2007年09月06日
鳴門にて~この時期、J2下位のチームは強くなる
2節前の水戸ホーリーホック戦は、同じ形で何度もやられたうえに(失点は2で済みましたが)、各選手の集中力の欠如は目を覆うほどではありました。 それに比べると、今節(タテマエ上は28節ですが)の徳島ヴォルティス戦は、悪くなかったと思います。まるで三浦監督のコメントみたいですが、前半から大塚が高い位置で相手にプレッシャーをかけ、芳賀キャプテンは中盤で相手ボールをカットすべく滑りまくり、ブルーノ・クアドロスはこの数試合で最高の出来といっていい安定感と積極性を見せ、西嶋は(トイメンとの関係や、相手のマークが西谷に集中していたがゆえに西谷が動くと前方にスペースができたという理由はあったものの)いつになく攻撃へと出ていく、などなど、連戦の疲れもなんのその、でした。 だから、西谷のPK失敗は痛かった。あれが決まっていれば、逆に札幌が3-0で勝っていたかもしれません。ところがワンチャンスできれいにやられてしまい、そこから先は徳島がかなり引いて守り、時間帯によっては中盤の選手も4バックに吸収されるんじゃないかと思うような感じでしたから(だから後半は札幌がボールを持てたのでしょう)、いくら前線で石井がボールをキープしようが、砂川が変幻自在なポジショニングでかきまわそうが、シュートチャンスはなかなか巡ってこない。 そしてあの徳島の2点目、道都出身石田のスーパーゴール。あれは一生に一度のスーパープレーだから、どうしようもない。最終スコアは3-0だったものの、両チームにそれほどの差があったわけではないと思うのです。けっして慰めとか負け惜しみとかではなく、本当に、ちょっとした差でしかなかったと思います。 せっかく現場にいたので、もうちょっと、それらしいことを書くと、観客は少ないながらも、西谷のPK失敗(というか相手GKのセーブ)で、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム(隣はオロナミンC球場とSOYJOY武道場)が、一気に徳島ヴォルティスのホームスタジアムになったのです。いや、もともとホームスタジアムなんですが、メインスタンドの観客もゴール裏に合わせて手を叩くようになったりして、いかにもホームゲームって雰囲気になっちゃった。あれは、徳島の選手たちは、元気出るでしょ。 ただ、水戸にしても、愛媛FCにしても、徳島にしても、最後まで全員がハードワークして、けっして「格下」「下位」などとはいえない内容でした。水戸戦は、水戸の2トップの激しいフォアチェックと、中盤のすばやいチェックとに驚きながらも、どうせこんなの最後まで持たないだろうとタカをくくって見ていたら、最後まで彼らの運動量が落ちなかった。これは、愛媛も、徳島も、みんな一緒でした。 前線の選手のシュートがうまければ、水戸も、愛媛も、徳島も、もっと得点を奪えていたでしょう。 この何年かは自分たちが中位以下だったからすっかり忘れてましたが、例年、J2リーグが半ばを過ぎると、順位表の下のほうにいるチームの力が底上げされてきます。古くは矢部と三原が途中加入したシーズンのサガン鳥栖に始まり、柳下時代のわれらが札幌に至るまで、例はたくさんあります。 試合数が多いJ2リーグでは、シーズンが深まるにつれて上位チームは研究されてやりにくくなる、というのもありますが(ホント、水戸も愛媛も徳島も、みんな、最終ラインとその前のラインの間で人とボールを動かそうとしてたもんなあ)、それと同時に、試合数が多いがゆえに、各チームの組織がどんどん熟成されていきます。個の強さが伸びるスピードよりは、組織力が上がるスピードのほうが、速いのでしょう。 去年の終盤の愛媛なんかも、そうだったんじゃないかなあと思います。 ところが、中位以下のチームの場合、シーズンが終わると、主力選手が抜けてしまうことが多い。だから、翌年はまた一からやり直しになって、序盤は、力のある選手を揃えたチームに、どうしても勝てない。それが、シーズンの後半になってくると、若い選手が多い分、急速に力をつけてくる-このところ、札幌以外でも上位チームが勝てなくなってきているのは、下位チームの力がぐっと上がってきたことによって、上位と下位との差がなくなってきているから、でもあると思います。 だから、ここへ来て勝ち点が伸びないことを、必要以上に悲観することはないのです。相対的にみれば力が落ちたようにみえても、絶対的な力は落ちてはおらず、下位チームとの力の差は詰まってはいても、ひっくり返されているはずはないのです。 下位チームが見せるひたむきさ、まじめさに回帰しつつ、マンネリにならないよう、目先を変えていけばいいのです(だからイタカレを使ったのでしょうが、イタカレはピッチ上での自分探しをしているうちに終わっちゃったって感じだったなあ)。 西谷がクイックでスローイン入れようとしたらその先にいたダヴィがストッキングを直していて西谷投げられず、西谷ダヴィに毒づく、という場面がありましたが、ダヴィは、なんだか、ちょっと不真面目になりつつあるような…オフサイドポジションから戻るのが遅くなってるし… 大丈夫。次は、チェイシング命の中山元気が戻ってきますから。今日(徳島戦)は、ファーストディフェンスが大塚からだったから、そりゃあ、やっぱり、苦しいって。 とりとめないので、この辺で。こんなことしてると、また寝る時間なくなるって(<もちろんすぐに札幌に帰りまっせ)。
posted by issey11 |00:51 |