2006年01月30日
湯 しまふく
「お前食いすぎだって!!」の役立たずな体重計のふりした心拍数だけをあげるだけの物体。 そこに選手のロッカーがある。 そのロッカーに服を投げ込み素っ裸でざぶぅっと軽くお湯を流し心を開放する場所。
お風呂は、彼らが帰ってくると誰かしらお湯を注ぐ。 2つの蛇口から25分。じゃんじゃんとお湯を注ぎ込む。 170cm×160cm位。 大きなお風呂っていうのは、温泉じゃなくても上がった後、いつまでもポカポカとあったかい。
小さい窓があって夏は、開けて入ると爽やかな風が入って、ちょっとした露天風呂 のような気分になるはずです。(気のきいた人がいたらだけど・・) 寮が出来て引き渡しの日(鍵を預かった日) 施工会社の大和ハウスさんがこのお風呂にお湯をいれておいてくれた。 調理場の説明が終わり、ぞろぞろと列になって2階の階段を上がって 湯気のほわんと上がるお風呂を目にした時「うわ~。」って思わず声に出た。 取り立てて飾りがあるわけでもないシンプルなタイルのお風呂。 だけど、とっても気持ちよさそう! 洗い場は5つあってシャワーの出もすこぶるよい。 お風呂の蓋のことばかり気になった。こんな大きなお風呂にする 大きな蓋は、いったい何処で都合つけるんだろ? ・・・蓋はいらないらしい・・。 湯気にそそられてソワソワしてしまった。 「じゃ、次は選手の部屋を・・」 ・・・・そりゃ、そうだろうさ・・。 後ろ髪を引かれながら湯気を背に向けて背中で泣きながらお風呂場を後にした。 滞りなく見学が終わって「じゃ、入居は2日後と言う事で・・」 大人として頷いてみたけれど、あのキラキラと光った2つの蛇口から 25分もダクダクとお湯を注がないと満タンにならない最初のお湯は誰も入る事もなく 栓を抜けれてしまう物悲しさに憤りを感じてしまった。 私たちは、選手が入居する2日前に入居した。選手が入居する前に 「しまふく風呂」に入れる幸せをかみ締めた。ただただ・・かみ締めた。 (オフになったら、また入れてね。)と振り向いてお風呂に短い別れを告げた。 ・・・なんつって一度だけ、夏の2部練習の時、彼らが夕方まで帰ってこない事をいいことに、 誘惑に負けて朋ちゃんと入ってみた・・。 上がる時、風呂の栓を抜いて床のタイルを磨いて窓を開けて(ばれないように)昼風呂から上がった。 何日かして、選手に「ね!村野さんさぁ、風呂入ったでしょ!」 「・・・・・・・・・・・・・・・なんで、ばれた?」 「ピン止め(バレッタと言われる大きな髪留め)置いてあってさ、 ちょっとした騒ぎになってましたよ。でも、村野さんだったんだ。」 ・・・なにが、『でも』なのか突っ込もうかと思ったけれど、己の詰めの甘さをそこでも知る事になった私は、 「えへへ」と言葉にするに至った。
posted by murano |08:28 | しまふく寮 | トラックバック(1)