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2008年04月30日

当事者として参戦するJ1

やっぱり浦和はすごかった。

コンサがJ2にいる間も、道外でのJ1の試合は数多く見ていたけれど、そして見るときはあえてどちらかのチームに肩入れしてみたりもしたのだが、しょせんどの試合も第三者。今年になって、一方の当事者として参戦してみると、僕たちはJ2の中のガリバーでしかなかったのだなと気づかされることが多い。

たとえば昨日の浦和は(以前からそうだったのかもしれないが)「本日の入場者数」が場内放送で流れなかった。オーロラビジョンに表示されるのみだ(味スタもそうでしたっけ?)。札幌ドームでの試合中「本日の入場者数は…」とのアナウンスが流れると、ピッチ上に集中してチームに力を与えていたはずの観客のエネルギーが、入場者数とオーロラビジョンに向かってしまい、集中が途切れる(札幌ドームの場合、ビジョンが両方のゴール裏にある=どこの席にいても見える=埼スタや味スタとは構造が異なるので、単純比較は難しいのではあるが)。浦和には、それがない。

昨日の浦和の4点目が決まった直後も、やっぱり浦和は違うわと、感心してしまった。浦和サポーターは、ゴールを決めたエジミウソンの名前を叫ぶ前に、「タカハラ」コールを繰り返した。確かに、あの得点は、決めたのはエジミウソンでも、その前の高原の粘りがなければ生まれなかったものだった。

さらに浦和の話をすると、スタジアム周辺の賑わいが、J2とは全然違う。グッズ売店の大きさとそこに群がる人の数を見ていると、うわあ、これは一大産業だよなあと思わされる。浦和美園の駅前に新しく建ったマンションは、あちこちの家のベランダに、レッズの旗が掲げられている。下位チーム相手だったからへんな緊張感が漂っていないのはわかるにしても、だからといってゆるゆる感もない。相手チームのサポーターがこんなことを言うのもヘンなのだが、サッカーを楽しむ心地よさ、みたいな空気があった。

正直、こっちがJ2にいた5年間に、他のJ1クラブとの距離がずいぶん開いてしまったと思う。認めたくないけれど、悔しいけれど、簡単には詰められない差が生まれてしまっていることが、当事者としてアウェーに行くと、よくわかる。

人が創り出す空気、いわば観戦文化とでもいうべきものは、お金があれば得られるというものではない。チームがJ1であり続けることによって、時間をかけて醸成されていくものだと思う。だから、サポーターズ持ち株会の募集チラシのキャッチコピーは「J1であり続けるために」なのだ(と、ようやく、わかりました~はっきり言っちゃうと「J1でもJ2でもとにかくチームがあることが大事なんじゃないのか?」と思ってたんですが、そうじゃなくって、J1であることが大事なんです!)。

posted by issey11 |12:43 | 2008思い |