2008年01月20日
【ミュージカル】劇団四季「ウィキッド」
さて、昨日見たミュージカルについてまとめておきましょう。
ただ、そう長い原稿を書く時間はないので手短に、ということになりますが。
実は帰りの新幹線の中で、「ひょっとして俺はヤバいものを見てしまったんじゃないか」という気分になっておりました。まあ、何も後悔しているとかそういう気分ではないのですが、そのヤバい、という気分を味わったことがかつてもあったな、ということを今朝思い出しました。
そのヤバいもの、というのは「大曲の花火」です。
もし私が大曲の花火に出会うことがなければ、多分札幌の豊平川でやっているような普通の花火大会を、今でも少しは楽しめるんじゃないのかなあ、と思ったりします。でも、大曲の花火を知ってしまった今の自分にとって、そのあたりでやっている普通の花火大会は見るに値しないもの、となってしまいました。本当に花火好きな人間なら、そういう小さな花火大会にも喜びを見出すことができるのでしょうが、私は花火にそこまでの情熱を傾けるような人間ではないですから。
なので最近、私は大曲の花火のことを聞かれることがあれば、「見ない方がいいんじゃないですか」と言うようにしています。せっかく今まで楽しかった花火大会が急につまらんものに成り下がっちゃ悲しいじゃないですか(^^;;;
この「ウィキッド」という作品はそれに匹敵する危険なにおいを感じました。
ちなみに、その比較対象は、ほかのミュージカルや舞台ではありません。
それは「オズの魔法使い」という一つの物語です
このミュージカルの原作は「オズの魔法記」というグレゴリー・マグワイアの小説です。簡単に言うと、「オズの魔法使い」で悪者とされている魔女側の視点で物語を組み替えた作品です。ドロシーの家が竜巻で吹っ飛ばされたのも、ライオンが臆病者になったのも、ブリキの体にされてしまったのも、確かに「魔女のせい」ではあるのですが、魔女にだって言い分ってものがあるわい、という作品なわけで、それをミュージカルという形で組み替えて演じているわけですが…うわー、これちょっとひどいですよ。もう「オズの魔法使い」が馬鹿馬鹿しくて見てられないぐらい作品の完成度が高いんですもん(^^;;;
それは同時に、現代社会に対する強烈な皮肉を含んでいるわけです。そもそも魔女ってナンデスか? 貴方が「魔女」と思っているものは本当はどうなんですか? と。「対テロ戦争」と称してイラク人の大量虐殺を繰り返しているアメリカ人がこういう作品を書けちゃうところが世の中なんかおかしいものですが(^^;;;
もともとは、2003年10月にブロードウェイで始まったもので、昨年6月に劇団四季が日本語版での公開を始めたものですが…まあ凄い人気が続いているようです。この日もチケットは完売で当日券なし。おそらく週末は連日こんな調子なんでしょうね。実際それも納得できますし、もし私が東京近郊の人間なら2回とか3回とか見たくなるような作品ですもん(さすがにそれだけのために何度も東京に足を運ぶのはアレですし、ほかにも色々みたい、という気持ちもありますんで)
チケットが安い方から売れていく(3000円のC席なんてまず手に入らないと思います)し、高い方となると10000円を超えてしまうので気軽に「みなさんもどうぞ」とは言いにくいですので…もう少し手軽に楽しめるように、いつかはミュージカル映画化してほしい作品ですね。可能なら今度は本来の英語バージョンでの作品も見てみたいです。私の英語力だと、ストーリーを一通り叩き込んでからじゃないと字幕スーパーもない英語版など楽しめっこないので丁度良いですしね
<以下、細かいネタなど>
- 「電通四季劇場 海」という名前がどうもひっかかるが、公共施設に比べ、色々と考えられて作られているのがよく分かる。特に、日本の公共施設(札幌ドーム含む)は、トイレの設計がどうもダメなのだが(女性が男性の3倍トイレに時間がかかることを考えると、トイレの男女比をどうすればいいかはおのずと結論が出るはずなのだが…面積が平等ならOK、という発想しかないんでしょうね)この点はさすがに配慮されている
- が、それでも需要に追いつかない。幕間の20分の休憩時間では全部をさばくことは不可能。まあ、観客の8割以上は女性でしたから、アレでもダメなんでしょうねえ。最後はもう男子トイレ突撃しかないんじゃないんですかね。ああなると(^^;;;
- プログラムが2000円って何それ高いなあ、と思っていたが、第1幕が終わった時点で速攻で購入してしまった
- 私がてっきりフィナーレだと思っていた部分(CMで使われていた部分)は、第1幕のエンディングだった。第1幕でそこまで感動させちゃっていいんですか? とちょっと呆れた(^^;;;
- 座席が前後で0.5人分ずつずれている。こういう配慮もありそうでなかなかない。映画館でもシアターキノとかはそうなっているんですけどね
- 私としては珍しく、ケータイを一切いじらないで過ごした3時間でした。つーか、最初からそのつもりでケータイごとクロークに預けてしまったんですけどね
- 満員というのは暑い。半端じゃない
- 役者はもちろんなのだが、もうステージの作りこみとか入れ替わりがめまぐるしい。裏方にとってもこれほどやりがいがあるステージというのはそうはないだろう
- ただこれじゃ、全国公演は難しいだろうなあ。仮にやったとしてもスケールダウンは免れないですもんね。ま、東京公演でこれだけ人が入りまくっていることを考えると、全国公演をやるにしても数年先ということになるでしょうが
- 「悪い魔法にかからないためのささやかなお願い」ワロス(ただ、第2幕の前は普通のアナウンスでしたが)
- 物語の機軸は、グリンダとエルファバの友情にあるのですが、グリンダはまあものの見事なおバカ。ま、このおバカぶりが後半になって効いてくるんですけどね。
- グリンダの胸にかなり詰め物が入っているようでしたが、これってやっぱり「巨乳=バカ」ということ?(苦笑)
- 一方、エルファバは、ある意味「バカ正直」キャラ。ま、バカ同士、反発しあう部分もあれば、息が合う部分もあるということか
- 劇中、魔法の杖が登場するが、その魔法の杖の効用が何ともいえない
- 「変なおじさん踊り」がそういう伏線だった、ということは、パンフレットを読むまで気がつかなかった。こういう細かい点で色々な仕掛けがありそうなのが怖いっすねえ
- さて、一応「オズの魔法使い」の物語も入っているのでドロシーも劇中に登場しないわけでもありません。ただ、扱いと言えば
・旅に出発した直後 (良い北の魔女=)グリンダがお見送りをしているだけでドロシーの姿なし ・悪い魔女(=エルファバ)につかまって閉じ込められているところ 泣き声だけだったっけか? 姿なし ・魔女をやっつけるシーン シルエットだけ(^^;;; とまあ、ものの見事に雑魚扱い。目線を変える楽しさを徹底的に演出してます。オチの一言を含めてなかなかいいですね。
posted by kaz8 |09:56 | 読んだ、観た、聴いた | コメント(0) | トラックバック(0)
