コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2016年03月22日

鬼門突破(VS清水エスパルス)

 2-0.強敵というより凶敵とも言える清水エスパルス。そしてその本拠地IAIスタジアム日本平。その地でついに勝ち点3をもぎ取った。鬼門突破となったこの試合。思うところがあったので、振り返ってみたいと思う。
 74.1%。この数値が示すデータは「先制点を入れたチームが勝つ確率」である。W杯に限定しており、しかも1930年大会~2006年大会における決勝トーナメントに限ったデータであるという但し書きは付く。加えて16チームが決勝トーナメントに進出する現行方式になった1986年大会~2006年大会に絞ると、勝率は80.7%へ上昇する。
 なぜこの数字を挙げたか。それは先制点がこの試合に与えた影響が明らかに大きかったからだ。J’sGoalに掲載されている清水VS札幌のウォーミングアップコラムから大前元紀のコメントを引用したい。「(松本戦は)ボールを支配できて自分たちのゲームだったし、自分たちのほうがチャンスがあった。愛媛戦のように、引いた相手に何もできないという試合ではなかったので、あとは最後の精度だけだと思います。」また、村田和哉、小林伸二監督のコメントにも共通して出てくる言葉がある「精度を上げる」。前半15分までエスパルスはホームの利を活かし、縦横無尽にコンサドーレのDF網を切り裂いた。前線からのプレスで前寛之が繰り紛れに出したパスをカットし素早いカウンターで札幌ゴールに迫った前半4分のプレー。前半11分には札幌ボランチとDFラインのギャップを衝き、ボールを収めた河井陽介からオフサイドラインを掻い潜った石毛秀樹へ渡ったクロスボール。ダイレクトで合わせたものの「精度を欠き」ボールは無情にもゴールラインを割った。
 改めて書き起こしても心臓に悪いシーンが続いている。おそらく清水サポーターは思ったはずだ、「ほっといても点は入る」と。そしてそれはプレーする選手たちにも広がっていった。「この試合の主導権は清水のものだ。」主導権を握った清水は石毛のシュート以降、じっくりとDFラインから攻撃を組み立て始める。これが監督の指示だったかは分からない。分からないが、確かなことがある。ここでプレースピードを緩めてしまったことが敗戦の遠因になってしまったということだ。
 そもそも両チームの目標が違う。まず清水エスパルスがこの試合で得たいものは「勝利に伴う勝ち点3」であり「昨年5月30日以来となるホームでの勝利」だ。翻って北海道コンサドーレ札幌の目標は「勝ち点獲得」。引き分けでもかまわず、「スコアレスドロー上等」だったのだ。そのチーム相手に開始直後からプレッシャーを掛けゴールマウスを抉じ開ける寸前まで行ったにも関わらず、清水はボール狩りに来た相手FWを引き剥がしてからの「真っ当なカウンター」を志向した。その結果、気合を入れ直した宮澤裕樹を中心とする前寛之・深井一希の3ボランチにパスを刈り取られ、最悪の結末を招いた。
 加えて「5cmの差」がある。単純なことだが、セットプレーにおいて重要な点は何か。それは「精度の高いキッカー」と「フィジカルに優れたポストプレイヤー」だ。コンサドーレとエスパルスのスターティングメンバーの平均身長を比較すると、5cmコンサドーレの方が高い。前半22分の右サイドからの札幌CKのシーン。191cmの増川隆洋のマークについたビョン・ジュンボンは185cmだった。そして彼のオウンゴールが先制点となる。不運な形で失点してしまった清水だったが、慌てず騒がずじっくりと攻撃を組み立てていく。だが無情にも次の1点も札幌に加わってしまう。ついに慌て出した清水は、つい先日リオ五輪予選でなでしこジャパンと同じく禁断の果実に手を出す。そう、サイドを切り裂いてゴール前にクロスを上げるというサイドアタックだ。攻撃しているという満足感は得られるが考えてみて欲しい。65分に186cmミッチェル・デュークを入れるまで前線でターゲットとなりうるのは180cmの北川航也しかいなかった。そしてあっさりと札幌DF陣に弾き返された。にも関わらず、清水はというより小林伸二監督はサイドからクロスを送りターゲットに当てるという策に固執した。186cmの電柱を投入したことから考えても、これは監督の策だったことは容易に推測できる。コンサドーレは「さぁ店じまい」とばかりに68分に櫛引一紀、79分に稲本潤一と着実に逃げ切り体制を整えていく。終わってみれば清水のシュートは8本。奇しくも清水にとっては「最後の精度」が継続課題となる悔しい敗戦となった。
 これが先制点の恐ろしさだ。「最後の精度」なんて社長である野々村芳和のお題目のようなものだ。仮に前半15分までのオレンジの津波に吞まれていたら、あっさりと鬼門は鬼門のまま聳え立ち続けていただろう。過去のデータなどあてにならないと嘯いてみたいが、やはり先制点がもたらす勝利の確率はやすやすと揺らぐものではないようだ。
 最後になるが、試合前にアップした記事で個人的に注目している選手として堀米悠斗の名を挙げた。得点にこそ絡まなかったものの効果的なポジショニングからパスを引き出し、マセードが控える右サイドと並び立ちサイド攻撃の起点となっていた。後半の都倉賢が自ら持ち込んだカウンターのシーンでも、ゴール前に走りこみクロスに備えるなど試合勘は鈍っていないことを感じさせた。復調してきた福森晃斗とともに左サイドで攻撃を牽引してもらいたい。
 「ともに歴史を作ろう」これはコンサドーレ札幌ユースで歌われるチャントの一節である。このチャントに背中を押され、目標にチャレンジしてきた選手たちが今ピッチで躍動している。15年ぶり。初めての敵地での勝利。作ろう。塗り替えよう。「今年こそ、いくぞ!J1!コンサドーレ!」

posted by kitajin26 |22:54 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2016年03月15日

いまいちな試合

 負けなかったことを褒めるべきか、勝ち切れなかったことを貶すべきか。あまりにも初歩的な「お見合い」というミスを、後半開始早々に見せ付けられては後者に傾斜せざるを得まい。石井の負傷により急遽出場したとはいえ、ハーフタイムを挟めばチーム戦術の共有とかできると思うんだけどな上原慎也よ。共演者となった福森も精彩を欠いていた。昨年よく見られた彼からのロングフィードは鳴りを潜め、DFラインからの攻撃の組み立ては河合竜二からのどっせいフィードに頼る破目になってしまった。ジュリーニョと都倉の2トップの連携が高まってきているなか、後ろからの効果的なフィードがなければ前線の停滞を招く。効果的な裏へのフィードがあってこそ、彼らの特徴が生きる。
 3試合終わって1勝1敗1分の勝ち点4で8位。次の試合で勝ち点3を上積みできれば、ようやく昇格レースのスタートラインに立てる。相手は難敵、清水エスパルス。昨年は目を覆いたくなるような体たらくであえなく降格となったが、今年は智将小林伸二を監督に迎え遮二無二J1への昇格を狙っている。どうにも後半の入りに課題を抱えているコンサドーレだが、次の試合でどのように立て直してくるのか。四方田監督の手腕に期待している。

posted by kitajin26 |22:15 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2016年03月09日

進DO!

第2戦目前日。僕は今試合に臨むにあたりこのように書いた。「必要以上に守備的になりズルズルと下がっていたラインは、福森・進藤という両サイドの勇気に掛かっている。」拙い文章を引用するのは恥ずかしいが、実際に気になっていたのは、彼らの働きだったことは間違いなかった。とはいうものの、福森の働きは若干物足りないと言わざるを得ない。評価するならば、彼が最終ラインに鎮座し長距離砲として展開を司るという安心感は何者にも代え難いという点だろう。
 …彼が前線に攻めあがれなかった理由は、彼の相棒にある。進藤 亮佑。4-0で最良の結果となったFC岐阜戦。見事に都倉賢がハットトリックを決めた。その3点目だ。起点となったのはインターセプトからの都倉のドリブルだ。前節の鬱憤晴らしとばかりにボールをゴールにブチ込みノッている彼がスピードに乗ったドルブルでゴールに迫り、自分のゴールのお膳立てとばかりに味方にパスを出す。折り返したボールが知らず知らずのうちに画面の外から攻めあがってきた進藤の下へと届く。「ボールが柔らかかったからバランスを崩したけど、とっさに足が出て良かった。」これが尻餅を搗きながらも気合でゴール前にボールを運んだ奴の台詞だ。この思いは確かに届き、反転し打ち抜いたボールはゴールを揺らした。もう二度と起きないかも知れない。だが彼のJリーグ初アシストという記録は消えることはない。ゴールを決めた帳本人である都倉賢は公式戦でゴールを決められない中原彰吾にこう言った。「綺麗に決まらなくたってゴールはゴール。俺の初ゴールは腹で押し込んだ。」だいたいこんな感じ。ゴールをアシストに変えれば同じだ。結果は同じ。ゴールという結果と勝利という勝ち点3の積み上げが残る。
 荒削りは若手の特権だ。それ以上に彼らの我武者羅さがチームに与える影響のほうが大きい。それが4-0という結果を生み、いずれはJ1昇格という果実を実らせてくれること祈らずにはいられない。来週はいよいよホーム札幌ドームでの開幕戦だ。相手は難敵愛媛FC。ホーム開幕戦にはいい思い出がないが、そんな記憶も「知らないね、俺は俺だぜ?」とばかりに若手の勢いで乗り越えてもらいたい。そんな快勝を期待している。

posted by kitajin26 |11:34 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2016年03月02日

見所のない試合って (VS東京ヴェルディ)

キャンプでやってきたことを出そうとトライしたけど、まったく出せなかった。」日韓W杯でゴールを決め、アーセナルを始め世界を股にかけて活躍した稲本潤一ですら吞み込んでしまう開幕戦というプレッシャー。陣形をコンパクトに保てず、攻撃陣にも感覚のズレがあった。端的に言えば「仕上っていなかった」ということだろう。
 マセードにはドリブルでの仕掛けなどの積極性が欠け、ジュリーニョは守備の連携に不安を抱え中途半端なプレーに終始した。頼みの小野伸二は味方のフォローが少ない中で孤立し、ボールを失うシーンが散見された。石井謙伍のドリブルでの仕掛けは得点の匂いを感じさせてくれたものの、強化部が更なる梃入れを図ったのも頷ける。増川隆洋がベテランの妙技を見せ付けるかと思いきや、裏を取られるのを怖がるあまり陣形が伸びる遠因となってしまった。
 仕上がっていないのだ。早い話がそれだけのこと。熊本合宿は継続中だ。開幕戦の反省点を共有し、感覚のズレを摺り合わせ連携を立て直していく猶予は与えられている。
 本稿を書いている横では、なでしこジャパンが韓国と五輪最終予選を戦っている。1-3でオーストラリアに敗れた日本代表だったが、なんとか立て直し攻撃の積極性が出てきた。後半10分を経過しまだ0-0ではあるが、得点の匂いがする良い攻撃を見せている。
 敗れることで学ぶこともある。勝つに越したことはないが、まだ41試合残っているのだ。だが、次の岐阜戦。無抵抗で敗れることがあれば、これは問題だ。四方田監督がどの程度開幕戦とメンバーを入れ替えてくるか。それともあえて同じメンバーで臨むのか。開幕戦の悔しさを爆発させて、僕らの鬱憤も晴らしてくれる、そんな勝利を望んでいる。

posted by kitajin26 |20:34 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2016年02月14日

連続完封勝利

 2-0.ニューイヤーカップ最終戦から数えて4連勝、そして3試合連続完封勝利と順調にキャンプをこなしている。稲本潤一のゴールは決めた本人が「あれは事故みたいなもの」と苦笑するように評価が難しいものではあるが、常にゴールを意識してプレーする彼だからこそ産まれたものだと前向きに評価したい。そしてなにより都倉の相棒として90分フル出場したジュニーニョ。1-0とリードした後半に1点を守り切る実践練習に切り替えた札幌。その中で産まれたカウンターからのゴール。まだ体を絞り切れていないように思われたが、相手DF3人を振り切り冷静に決めて見せた。自身のアピールポイントを「ドリブル突破からのゴール」と言い切り、今後の課題として「守備の改善」と謙虚に自身のプレーを見つめる冷静さを兼ね備えていた。
 他方マセードである。ニューイヤーカップで見せた攻め上がりは鳴りを潜め、中途半端なプレイに終始した。勿論強風なうえ足の長い芝というピッチコンディションのため、早いパス回しは見られず前半は解説に5バックと揶揄されるくらいラインも下がっていた。その点を割り引いたとしても、マセードのプレーは精彩を欠いたものだったと言わざるを得ない。都倉もプレー観のズレを感じたのか前半終わり間際に通訳を交えて考えの擦り合わせを行っていた。四方田監督もプレーの中で連携の向上を図ったが、今日の試合では満足のいく出来とはならなかったようだ。
 新加入選手との連携構築はこの時期のチームに等しく付きまとう課題だ。いかに早く一体感を高めるか。監督の腕の見せ所である。あと2試合練習試合を予定していると聞いている。率直に言って進藤亮佑のスタメン出場は驚いた。ニューイヤーカップでの得点もさることながら、J1相手の練習試合でも着実に実績を積み重ねてきたのだろう。若手の成長がチームに良い新陳代謝をもたらし、更なるチームの成長につながる。この「突き上げ」がシーズン中にも持続することを祈っている。

posted by kitajin26 |20:29 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2016年01月31日

ニューイヤーカップの収穫

(1月24日 0-1で敗戦し記者会見の席上で「若い選手が多くピッチに立っていました。その中でトライしたことは何でしょう?」という質問に対して)
「チャンスはたくさんあったんですけど、そこで最後のパスにつながるかどうか、本当に大きなチャンスにつなげていけるか、最後にきめられるかどうか、という部分がまだ足りないところですね。そこが少しでもできる選手が試合にも出て行けると思うので、練習から結果にこだわってやってほしいと思っています。」(四方田 修平)

(1月30日 4-2で勝利し、コメントを求められて)
「うちのチームには若い選手がたくさんいます。大会を通じて良かった選手も足りない選手もいましたし、3試合で考えてもプレーの波があったので、少しでも最終的にスタメンに食い込んでくるように、さらにアピールしてもらいたいですね。」(四方田 修平)

 (毎週金曜日のコンサドーレ特集コーナーにおいて、MCからの「開幕前ですから、若手にとっては(ニューイヤーカップが)アピールの場でもありますからね。」との質問に対し)
 「アピールはしているつもりなのかもしれませんけど『それじゃあダメでしょ』っていう風に、僕らからすると思うような感じにしか伝わってこないというのが、何か腹立たしいところじゃないですかね。全然、やっていることとか内容は悪くないんですよ。悪くはないけどもっと表現しないとダメでしょ!って思うところはあるんですよね。」
 「『ラストチャンスだぞ?』ってこの間のゲームから何人かに言っているんですよね。今シーズンのラストチャンスだっていう、そのくらいのつもりでやらなきゃダメだと思う。だいたいそのくらいのつもりで若い選手はやらないと絶対ダメなんですよね!」
 「もう若い選手達はベテランから見ても『もっとアピールしろよっ!』っていうのはあるので・・・。やっているつもりなんでしょうけどね。えげつないくらいのアピールをここから何人かの選手が見せてくれることを期待したいですね!」(野々村 芳和)
 
 アピール不足。四方田監督、野々村社長に言われるまでもなく、僕らも感じていた若手選手の停滞。4-2で今季対外戦初勝利という結果は喜ばしいものであったが、「結果にこだわって」プレイした選手は多くなかったように感じられた。
 野々村社長のラジオによると、神田夢実が小野・稲本・高原そして野々村社長が居並ぶ部屋に呼ばれ、直々に「ダメ出し」をされたようである。小野伸二がせっかくなので神田を呼ぼうとなり実現した「説教」ならぬ「説法」。数ある若手選手から神田を呼んだということは、小野は相当彼のことを買っているのだなと感じさせる。かつて中山雅史は横野純貴(現.タイ2部 バンコクFC)の練習でも決して手を抜かない姿勢に感心し、背番号9の継承者に彼を選んだ。都倉-荒野ラインのような師弟関係は見えないものの、独特のプレーリズムを持つ2人である。30日の試合で神田がどんなアピールを見せてくれるのか。金曜日の放送を聞いてから楽しみにしていたのだが。
 1番アピールしたのはイルファンだった。次点で中原。微差で神田というところか。あくまで昨年までベンチを暖めることの多かった選手の中での話だ。スタメンクラスの選手はそれなりにシーズンでの活躍を期待させる安定したプレーを見せてくれた。そのうえで「アピール」してくれたのがイルファンであっただけだ。
 何を持って「アピール」とするか。一番分かりやすい「結果」が「ゴール」だ。この試合ゴールを決めたのは、個人技でゴールをこじ開けた都倉賢。カウンターからフリーになり、うれしい公式戦初ゴールとなった中原彰吾。小野と交わした一瞬のアイコンタクトからCKをゴールに沈めた進藤亮佑。そして、爆発的なスピードを活かしゴールネットを揺らしたイルファン。アシストは神田夢実、小野伸二、前貴之。彼らのお膳立てがあって、ゴールがある。勿論そうだ。ただドリブラーという相手を抜き去りチャンスを物にするという「武器」をアピールする上で、残念ながら神田の姿勢には「結果にこだわる」姿勢が見られなかった。
 アシストしといて何がアピール不足じゃという声があるのは分かっている。実際、中原のゴールをアシストしたシーンでは、相手選手を3人引き連れドリブルで持ち上がり、中原をフリーにする完璧なアシストだった。あれで決められないなら中原は論ずるに値せずである。とはいえ彼の武器は何か?先ほども述べたが「独特なリズムのドリブルで相手を抜き去りゴールに迫る」ことではないだろうか。少なくとも攻撃にアクセントを加えるために投入されることが多い。・・・できてんじゃん。いやいやアピールポイントがあったことは分かっている。だが、そのうえで気になっていることがあるのだ。そのプレーは何分だったか手元に映像がないので確認できないのだが、相手陣内の右サイドでロングパスを受けた神田はトラップし中央に居るFWにクロスを上げた。残念ながらクロスは合わずにゴールキックとなったシーンだ。何が気になっているのか。それは彼がボールを受けたときにフリーだったことだ。中央で待ち構えるFWは2人のDFにマークされていた。のべつ幕なしにドリブルで突っかけろとは言わない。言わないが、ドリブルが武器なら仕掛ける場面だと思う。迷ったならそれも問題だが、トラップした時点でクロスしかないと分かるボールの置き方だったため「腹が立って」いるのだ。
 他方イルファンは内村圭宏を髣髴とさせる反転で相手を置き去りにしスピードに乗ったドリブルでサイドを駆け上がった。またペナルティエリアに入り込み、成功はしなかったが、裏街道でDFを交わしGKと1対1まで持ち込もうという意思を持ったプレイを見せた。そして相手を突き放す4点目のゴールを決める。ニューイヤーカップで一番アピールしたのはイルファンだと言わざるを得ない完璧なアピールだった。
 サイドを主戦場とする選手は多い。神田、イルファン、堀米、上原、石井、前兄弟、新加入のマセード、ジュリーニョ。そして内村や荒野も加わってくる。この中で埋没せずにベンチ入りは勿論スタメンとして出場するためには自分の武器をアピールしなければならない。駒として投入されるに当たり、監督の意図を分かりやすく示すための「武器」。中原はようやく結果を出した。位置取りの確かさやフリーランニングなど評価はされていたが、決定力がなかった。彼に決定力が加わればスタメン奪取も夢ではない。
 これからチーム戦術の構築が始まる。いかに監督の駒となり試合に出るか。勝負はもう始まっている。

posted by kitajin26 |12:29 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2016年01月24日

ニューイヤーカップ

風が強いし、寒そうだし、せっかくチャンスを与えてもらった若手選手にも温度差があるしで、、、
 見所は野々村社長と砂川誠のW解説くらいしかなかったかな。
福森、宮澤、上原あたりの試合に出慣れている組は安心して見ることができた。若手3バックもそれなり。進藤のPK献上はエリア近辺で手を使って止めようとすれば、ああいう結果も仕方ないように思われる。アンラッキーではあると思うが、軽率なプレーではあった。
 戦術面ではやはり、ゴール前の精度と飛び込んでくる人数の不足は昨年からの課題として残されたままだ。今後の戦術練習などで改善していってもらえたらと願うばかりだ。

posted by kitajin26 |17:21 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2015年11月25日

驚き桃の木山椒の木

 終わり良ければ全て良し。この言葉通りの試合だったのではないだろうか。後半戦から存在感を増してきた両翼の石井謙伍と堀米悠斗の躍動。監督交代後から調子を取り戻した小野伸二がMVPの活躍。今年初のコーナーキックからの得点は宮澤裕樹。こぼれ球にしっかり詰めていたのは福森晃斗。そして極めつけは金子 翔太。完璧にDFラインの裏を取った廣瀬浩二からのクロスをゴールにねじ込んだボレー。札幌の多彩な攻撃パターンを再確認でき、来年につながる実りの多い試合だった。
 ・・・またなのか。また繰り返すのか。眼の色変えて向かってくる相手にビビッて浮き足立って後手踏んで、サイドもゴール前もガバガバになるのか。得点の形はいい。完璧だ。相手がJ3に片足を突っ込んでいる栃木SCが相手であろうとも文句のつけようのない形で決めたものだ。間違いなく監督交代したことで成長した部分であると言い切れる。何より小野伸二が添え物ではなく主役のサッカーになっており、「来年も小野が万全なら」楽しみなサッカーをしている。それよりも気になるのが守備。イソンユンのコーチングの問題なのか、そもそも守備戦術そのものに欠陥があるのか。ピッチでサッカーをしたことがない上、守備練習などもどのようにしているか皆目見当がつかないので不満を述べるにとどめておく。
 結局ケチがついたことにブツクサ文句を並べているだけなのだ。終わり良ければ全て良し。冒頭に書いたにも関わらずだ。昨年と同じ10位とはいえシーズンは終わったんだ。来年に希望を持とうじゃないか。新聞報道に一喜一憂。選手のブログやらツイッターだのを追い掛け回し、意味深な発言に踊り狂うオフシーズンの始まりだ。野々村社長の手腕に期待するとしよう。
 社長も大変である。サプライズを期待されたので発表したら、「根回しぐらいすれ」やら「断れるわけないじゃん」だの至極全うな反感を買っている。とはいえ、四方田監督に続投要請すると発表した際に湧き上がった拍手は、監督にとって大変勇気付けられるものだったろうと愚考する。ドームに詰め掛けた20234人からの信任だ。続けてもいいんだと前向きに来年を考えることが出来るのではないかと思う。そこまで考えた上でのサプライズ発表だったのだろう。・・・だったんだよ。・・・・だったんだって。まさか人の上に立つ社長が、「これぐらいなら言ってもいいや」みたいな軽い気持ちで、ねぇ?
 来年は昇格だ。その覚悟は言ってもいいやなどと半端な思いで言わないでもらいたいものだ。

posted by kitajin26 |00:31 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2015年11月21日

チームの邦向正

 株式会社北海道フットボールクラブ改め株式会社コンサドーレ社長の野々村芳和氏曰く、アクチュアルプレーングタイムが前年と比較して伸びており、チームの目指している方向性としては一定の成果が出ているとのことだ。
アクチュアルプレーングタイムとは、アウトオブプレーになっていないインプレー中のみの時間のこと。ファウルを取られてからゲームを再開するまでの時間や、タッチラインを割ってスローインでボールが投げ入れられるまでの時間などを含まない、「実際のプレー時間」を示すものである(参照http://www.goal.com/jp?ICID=AR 2012/06/14 コラム:新たな見方を与えてくれる「アクチュアルプレーングタイム」)。参照にした記事には更にこのように書かれている。一般的にはAPTが長くなればなるほど、魅力的なゲームになる可能性が高いとされている。(中略)ここで言う「魅力的なゲーム」とは、誰が見てもおもしろいと感じられるゲームということだ。この「誰が見ても」というものが非常に難しいが、少なくとも「サッカーに興味を持ち観戦に訪れた観客にとって」と考えれば、札幌はコンテンツとして強化されてきたと考えられるだろう。
 単純に比較することは難しいが野球観戦を例に挙げる。1-0の痺れる様な投手戦とルーズヴェルトゲームと称される8-7の打撃戦。どちらが「一見さん」もしくは「ライト層」にとって魅力的であろう。まして首位争いをしているわけでもない中堅チームの試合で。痺れるなどと主観的な文言をつい入れてしまったが、個人的には追い詰められて手に汗握りようやくありつけた勝利の果実に美学を感じる。おおよそ一般的な意見ではなく、全ての野球ファンに同意が得られるものではないだろう。まして野球を愛した第32代アメリカ合衆国大統領には。
 少なくとも簡単に大きくラインへ蹴り出し、当座のピンチを凌いで行くサッカーに魅力を感じられないことはご同意いただけると思う。繋ぎを意識した結果、中途半端なカウンターになり痛いしっぺ返しをくらうサッカーに陥ってしまったというわけだ。これを野々村社長は「プレーのクオリティーの低さ」と断じた。高く保ったディフェンスラインからボールを奪取し手数少なくゴールに迫る鋭いカウンターは、洗練された美しさを感じる。ただし、ただしだ。カウンターとはある意味骨を切らせてミクをいや肉を断つところがある。この美しさは「ライト層」には伝わるだろうか。現にウチの嫁はカウンターの起点になるプレーを見るどころか、騒々しいドームの中で高鼾をかいている。極端な例を出したが、テレビ観戦時に僕も眠気を覚えたこともあるので、あながち間違いではないだろう。詰まるところ、かつてのバルセロナのように、相手に何もさせず、いつゴールを揺らすのだろうという点のみに観客の興味が集まるのが「魅力的な」サッカーなのかもしれない。
 過程を大事にするべきか結果を重視するべきか。勝つことがファンサービスと嘯いた名将は、今GMとして観客動員数の減少に向き合っている。昇格が至上命題であることは首脳陣もサポーターと共有していると感じてはいる。チームの評価基準として「アクチュアルプレーイングタイム」という指標を用いていることは一貫した強化方針であると評価することができる。「プレーのクオリティーの低さ」という課題に対して向き合い、特効薬の存在も理解していることはラジオ越しではあるが伝わってきた。結局、選手次第なのだ。試合会場を用意し、指揮官を選び、年棒を払い試合をしてもらう。これ以上のことは社長も監督もサポーターもすることができない。だからこそ、もどかしいしイライラするし何より悔しい。頑張れ。頑張っていることは充分過ぎるほど知っている。その上で頑張って欲しいのだ。その気持ちはサポーターに必ず伝わるし、それこそ「ライト層」にも伝わるはずだ。千葉戦を思い出して欲しい。不可抗力とはいえドームがひとつになった、あの瞬間を。
 赤黒のユウシャたちが変わらない限り、社長の言う「今年こそJ1昇格」という言葉は顔芸一発で笑いを取れる希代のコメディアンと同じような絵空事に聞こえてしまうのだから。

posted by kitajin26 |22:47 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2015年08月06日

熱気BASARA

1週間のご無沙汰である。
週1更新を意識していたのだが、どうにも筆が進まなかった。
今後も「なるべく」週1回更新していければと思っているので、ご容赦いただきたい。
うだるような暑さである。今時の営業車はアイドリング時間まで記録されるので、小まめにエンジンを切らなければならないのだ。
冷房をガンガンにかけ肌寒いくらいにしても、一仕事終えて戻ってみればそこは灼熱地獄。夜になっても33度とはどこの地獄か。おそらく勝ち無し地獄だろう。9試合だ。0勝5敗4分。まだ2試合とはいえ就任後2連敗というのは、なんというかツイてない。
真価が問われるのはこれからである。15日の野々村社長の公開答弁がどちらに転ぶか分からないが、現場は現場と割り切って思う存分チームを導いてもらいたい。
監督も因果な商売だと思う。結局勝つことが一番評価される。極端な話勝ち続ければいいのだ。
同じことがGKにも言える。金山が神セーブを連発していたが、負けは負け。
そう、負けは負けなのだ。どれだけシュートストップしようと、1度でもゴールラインを割られれてしまえば負けが近づく。
かといって彼らがヒーローインタビューを受けるような試合は、内容が良かったといえる試合ではないことがほとんどだ。DFラインを整え危険を未然に防ぎ、必要とあらばロングフィードで攻撃の起点となる。
言うはヤスシ、行うはキヨシ、もとい難しだ。より一層の奮起を期待している。
週末に長崎戦がある。札幌と勝ち点差6の8位である。
あえて言わせてもらう。「勝てばええんじゃ」
勝ち続ければ見えてくる景色もあるだろう。彼らとともにその景色が見たい。

posted by kitajin26 |23:09 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2015年07月16日

deep Osaka

 また大阪か。
所用があり結果だけでも確認をと開いた携帯から現実を突きつけられる。
1-3。試合内容は把握していない。なので分析しあれこれ言う気もない。なにより分析できるだけの技能がない。ないない尽くしの僕ではあるが、結果から感じた印象ぐらいは述べることができる。
また、大阪か。

 2-7。あれは3年前8月猛暑の万博記念競技場。
J1の泥にまみれ這いずり回っていたコンサドーレに対し、情け容赦のないシュートの暴風を浴びせかけ希望の灯火を圧し折った青黒の悪魔。試合後の怒号入り混じる阿鼻叫喚の地獄絵図から目をそらし見上げた夜空が滲んで見えたのを覚えている。
 0-3.大差で下した春の余韻を引き摺りつつ、食都大阪に乗り込んだ09年8月2日。二度漬け厳禁。同じ轍は踏まぬとばかりに躍動する翼くん岬くんコンビ。宙を舞ったペットボトルが乾いた音を立てて転がる。上位浮上のチャンスどころか、J1昇格ラインから遠く離れたあたりでまごついていた札幌の限界を見せ 付けられた。
 僕が目の当たりにしただけでこれだ。いつだって大阪だ。大阪の地が現実を直視せよと迫ってくる。3年前のクリスマスイヴだってそうだ。あの試合も長居で、しかも相手はG大阪。白いユニフォームが躍動して、、、4-1で、、、。夢実がメダルを壊して、、、

 話が反れた。話を本筋に戻そう。歴史を目撃したという話だったか。いや、そうに違いない。2012年Jリーグユース選手権優勝メンバーの1人である榊翔太が海外移籍することが発表された。完全移籍である。当時ユースについて周り声を嗄らした1人として少し淋しい思いもある。しかし本人が悩み下した決断だ。きっと名は体を表すという諺どおり、世界を翔び回る選手になってくれると信じている。もう聞き飽きてしまったかもしれないがエールを送りたい。
「翔太!頑張れ!!君ならできる!!」

 、、、兎にも角にも次の試合が鍵になる。
いつだって次の試合が鍵になるのだ。途中出場で1ゴールの都倉賢。ようやく復帰を果たした上原慎也、そしてパウロン。彼らに希望を見出すか、あるいは限界を感じ現実に膝を屈するか。悶々とする日々はまだまだ終わらない。

posted by kitajin26 |21:40 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

2015年07月10日

大宮戦。知らない子ですね。

 湿っぽい昨日のコンサドーレの試合とは裏腹に、快晴の札幌。
肌を撫ぜる風が心地よくなってくると思い出す光景がある。
 09年に徳島に遠征した時のことだ。貧乏学生の深夜バスを足にしての一人旅。
東京からねっとりと肌に絡みつく熱気とともに箱詰めにされ辿り着いた徳島の地。
寝不足と二日酔いで濁り切った目を覚ましてくれたのが、
整然と緑に敷き詰められた田圃風景だった。
 徳島駅から試合会場である鳴門大塚スポーツパークへは
JRと徒歩を合わせて約1時間。
単線の小さな列車に揺られているとその瞬間が訪れた。
雲ひとつない青空とのコントラストが印象的な青々と輝く田圃。
そのド真ん中を切り裂いて列車は疾走する。
車窓から入る心地よい風に吹かれながらヨダレを垂らして爆睡し、
額をしたたか打ちつけた覚えがある。
…それほど心地よい風だったということだ。
16時キックオフのため西日に焦がされ続け、
真っ赤に日焼けしたのも良い思い出となっている。
日焼けするためにあえてTシャツの袖をまくり、
不健康そうな色白肌から健康的な小麦肌へ。
プチイメチェンだと悦に入っていたところ、帰京してすぐのことだった。
近所のコンビ二までサイクリングだと洒落込んだところ、呼び止める者あり。
「お兄さん、お酒飲んでるよね?」とは泣く子も黙る桜田門さん。
それもそのはず、日焼けで真っ赤な顔で自転車に乗っていたため
飲酒運転を疑ったのだろう。
オタクからアル中へイメチェンした結果、
身分証を提示した上での街頭インタビューと相成ったのだった。
夏場は想像以上の汗をかく。皆様ゆめゆめ侮りなさるな。

posted by kitajin26 |00:43 | 試合感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

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