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2011年03月25日

【読書】プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である(片岡宏雄)

プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である
片岡宏雄・著
双葉社(双葉新書017)
2011年2月20日 第1刷発行
800円+税

所謂「ジャケ買い」の文庫本でした。
なかなか刺激的なタイトルですが、内容も…ひょっとしたらディープなプロ野球ファンならご存知のことばかりかもしれませんが…なかなか刺激的です。
著者は長年ヤクルトスワローズでスカウトを担当してきた人間で、どのぐらい長年スカウトを担当していたか、といえば、古くは若松勉、尾花高夫から有名どころでは古田敦也、高津臣吾、藤井秀悟らを発掘してきた、というぐらい長年スカウトの仕事に携わってきたとのことです。

 全6章からなるこの本。第1章については後に回すとして、第2章でスカウトとしての表の姿、第3章で裏の姿を丁寧に紹介しています。
 裏の姿=裏金、のことも、あまり差しさわりがない範囲ですが、いろいろ書かれております。裏金問題は一場や那須野の件などでマスコミを賑わしておりましたし、興味のある方はとっくにご存知のことだとは思いますけれど、私はその当時の報道をあまりちゃんとは見ておりませんでした。改めて本という形で読ませてもらって、結構勉強になった点は多かったです。
 あと、結局のところ、「裏金」だから問題なのであって、一定のルールに基づき、ドラフトで指名を受けた選手を輩出した高校なり大学なり社会人のチームに、一定のお金を堂々と提供するようになれば、実は大して目くじらをたてるような問題でもないんですよね。
 それに、裏金、裏金とは言いますけど、表の部分での選手をきちんと評価する目のほうが大切なのは言うまでもないわけです。誰が見たって優秀な選手のご機嫌取りよりも、欠点もあるけど飛びぬけた武器のある無名な選手を発掘して、うまく育てていく方が絶対に面白いですよね。Jでも、大半のチームが金がない、という事情はあるにせよ、そういう方向で人材発掘が進んでいるとは思います。むしろ発掘された選手の次のステップで裏金が飛び交っているのかもしれませんが、そんなことはスカウトの問題とはあまり関係ないからまあいいや(むしろ代理人とかがそういう黒い世界にどっぷりつかっているんでしょうから)

 第4章では、せっかくスカウトが拾ってきた逸材も、現場で育ててくれなければ話にならない、という話を力説しています。そういう意味では、コーチの現役時代のスタイルや性格を考えながら、このコーチならこう育ててくれるだろう、ということを予測して選手獲得を目指していくのもスカウトの腕だということと、近視眼的で日和見的なものの見方しかできない指導者が相手だと、思い切ったスカウトはしにくい、ということも述べられています。

 私にとっては意外でしたが、第5章では、そういう困った指導者の代表格として野村克也氏があげられていました。まあ、このあたりは野村監督サイドにも言い分はあるでしょうし軽く流してはおきますが。

 そして第1章。高橋由伸選手の獲得に関する話が載っています。これについてはここでは「載っている」という表記にとどめておきますが、当時抱いていたモヤモヤ感がすっきりしました。

 著者のスカウト論は現代のトレンド、特に日ハムが徹底して行っているといわれているデータ化とは逆行するものかもしれませんが、その一方で目指している方向性は、日ハムが目指している、といわれる「一芸に秀でた選手を見つけて育てる」という部分で重なっているのが面白いものです。競技こそ違えど、Jでも参考になる部分はあるように思えます。というか、参考に、という以前に、現場のスカウトの皆さんなら、同じような考えを持って、日々スカウティングに力を入れているのでしょうけれど。

posted by kaz8 |23:49 | 読んだ、観た、聴いた | コメント(0) | トラックバック(2)

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昔気質の職人たち:プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である 【本読みの記録】

プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である (双葉新書)作者: 片岡 宏雄出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2011/02/16メディア: 新書 元プロ野球ヤクルト球団のスカウト部長が実名で書いた、プロ野球スカウトの実態。 スカウトはどういう基準で選手を見ているのか、裏金はあるのか、スカウトと監督の関係などなど、野球好きには興味のわく一冊。

「プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である」 片岡宏雄 著 双葉社 【ドンカンはツミである】

片岡さんは、ヤクルトスワローズのスカウトを長年務めた方です。 片岡さんは、長嶋茂雄の1年後輩。立教大学の野球部で活躍した後、中日ドラゴンズに入団しましたが、思うように伸びず、産経新聞の記者に。そこから更に、スカウトの道に入りました。 片岡さんが選手を見る上で重視したのは、投球するときのリズム感、身体の強さ、そして、選手の性格。 特に、投手は、どんなに技術が優れていても、優しい性格では、マウンドで孤独に戦うことはできません。傲慢なくらいが大成すると言います。 スカウトに必要なのは、情...

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