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2011年12月14日

加藤桃子

将棋・初代女流王座に16歳 「棋士」めざす奨励会1級(朝日新聞)

 将棋の初代女流王座に16歳の高校生、加藤桃子奨励会1級が就いた。清水市代女流六段(42)との五番勝負で、12日の第5局に129手で勝ち、3勝2敗で「女性最強」の座をつかんだ。賞金は500万円。 


ここで話を少し戻します。
以前「里見香奈の挑戦」というエントリーをしましたが、その後について少し説明を加えます。
将棋連盟は里見香奈の奨励会合格後、女流棋士と奨励会員の掛け持ちを「特例」とせずに認めるという決定をしました。さらには、女流棋士ではない女性の奨励会員の女流棋戦のエントリーも可能になりました。こうなると根本的に「女流棋士とは何か」という問題にもなりますが、とにかく将棋をする女性により多くの活躍の場を与えるという方向での決定となりました。おそらくスポンサー等の意向もあったかと思います。


そして、これらの一連の流れと共に、今期は「リコー杯女流王座戦」という棋戦が新設されました。この棋戦は女性であればプロアマ奨励会員問わずエントリーできるという、従来にない棋戦で、奨励会から加藤桃子奨励会2級(エントリー時)と伊藤紗恵奨励会2級(エントリー時)が参加。そして今回上記の通り加藤桃子が優勝して初代女流王座に輝いたというわけです

あれ、里見香奈は?

当然こう思う人もいるかと思います。
彼女は奨励会合格後も、女流棋士と掛け持ちで頑張ってます。この女流王座こそ獲得できなかったものの、現在女流名人、女流王将、倉敷藤花の3つを持つ女流三冠であり、女流棋士トップの座に君臨しています。1級で合格した奨励会のその後ですが、入会当初はすぐにでも初段に昇段できる実力があるのではと思われていましたが、意外に1級で勝ったり負けたりを繰り返していて、今のところプロ棋士への道のりはまだ険しそうです。

そして今回の加藤桃子。現在は奨励会1級に昇級し、里見香奈に並びました。更に言うと女流王座戦に加藤と共に奨励会からエントリーした伊藤紗恵も1級に昇級してます。現在女性の奨励会員は1級に里見、伊藤、加藤という3人が在籍していることになります。以前は「里見が一番プロ棋士に近い」と思われていたのですが、今後はこの3人が切磋琢磨して女性の将棋界を引っぱっていく形になるでしょう。現行制度においては女性の入品(にゅうほん・初段になること)はいまだありませんから、この3人の誰が一番早く入品するか、期待は大きいです。特に加藤は19歳の里見、18歳の伊藤に比べて16歳と最も若く、それだけ今後の成長が期待されます。

将棋界は女性の少ない世界ですから、こうして女性が活躍し話題になり、裾野、マーケットが拡がることは将棋界にとっては意義有る事だと思います。その一方、「本来実力社会であるべきなのに、女性だからといって優遇するのはおかしい」という意見も将棋界には根強いです。今回の女流王座戦の優勝賞金は500万円。本来奨励会員は修行の身であり当然原則無給なのですが、女流棋士の資格も持たない奨励会員の加藤桃子が500万円を獲得したというのですから、男性の奨励会員にしてみれば面白いはずがありません。1級の加藤よりも段位の上の奨励会員は50人以上いますが、彼らは男性であるゆえに「500万円を獲得するチャンス」はないのですから。

今後も女性と将棋界を巡る規則、制度はこれからも様々な紆余曲折を辿って行くことと思われますが、現在女性将棋界の先頭を走る里見、加藤、伊藤の三人がこれからも活躍し、将棋界を盛り上げてくれることを期待しています。

posted by たじ |11:19 | コメント(2) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:加藤桃子

将棋ネタですね。女流のお話が出るたびにどうしてもモヤモヤしてしまう…LPSAのこと。

posted by ラクタジーノ| 2011-12-14 15:49

Re:加藤桃子

2011コンサドーレ札幌J1昇格記念PVです

posted by rosso nero | 2011-12-14 16:09

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