2008年04月14日

【映画】潜水服は蝶の夢を見る

タイトルを観ただけでは何が何だかよく分からない映画です。
事前の知識無しに見ていればきっとパニックになっていたでしょう。それぐらい私にとっては難しい作品でした。

ただ、(実話だ、ということもありますが)絵空事ではない恐ろしさ、というか切なさがあります。

もし私に残された表現手段がウインクしかなくなってしまったとしたら、それでも、私は表現することを諦めないでいられるかどうか。正直自信はありません。

でも、そうするしかないでしょうね。表現したい、その気持ちだけはいつもありますから(その割には最近ここにろくなこと書いてませんけど(^^;;; )

主人公は敏腕雑誌編集長。しかし、ある日脳梗塞で倒れ、気がついたときには、意識はクリアで、視覚も聴覚もそこそこしっかりしているにも関わらず、全身のほとんどの事由を奪われていました。

辛うじて残っていたのは左目のまぶたを動かす力だけ。右目はつぶることができませんでした。そのため、「角膜が腐るから」と、医者に右目を縫い合わされてしまう、という想像するだに恐ろしい処置が取られ、左目以外の光を失いました。

ただ、それでも、言語療法士など周囲の手厚いサポートを受け、何とか主人公は今の自分の心境を本に残すという決意をします。そのためのコミュニケーション手段は

はい→ウインク1回
いいえ→ウインク2回

と、療法士が叫ぶ単語を聞きながら、使いたい文字のところでウインクする、という方法。療法士が、アルファベット順ではなく、文字の使われる頻度が高い方から順番に「ESARINTU…」としゃべっていくわけです。

実際に映画を見るまでもなく、それがどれほどまどろっこしく、大変な作業だということはわかるはずです。
普通なら、1秒や2秒で済む簡単な一言さえ、この「ESARI…」「ウインク」という作業を何十回も繰り返してやっと成り立つわけですから。これで本を一冊書こうなどというのは正気の沙汰ではありません。

おそらく、私がこの映画を見る前であれば、仮に「そういう方法で会話ができるよ」と言われても本を書こうなどと思ったかどうか、自信はありません。

でも、今なら言えます。

「絶対に書く」と。

ま、さすがにこのブログをウインクだけで毎日更新っつーのは無理だと思いますが(汗  でも、何か書きます。必ず。命ある限り。そういう勇気をもらえた作品ではありました。

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作品自体は、そういう左目しか見えないという主人公の目線での絵作りと、過去の回想、そして、日本語のタイトルにもあるような心象風景(潜水服の中で声も出せずにいる心境)、そして、「蝶のように羽ばたきたい」という空想の世界のできごとがごっちゃまぜになっていて、まあ多分保守本流映画ファンなら色々なことが書き込めて楽しい作品なのでしょうが…さすがにこれだけひっかきまわされると、仕事帰りのサラリーマンにはちょっと眠気がさしてくる部分がありました。ただでさえ、主人公目線の画像は目が疲れますから(こればっかりはなあ、おそらくリアルさを追求すればするほどきつい映像になってくるんだろうし)

でも、何となく、嫌いじゃなかったです。何か分からないけど味わいはあるな。と

こういう作品を何度も何度も見返していると、きっと新しい発見があるんでしょうね。

ま、多分、今は、この作品を見返そうとはあまり思わないでしょうが。
これが、自分が主人公と同じような立場になったら…毎日のように舐めまわすように見るようになるかもしれません。それぐらいの暇はあるでしょうからね

posted by kaz8 |22:58 | 読んだ、観た、聴いた | コメント(0) | トラックバック(0)

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