る。

まずは読売の記事から。
12/1 優勝・昇格を決めた直後の監督の記者会見から、三浦イズムが出ているところをピックアップしている。
「クラブハウス」のくだりは、我々会社勤めの人間にも通じる話だと思った。
詳しくは、【J2優勝!】三浦俊也監督(札幌)記者会見コメント(全文掲載しました!)
動画を1回見たあと、2回目は音声を聞きながら記事を読むと、三浦監督の考えの一端が見えてくる気がする。
そして、最後の方で「2008三浦コンサの方向性」が垣間見えてくる重要な事を熱っぽく語ってくれている。

三上強化部長の「我々が考えてきたのは、J1で安定した戦いができるチームを作ること」というコメントはつまり5段階計画の事であるから、コンサドーレ全体としての総意だと思う。
「向上すべき部分はあるが、手応えを持っている」という部分。ここに来季J1へ挑戦するに当たってのヒントが隠されていると考える。
三上部長曰くの「向上すべき部分」とは、人によっては得点力と受け取るだろうし、いやいやJ2とは対戦相手(特に外国人)のレベルが違うのだから、守備だろうという人もいるだろう。あるいは全てにおいての速さ、精度、タフさなのかもしれない。

読売は「守備力の高さは際立っていても、中盤を組み立てて試合を落ち着かせようという能動的なプレーはあまりに少なすぎたし、終盤戦では3試合連続で先制を許すなどナイーブな面も見せた」と指摘した。
確かにその通りだが、監督の考え方はこうだ。

もちろん、攻撃的なサッカーは魅力的ですし大事ですけど、パスをつなぐだけというのは、私は良いサッカーとは思えません。やはり点を取って、あるいはシュートして…というのは個人的には思っています。

つまり、水戸戦時点の戦力ではパスでビルドアップして点を取りに行くよりも、点を取る確率が高い方を選んだということだ。セットプレーはもちろん、同点ゴールのようにサイドから中央へ折り返してシュートを打つという事を繰り返す。
あるいは、実際岡本が見事に決めたが、狙い済ましたロングパスをダヴィめがけて放り込む。パスの出し手も受け手も単なる「タテポン」と馬鹿には出来ない高度な技術だったし、時間をかけずに相手のゴールを脅かすには来季も必要な戦法かと思う。「パスをつなぐだけ」のサッカーは「点を取る」にはあまりにも効率が悪すぎる、そんな風にも受け取れる。つまり今のところ三浦戦術は、柳下戦術の真逆を行って成功しているのだ。

三浦戦術に好感が持てるのは、割と大敗が少なく(1-5ヴェルディもあったけど)、90分+アディショナルタイムのフルフル、ハラハラドキドキを楽しめるサッカーだったという事。その最たるものが愛媛戦のミラクルダイゴールだったのは言うまでもない。

我々、よく守備的なサッカーという言われ方をしていて、それが「J1で通用しない」という言われ方をされますけど、私がJ1をやってる経験上、具体的な事例でそれを否定できる

守備的に入り、まずは守備の崩壊を防ぐ。これが来季の課題である事は言うまでもない。2008年も2009年も残留して、まずは残留記録を更新しない事にはコンサの未来は無い。上がったり下がったりのエレベーター、ジェットコースターチームから脱却しなきゃいけないのだ。

いまの世界のサッカーの傾向で、ハードワークをしない、あるいは守備をしない、走らないといったチームが勝つことは不可能です

(ワールドカップのイタリアのような)守備的なサッカーが果たして悪いのかというと、案外いま世界のトレンドなんじゃないかなと思っています

私は去年J1でやってましたけど、浦和は極めてディフェンスの強いチームでした。もちろん点の取れるストライカーもいます。ただ得点を取るのが非常に難しいチームでした。個人も強かったでしょうし、チームの作り方のバランスも。ですから、そこを忘れてあまり現実味のないことをやったら、やはり残留するというのは難しい

これが三浦監督の本音なのだ。
ここを理解した上で、三上強化部長が選手を集めていることと思う。

おそらく、同じカネをかけるならどのポジションも「より守備が出来る選手」「より走る選手」「よりハードワークする選手」という事になるんだろうと思う。

FWからしっかり守備をしたり、あるいはチーム全員で守備も攻撃もやる、ベスト8に残ったチームはそういうチーム

「ベスト8に残ったチーム」を「2008三浦コンサ」と置き換えても問題ないだろう。結局は、2007三浦コンサの進化した形を目指すのだと思う。
他チームがどうだったから上がって、どうだったから落ちてという理由ではない。せっかくJ2優勝を果たしたのだから、今の戦力(特に若梟)を最大限活かして、戦術を進化させて「J2に落ちないチーム」造りをして欲しいのだ。
案外いま世界のトレンドという守備重視のハードワークサッカーを推し進めていく事だと思う。資金力に乏しいチームが生き残るには、逆にそれしか無いのではないか。


2008年のコンセプトは「残留するに必要な勝ち点を取るサッカー」だと思う。
監督から出されるであろう「勝ち点XX」という具体的な目標値を楽しみに待ちたい。



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posted by 2(0d0)8 |05:41 | J1探訪 | コメント(0) | トラックバック(0)