コンサドーレ札幌サポーターズブログ

スポンサーリンク

2010年12月12日

2010年シーズン回顧録

数字に対してシビアになれるかどうか。
石崎続投賛成派と反対派には、深い溝がありそれは今後も埋められるものではない。監督の評価はまず勝敗や勝ち点から論じられるべきである。試合内容の良い悪いは好みによって割れるが、始めから負けて良いと思っていないのはフロントも監督も選手もサポも同様だからである。
クラブ及び監督が掲げた目標はJ1昇格であり、その後簡単には落ちないチームであることは間違いない。
その前に今目指しているサッカーが昇格できるサッカーなのか、そしてプレーの精度や戦力から考えて戦術がそれにふさわしかったか検証する必要がある。

http://soccer.yahoo.co.jp/jleague/team/276/sche_all.html

今シーズンの成績を序盤から振り返ると、スタートダッシュに失敗したところまでは福岡と一緒。W杯再開直後のフクアリ千葉戦まではなんとか3位の芽を残していた。
ターニングポイントとなった7/25ドームから、チームがどういう方向を目指しどのように失敗したのか。ここを整理しないと2011年シーズンは見えてこない気がする。もちろん今の段階では補強うんぬんの情報は無いので、三上と櫛引の2人IN、砂川、藤山ら6人がOUTという状況で見ていきたい。

7/25は開始直後の石川の退場が大きく響いた。PA内での守り方がまだ徹底されていなかった。高原と4バックの関係の不安定さが招いた事故のようなものだったが、横浜FCのしたたかさは後に6位という順位になって表れてくる。岸野監督はチーム変革の1年目なだけに象徴的な対戦と言えたと思う。球際への執着心、もっと言えば勝利への執着心が横浜FCより足りなかったのだと思う。くどいようだが、W杯再開後のホームゲームを落としたのは非常に痛く、来年も「ここぞ」の試合に負けるようでは昇格はおぼつかないと思う。
その後チームは北九州、大分に勝つものの、上位との直接対決には敗れ、アウェー柏で1-5の大敗を喫するなど2勝1分6敗と完全に「J2ボトムス」に沈んだ格好となってしまった。

9/26厚別の岐阜戦からは、ワントップやゼロトップで堅守速攻(実際は遅攻)スタイルに舵を切り、戦績的には多少持ち直した。しかし負けないサッカーになっただけで、リスクを負うことも少なく見ていて魅力を感じるサッカーとは言い難かった。シュート数だけでなく、パス数(成功したパス)もJ2で少ないほうであり、それは順位(15-13位前後)と比例するものであった。

明るい兆しがなかったわけではない。
18節フクアリ千葉戦から加入した高木純平は劇的にチームに変化をもたらした。周りが変化についていけなかったのか、副作用としてチーム戦績は負けが込んでしまったが、シーズンが終わってみれば「純平中心のチーム」との印象が色濃い。この点を分析すると、純平加入前のチームと純平加入後のチームは全く別物であり、後者が石さんの望むサッカーに近いと考えるのが自然である。16試合スタメンで起用されたのがそれを雄弁に物語る。

http://soccer.yahoo.co.jp/jleague/player/3041/index.html(高木)

三上陽輔(新川高校在学中)の活躍も、石さん続投の大きな要因だと思う。
三上が抜擢されJデビューしたのは15節。いきなりスタメン起用で通算10試合全てスタメンで起用され、3得点は見事という他ない。FWに故障者が続出したのもあるが、結果的にチャンスをものしたのは三上本人であり、活躍の場を与えたのは紛れもなく石さんである。最終戦を見て石さんが続投を決めたというから、三上が石さんを引き留めたようなものだ。推測ではあるが、FW陣の中で一番戦術理解度が高いのは三上ではないのか。

http://soccer.yahoo.co.jp/jleague/player/1000258/index.html(三上)


以上、後半戦の石崎サッカーの肝となった二人を中心に分析した。
次も数字での評価なので、献身的な走りだとか目に見えない部分じゃないので的外れかもしれないが、「面白くなかった」要因の一つだと思うので書きとどめておく。

       シュート数 なんでこんなに 少ないの

一句詠んでた。毎試合詠んでた。
ポジション柄シュートを期待された数人の選手をピックアップさせてもらう。

http://soccer.yahoo.co.jp/jleague/player/501545/index.html(藤田)

藤田征也は30試合でシュート23本。サイドバックとしては少ない気がする。もし監督の指示通りなら得点に繋がるクロスなりCKをもっと増やさないと。来年は失点はそのままとしても、得点をトータル30点増やさないとならない。ダヴィ並みのスーパー外国人を補強できたとしてもあと10数点はMF、DFが稼がなくてはならないだろう。

真ん中の選手も不甲斐なかった。トップ下やボランチで起用された宮澤は28試合でシュート23本。ここまで不甲斐ないと「パスサッカーの犠牲になったね」と同情したくもなる。
宮澤も藤田も、本当は局面がガラッと変わるスピーディーな攻撃の方が合うんだと思う。もし彼ら二人、さらに岡本ヤスを再生し勝てるサッカーに変容するには「堅守速攻」色を強く打ち出すしかないように思う。
フクアリより前の前半戦の戦いっぷりでそれは判断してもいいのではないか。

http://soccer.yahoo.co.jp/jleague/player/700824/index.html(岡本)

ヤスは17試合出場にとどまりシュート15本。怪我に苦しんだシーズンだったので仕方ないとはいえ、藤田&宮澤&岡本の3人で7点しか取れなかったのは厳しい。

http://soccer.yahoo.co.jp/jleague/player/400589/index.html(上里)

上里は4得点中、前半戦に3点で、シーズン後半戦に得点に絡んでいないのが気がかりだ。

http://soccer.yahoo.co.jp/jleague/player/900053/index.html(古田)

古田が23試合でシュート24本、5得点。飛躍の年にはなったが、来年は10得点目指してもらいたいと思う。

上記MFの中堅若手選手(あくまでも数字上だが)の成長と勝利がリンクしないと、「パスサッカーの成熟」なんて言われてもピンと来ない。スカパーの解説でもよく言われていたのが、シュートに持って行くまでの過程はいいが、シュートを打てないというもの。
裏を返せば、フィニッシュを相手チームに読まれちゃってるということだ。攻撃に厚み持たせたり、相手を惑わすような創造的なプレーだったり。スタジアムの観客を魅了するプレーがまだまだ上記の「期待されている」選手達に足りない。石さん続投容認派は、彼らがまだまだ石さんの指導の下で「伸びる」と判断しているわけだから、期待を裏切っちゃいけないと思う。

もちろん大事なのは、「勝つ事」だ。勝利への執着をないがしろにしているようでは、どんな戦術もどんな理想も軽いものに見られてしまう。コンササポの中で今でも「バルサのようなサッカー」を望んでる人がいるかどうか。コンサは身の丈に合った、そして資金力、戦力に見合ったサッカーを目指すべきではないのか。そこに「コンサドーレ・スピリット」(中期3カ年計画の文言より)さえあれば、技術的に多少下手でも泥臭い戦術でも、観客は拍手を贈り納得するのではなかったか。もう少し現実を見た方がいい。もう少しサッカー界の流れをつかんだ方がいい。ポゼッションやパスサッカーが必ずしも正しいのか。いや、かつてはそうだったかもしれない。でも「いまは?」。

勝ちながら、もっとカッコ良く勝ちたい。カッコ良く魅せたいというならそれを否定するつもりはない。問題なのは勝てないのに理想ばかりを追う甘いサポーター達だ。数字にシビアになることが、チームを強くする第一歩だと思うがいかがだろうか。J1定着にしてもチーム力との兼ね合いやら、バランスというものが必要。コンサドーレは一部の熱狂的サッカーマニアのためだけに存在するわけじゃない。一般市民は勝てないチームから離れ、コアサポだって眠い試合ばかりだったらテンションが下がる。その辺りは空気を読んで臨機応変に対応していただきたい。いまさら「ブレる・ブレない」を言っても仕方が無い。クライトンがいる・いない、ダニルソンがいる・いないで戦術がブレるのは当たり前だ。どんな監督だってブレる。ヤンツーだってフッキがいる・いないで戦術は変わった。勝ち上がった天皇杯がそうだった。
3年目はなりふり構わず結果を求めなきゃダメだ。始めから石崎体制「育成オンリー3年計画」だったならこんな事は書かないけど。1年1年が勝負なんだから。そういう契約でやってるんだからフロントももっとシビアに対応していかなきゃ。

その意味では来季、夏場を過ぎ秋が来ても3位争いに加わっていて欲しいと願う。昇格争いをするのが選手の成長に繋がるし、それが何よりの育成なのだと考える。
J2にいる目的はただ一つ、J1昇格より他ないのだから。

posted by odo |13:58 | データファイル2010 | コメント(3) | トラックバック(0)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.consadole.net/odo5312/tb_ping/3404
この記事に対するコメント一覧
Re:2010年シーズン回顧録

>J2にいる目的はただ一つ、J1昇格より他ないのだから。

同感です。
問題はこのことを石崎と一部の病気なマニア連中が
理解できているのかどうかですね。

posted by SAさぽ| 2010-12-12 15:12

Re:2010年シーズン回顧録

>問題なのは勝てないのに理想ばかりを追う甘いサポーター達だ。

共感いたします。

私は容認派でも否定派でもありませんが、ベストではなく、ベターな選択をしたことが残念です。
「今替えてもまた一からやり直し。それならもう一年やってもらったほうがイイ!」 と。
まあ、大多数の方々にとっては「ベスト」な選択だったのでしょうが。

そんな空気が感じられます。

最終戦後の挨拶は言うに及ばず。
プロチームの監督として、というか、それなりの立場にいる人間として失格だと思う。

馬鹿にされていると思ったのは私だけかもしれませんが・・・・・

posted by SBアウェーサポ| 2010-12-13 12:03

Re:2010年シーズン回顧録

>SAさぽさん
育成の判断基準って人によって違いますが、
昇格から遠いか近いかは誰の目にも明らかです。
「上がれなければ4位と13位は同じ」とは思えません。

>SBアウェーサポさん
今年の戦いぶりを見ていると、オリジナリティがあるように見えなかったので、監督を交代してもさほど影響がないと思っていました。あの程度のポゼッションは他のチームでも普通にやっていますから。
最終節の挨拶は、ブーイングや「辞めろ!」が耳に入って頭が真っ白になったんじゃないかと推測します。本人は4-0勝ちで「どや顔」で話す気マンマンだった可能性がありましたから。

posted by odo| 2010-12-14 06:57

コメントする