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HN:たじ たこ焼きの移動販売「ほっと12」の店主です。 2001年からコンサドーレのサポートシップスポンサーを継続中。 このブログは旧題「たじ争論」でしたが2010年より「たじの○○な話」に改題致しました。 個人的に好きなことや興味のあること、気になったこと、その他いろいろを特にサッカーやコンサドーレにとらわれずに適当に書いてこうと思ってます。

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サッカーのプロ契約に契約金がないのはなぜ?(後)

2005年12月17日

昨日の続き。

保有権の話に戻りますが、競業避止協定が結ばれ、統一の契約書により契約をしたプロスポーツ選手はプロ契約をした時点でその保有権がチームに属することになります。プロ野球については前記の通り、契約金という形で原始的に保有している本人の保有権の対価が本人に支払われます。しかし、Jリーグの場合は違うようです。世界のサッカーの潮流としては選手はクラブチームの下部組織で育成され、トップチームに入る、というのが標準的のようです。よって一般には「保有権譲渡による対価は育成費用と相殺される」と考えられているようです。これがサッカーにおいて契約金が本人に支払われないことを正当化する根拠ではないかと推察します。ところが、現在の日本はまだまだクラブチームのユースなどは少なく、学校の部活による育成が主流です。学校の部活とは、基本的に学校教育の一環であり、その費用は学費という形で本人が支払っている、と解釈されます。ところが、日本サッカー界ではそう解釈しないようです。規定では以下のようになっています。

日本サッカー協会規約
第90条〔アマチュア選手がアマチュア以外の選手として移籍する場合〕
アマチュア選手が、アマチュア以外の選手として移籍先チームへ移籍したい旨を申し出た場合、移籍元チームは、当該移籍について異議を申し立てることができない。 ただし、移籍元チームが営利法人、財団法人、社団法人、NPO法人または学校教育法第1条に定める学校およびそれに準じる団体で本協会が認定したものである場合に限り移籍元チームは、移籍先チームに対し本協会の「トレーニング費用請求基準」に定められた金額を上限とするトレーニング費用を請求することができる。

学校のサッカー部からプロ選手を排出した場合、その育成費用を「トレーニング費用」として請求できることになっているんです。この運用実態はわかりませんが、論理としてはかなり無理があります。これは「保有権譲渡による対価は育成費用と相殺される」という考えをユース出身プロ選手と部活出身プロ選手間において統一するために無理矢理ひねり出した論理としか思えません。そもそも、学校の部活に入った時点で「保有権」が本人の手から離れている、とすること自体に無理があります。はっきり言って不当な契約による搾取と言えるでしょう。でも、なぜ日本サッカー界は本人が原始的に持っているはずの保有権を頑なに否定し、その対価を支払おうとせずに本人を拘束するような規定を無理矢理作ったのでしょうか。Jリーグの公式ホームページには次のような一文があります。

【5】選手のスカウティング
 クラブの下部組織からプロ選手を育成するのが本来の姿ですが、現状ではまだそのシステムが確立されているとはいえません。そのために、各クラブのスカウティング担当者が、地元を含め全国各地の中学・高校・大学等の大会に出場する選手の中から有望な選手をスカウトする方法をとっています。外国籍選手については、直接現地に赴く方法と選手代理人の紹介による方法等があります。

「本来の姿」というところがポイントです。いったい何が「本来の姿」なのでしょうか。「将来的な理想像」「世界的な潮流」というのなら分かるんですが、部活により選手を育成することを「本来の姿ではない」とするのは非論理的です。要はJリーグ立ち上げにあたっては「形からはいる」ということが重要視されたということでしょう。それ自体が悪いことではありませんが、現実を無視して無理な規定をごり押ししていると感じざるを得ません。ただ、無理矢理論理的整合性を取ることは可能です。現在Jリーグの規定では契約一年目はC契約となり、年俸上限は480万円ですが、例えばこれを年俸上限400万円にして、80万円を契約金とする。そうすれば1年目の総額は変わりません。これでユース出身と部活出身に関係なく契約金という概念を作れることになります。

どうも、この問題の根本は南米やアフリカなどを選手の供給源とし、欧州が買う(搾取)という構図(元の植民地の構図)、そこから生まれるサッカービジネスにあるという気がします。特殊職業故とはいえ、保有権の原始的帰属を否定するサッカー界全体の考え方には個人的には納得してません。