2011年04月07日
【DVD】浅田真央~20歳になった氷上の妖精
浅田真央~20歳になった氷上の妖精 浅田真央の成長の記録と珠玉の演技集です。 この作品は本編156分、特典映像21分、合わせて177分という大ボリューム。 収録演目は9演目12本。実況、解説無しのノーカット版です。 このDVDは本当にお勧めです。ドキュメンタリーDVDとしても、浅田真央の成長と苦悩、努力の様子がたっぷりと詰まっていますが、時系列的に真央の演技を見ていくと、いかに彼女の演技が洗練され、高次元の芸術となっていくか、そのプロセスがよくわかります。 15歳の頃の真央は本人が言うように「ジャンプが得意」なスケーターでした。スピン、スパイラル、ステップやつなぎ、振り付けなど全般的にはまだまだ粗さの残る演技でした。ただ、圧倒的なジャンプとその天真爛漫さが演技の粗さを補っていました。しかし、時を重ねる毎に全ての要素がブラッシュアップされ、特にタラソワコーチに師事してからのステップや振り付けは他を圧倒する、まさに芸術といえます。これほどまでに美しく、見るものを引き込む事のできるスケーターは、フィギュアスケート史上でも希有な存在に違いありません。 そして時系列で見ていくと、いかに真央がジャンプで苦しんできたか、ということもわかります。特にルッツとフリップのエッジ判定の厳格化は真央のジャンプを苦しめることになりました。かつては3Lz-3Tのコンビネーションを跳ぶほど、ルッツはむしろ真央の得意ジャンプだったのですが、そのルッツはルッツとは認められなくなりました。そして試行錯誤の結果五輪シーズンで真央はルッツを演技から外してしまいます。そして今、真央は「一からジャンプを作り直す」といって再びルッツにも取り組んでいます。彼女が取りもどしたいと言っていた、かつてのジャンプがどういうイメージなのかということも、このDVDの映像から理解することができます。 この作品は浅田真央のドキュメンタリーではありますが、「メニュー」から演技だけを選んで観賞することもできるので、「浅田真央の芸術作品集」でもあります。実況、解説無しですから、純粋な演技観賞には最適です。演目、映像のセレクトはたぶんこの「芸術作品集」という観点から選ばれたものだと思います。つまり多くの演技の中には失敗演技もたくさんありますが、それらはあえて収録せず、珠玉の好演技ばかりを集ています。このため、「ノクターン」や「月の光」「幻想即興曲」など、収録から漏れた演目もあります。この点は意見の分かれるところだと思いますが、私はこの編集は好判断だと思います。ドキュメンタリーとしては失敗演技でうなだれる浅田真央の演技も必要かもしれませんが、芸術作品集ならばあえて失敗演技を収録する必要はないし、それでいいと思います。 ただ、残念な事もあります。このDVDはフジテレビの制作販売なので、テレビ朝日が放送しているグランプリシリーズやNHK杯の演技は収録されていません。当然といえば当然なのですが、それでも浅田真央ファンとしてはやはり残念に思います。無い物ねだりと知りつつも願わくば、放送局の垣根を超えて、全ての浅田真央の演技の中から、全ての演目を網羅した珠玉の演技集が欲しいと感じてしまいます。贅沢ですね。 収録演目 ●虹の彼方に 映画「オズの魔法使い」より 2004年12月25日 全日本フィギュアスケート選手権 SP ●バレエ組曲「くるみ割り人形」 2005年12月25日 全日本フィギュアスケート選手権 FS ●チャルダッシュ 2006年12月29日 全日本フィギュアスケート選手権 FS 2007年 3月24日 世界フィギュアスケート選手権 FS ●ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー 2007年12月27日 全日本フィギュアスケート選手権 SP ●仮面舞踏会 2008年12月27日 全日本フィギュアスケート選手権 FS 2009年12月26日 全日本フィギュアスケート選手権 SP 2010年2月23日 バンクーバーオリンピック SP ●前奏曲Op.3-2「鐘」 2009年12月27日 全日本フィギュアスケート選手権 FS 2010年3月27日 世界フィギュアスケート選手権 FS ●タンゴ 2010年12月25日 全日本フィギュアスケート選手権 SP ●愛の夢 2010年12月26日 全日本フィギュアスケート選手権 FS
posted by たじ |11:40 | コメント(0) |
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