2008年02月14日

他山の石とする

ベガルタ仙台の選手4人が酒に酔った上で他人の車を破損させるという不祥事が起こった。
キャンプ地宮崎県延岡市における一部選手の不祥事について記者会見を行いました
キャンプ地宮崎県延岡市における一部選手の不祥事について監督、選手の謝罪
(ベガルタ仙台HPより)

コンサドーレも過去に飲酒による不祥事を複数回経験している。当然、現在はその反省の上に選手に対して十分な指導がなされ、また、選手も強い自覚を持って不祥事を起こさないよう努めているものと信じている。とはいえ、今回のケース、やはり他山の石とすべく、問題点をきちんと考えてみたい。

事件前の状況について
選手会主催の食事会の時に起こった事件ということは、当該4選手以外にその場に大勢の選手がいたということである。ならばこのような事件を起こす前に止められなかったものか。事件を起こした彼らは20歳〜23歳の若手選手ばかり。つまりまだ酒を飲み慣れていない若者たちである。自分にも経験あるが、このくらいの年齢の頃は自分の酒の限界を知らずに無理な飲み方をしがちである。選手会の食事会というベガルタの看板背負った場なのだから、年長者がもう少し気を付けてあげることができれば良かったのだが。若い選手が飲み過ぎて様子が変わってきたのに気付いたら、大事に至る前に制してほしいものだ。もちろん、それ以前にいくら翌日がオフとはいえ、キャンプ中に泥酔するまで酒を飲むというのはあまりにも自己管理、自覚がなさ過ぎると言わざるをえない。

事件について
器物損壊の刑法犯。あとは被害者が被害届を出すかどうかであって、示談になろうと許されない犯罪行為である。この段階でもだれか止める人はいなかったのかと・・・

事件後の対応
ここが今回一番問題と感じている。事件の知らせを受け、監督が現場に駆けつけ、被害者と交渉の後、修理費30万円を支払うという約束でその場で示談にしたという。そして、このことはクラブの上層部には報告していなかった。この対応は決定的に誤りだと思う。まず、酒の勢いでの事件である。監督が間に入って被害者に謝罪、交渉したとはいえ、加害者4人はその時点で泥酔状態である。本人が泥酔状態の時に他者が約束をして示談が成立する、と考えること自体が間違いである。冷静に考えて、その場では金銭含め誠意ある対応をすることを約束するに留め、本人達が素面になってから改めてクラブの責任ある立場のものが同席の上謝罪、示談交渉すべきである。その場合、注意すべき点は、示談の内容を書面化することだ。謝罪と慰謝料を払うことで「被害届を出さない」「これ以上の金品の要求をしない」ことを書面化する。そうしないと例えば後になってから「誠意が足りない。あと○○万円払え。でないと被害届を出すぞ」などと強請行為に発展しないとも限らない。もちろんこれはあくまで一般的な想定であって、今回の被害者の方がそのようなことをする方だと思っているわけではない。で、この示談の書面化に当たっては当然クラブの顧問弁護士の指導を受けて作成するべきであり、この段階では当然クラブのトップまで報告がなされていなければならない。クラブ所属選手が起こした法的トラブルなのだからクラブとして法的に対処すべきであり、現場で監督が解決してこと足れりと考えるのは決定的な間違いだと断ずる。意図があろうと無かろうと隠蔽行為と言わざるを得ない。
尚、事件後4選手は特段のペナルティもなく練習に参加、練習試合にも出場している。事件自体を隠しているのだから、ペナルティを与えることもできないという状態になった。

発覚の経緯
直接のきっかけはインターネット上の書き込みと言われている。それが目撃者によるものなのか、クラブ関係者によるものなのかはわからない。しかし、今の時代、ネットで隠し事が暴露されることは普通にあり得ることである。怖いと世の中だ、という話はおいとくとして、これも現代では想定すべきこと、危機管理上最も注意すべきことである。密室の事件ならともかく、街の往来での事件なのだから、そうそう隠しきれるものではないということを理解しなければならないであろう。

処分について
クラブとしての処分は社長、強化部長、監督は制裁金50万円、4選手は給料20%減俸(三ヶ月)ということらしい。選手の出場停止や謹慎などの処分はせずに、練習はこれまで通りに行うとのこと。処分の軽重について意見はいろいろあると思うが、私は処分内容に「謹慎」が含まれていないことに大きな違和感を感じる。この手の事件で金銭だけの処分で済ます、というのは異例ではないかと思う。記者会見の質疑応答を見ても分かるとおり、この処分内容ではむしろ違和感、不信感を増大させることになるのではないか。個人的には今回の事件で選手の契約解除は重いとしても、監督の契約解除はあっても不思議ではないと思う。「選手の不祥事を隠してクラブに報告しない監督では信頼して現場を任せられない」という判断があってもおかしくはない。まぁ、これは後任の見通しがないとできないのかもしれないけど。


キャンプという集団生活中。選手会主催の食事会での事件。示談交渉に監督が関与している。こうなればこの事件は決して当該選手4人だけの問題ではなく、クラブ全体の問題である。
コンサドーレも明日から熊本キャンプが始まる。ただでさえ他のクラブより長期間にわたるキャンプである。今回のことを他山の石として、コンサドーレの各関係者全員が強い自覚をもって不祥事など起こさないよう、今後も頑張ってほしいと切に願う。


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posted by たじ |10:31 | サッカー一般 | コメント(4) | トラックバック(1)