スポンサーリンク

2007年05月01日

メガホンよさらば

いまさらヴェルディ戦の話かよと思いつつ書いてしまいますが、あの日の終盤、スタジアム全体から自然発生的に沸いてきた手拍子を「あんなことは久しぶりだ」「かつての熱気が戻ってきた」と、多くの方が語り、書いていました。僕も、そのときは、そう思って、翌日とか、翌々日とか、そんなことを言ってました。

だけど、よく考えてみたら、久しぶり、ではないのだ。こんなのはじめて、なのだ。

札幌ドームができた頃までは、メインスタンドもバックスタンドも一斉にといえば、メガホンでした。いや、札幌ドームができてから、メガホンはうるさいからやめましょうってことで、だんだん減ってきたのかな。

20070501-00.jpg

上の写真は、1997年JFL第19節(8月31日)のブランメル仙台戦で入場者に配られたミニメガホンです。メガホンの形をしているけれどメガホンの機能は持っておらず、「メガホン型の叩いて音を出すための道具」といったほうがいいグッズです。当時は僕はまだ東京に住んでましたから(というか、あの当時、10年後の自分が札幌に引っ越してるなんて思ってもみなかったですよ)、試合終了後は新千歳空港に直行するわけですが、空港で会った旧知の仙台サポーターから「1万5千人がメガホン叩くのは反則だろ」と苦笑されました。

当時は、みんなでメガホン叩くのが、楽しかったのでしょうね。チームができてまだ2年目、観客がどっと沸くのはボールを持った選手がドリブルで突っかけたときで、大きくあいたスペースへのサイドチェンジにはほとんど反応がなかった頃。厚別に集った人たちは、サッカーの試合を楽しむというより、イベントに参加している感覚だったのでしょう。そこで感じた喜びをまた体験するためにスタジアムへ足を運び、だんだんとサッカーそのもののおもしろさもわかってくる、という過程では、あのメガホンが果たした役割は、けっして小さくはなかったと思います。

さて、それから10年後、2007年4月22日の札幌ドーム。僕は、バックスタンドの上のほうに座っていたのですが、「こーんさどーれ(ぱぱん、ぱ、ぱんぱん!)」ではなく、間断なく続く手拍子に、じつは最初はビジュアルで気づいたのでした。目の前に見える、バックスタンドの前のほうで、まるでウェーブが起きたかのように、座っている人々が次々と動き出したのです。もちろん、みんな座ったままなんですが、けっして同時にでなく、少しずつ、手拍子を打つ人が増えてきたのです。

もっとも、J2降格を決めてくれた石川竜也のVゴールの軌道が、現場で見てたときはものすごくスローモーションだったのに、あとからビデオで見ると一瞬だった、という例もあるから、ウェーブのように見えたのは、僕の瞬間的脳内映像である可能性大。とはいえ、瞬間的にそういう風景が見えてしまって、感動して涙が出そうになってしまったのだから、妄想ではないでしょう。

今にして思うと、そういう熱狂の渦の中にいながら、こんなふうに第三者的視点になっている自分に寂しさを感じないでもない(^^;)。

その6日後、28日愛媛FC戦では、僕のすぐ後ろに、メガホンを持った方が座ってらして、試合開始前はゴール裏に合わせてメガホンを叩きまくりだったんですが、周囲の観客の冷たい視線を感じ取ったのか(そんな視線があったのかどうか知りませんが)、試合が終わる頃には、メガホンを叩かなくなってました(なってたような気がします)。「メガホンは持ち込まないでください!」なんてお達しを出してほしいとは思いませんが(こういうことは誰かに強制されると反発を招くだけですから)、あの人が次の試合ではメガホン持ってこなくなるといいなあと思ったことでありました。

といいながら、試合前にやたらメガホン叩いてたときには、席移動しようかなと思ったんですがね。そのぐらい、違和感のあるブツになってきたなあ>メガホン

これはピュアなメガホン。
20070501-01.jpg


posted by issey11 |20:30 |