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2007年04月02日

【本】Jリーグクラブをつくろう!

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ゲームソフトみたいなタイトルですが、けっこう、骨太な本です。「ジャンボジェット機のとばしかた」みたいな本ではなく、サブタイトルににあるとおり「新規参入を目指すクラブを紹介」した本です。 グルージャ盛岡に始まってFC琉球まで、Jリーグを目指して活動している全国のクラブがそれぞれ4~6ページずつ紹介されています、と書くと、カタログのような本かと思われるかもしれませんが、どうしてどうして、著者がすべてのクラブに取材に行ってキーマンの話を聞いたうえで、それぞれのクラブが著者の目で描かれています。こういうテーマだと、どうしても、中身は温かい(なまぬるい)トーンになりがちですが、中には、かなり厳しいことを指摘されているクラブもあります。だから、へんなべたべたな読後感は、まったくありません。 J3ができて将来的には全国に100のクラブができるのだとすれば、この本で紹介されているクラブがすべてJに上がっても、まだ足りません。それなのに、この本にあるクラブの大半にして、すでに経営的には(とくに資金面において)非常に苦戦しています。 J2からJ1に上がったクラブのうち、川崎や大宮といった、親会社に相当する企業グループをバックに持つクラブを見るにつけ(川崎は富士通さんの出資比率は下がってますが)、やっぱり、大スポンサーさんがいないと、Jクラブはやっていけないのかなあと感じます。しかし、そうなったら、この本に紹介されているようなクラブなど、生きていくことは不可能になってしまいます。 全国のクラブの数が少なくなったらつまらない。多くなったらおもしろい。だから、親会社を持たないクラブも、生きていく道を探っていかなきゃいけない。 札幌のような大都市をホームタウンに持つわれらがコンサドーレがやっていけないなら、全国に100のクラブなんて、絶対に無理です。あとに続くクラブのためにも~自分たちの将来の楽しみのためにも~、われわれの責任は重いのです-と、本当のところはそれほど重くは考えてませんけど、そんな感想を抱いた本でありました。 ちなみに、北海道では、「とかちフェアスカイFC」が紹介されています。

Jリーグクラブをつくろう!
秋元大輔、ノースランド出版
ISBN978-4-89082-297-3
定価1,400円+税

posted by issey11 |22:22 |