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2011年02月21日

四大陸そして浅田真央

フィギュアスケートの四大陸選手権が終わりました。

男子は高橋大輔がようやく本領発揮で244.00点で圧勝しました。ただ、今大会はカナダのパトリック・チャンが出場してませんでしたので、日本勢の優勝は当然の結果だと思ってます。チャンは今年のカナダ選手権では国内大会とはいえ285.85というフザケた点数をマークしてますので、この四大陸の高橋の演技では世界選手権でチャンに勝つのは難しいかもしれません。打倒チャンのためには絶対に4回転を完璧に飛ぶことが必要になってくると思います。

2位の羽生は素晴らしかった。クリーンな4Tとそれに続く3Aを決めて228.01点。まだ16歳。体力面には課題があるのですが、今回はかなり最後まで手足が動いてました。ここ2シーズンで大きく成長したと思います。16歳で国際大会の表彰台というのは男子では本当にめったにない快挙です。順調に成長すればソチでは表彰台も十分考えられます。

小塚は4位。ショートで大きく出遅れ、フリーはかなり挽回したものの表彰台にあと一歩届きませんでした。あまりコンディションが良くなかったのでしょうか。世界選手権での挽回に期待します。



女子は安藤美姫がショート、フリー共にノーミスの演技で自己最高の201.34点で優勝です。かつては「365日のうち300日泣いていた」というくらい苦悩の日々を過ごしていた彼女ですが、今は完全にその苦悩から解放されて、競技人生のなかで一番充実したシーズンではないでしょうか。今の安藤美姫はミスをするイメージが全く湧きません。

この大会、2位の浅田真央はもちろん、3位の長洲未来、4位レイチェル・フラットも非常によい演技で、全体としてレベルの高い大会だったと思います。その中で鈴木明子が不振だったのが残念です。鈴木明子はこの四大陸が今シーズン最後の大会。仕切直して来期また素敵な演技を見せてほしいものです。


ここまでが前段で、本題は浅田真央の現状について。
今期ジャンプの改良に取り組んだ結果、シーズン序盤はぼろぼろな成績でした。それは出来ないことを出来るようにと練習する過程で、今まで出来ていたことも出来なくなってしまったという現象に陥ってしまったためです。
つらく苦しい時間を乗り越え、昨年の全日本で真央は、なんとか「今まで出来ていたことは取り戻せた」という状態まできました。でも、問題はここからです。この四大陸選手権は課題のジャンプを克服し、さらなる演技の上積みをどれだけ出来ているか、ジャンプの修正の度合いをを測る良い機会でした。
結果は196.30点で安藤に次ぐ2位でしたが、精神的にはかなり安定した演技が出来ていたように思います。全日本に続き大崩れしない演技が出来たので、自信を取りもどしたと思います。あとは個々の課題を一つずつクリアしていけば、他を寄せ付けない至高の演技に到達するでしょう。ではプロトコルから真央の克服すべき課題を見ていきます。

・3A
FS冒頭の3Aは非常にクリーンなジャンプでGOE1.29。あとは確率の問題で、コンスタントにこの3Aが跳べればOKです。

・3F+2Lo
最終的には、このコンビネーションのセカンドジャンプは3Loにすることが目標だと思いますが、現状ではまだ3Loにできそうな雰囲気はありません。セカンドを3Tにすることは考えてないのでしょうか。いずれにせよ、3-3のコンビネーションをどうしてもプログラムに入れたいので、ここはまだまだ課題があります。

・3Lz
今回やはりエッジエラー判定でした。このエラーが解消されれば気分的には全然違うのですが、長年の課題はやはり簡単には修正できません。ただ、スロー、駒送りで見た感じとしては、かなりアウトエッジ踏切に近づいていて、もう一息でエラーを解消できるのではないかと思います。ただ、そのもう一息が難しいのだとは思いますけど。

・2A+3T
久しぶりに見たコンビネーションのセカンド3Tでしたが、回転不足判定。でも、雰囲気的にはたまたま失敗したという感じなので、クリーンなセカンド3Tを跳ぶのはそう遠いことではないと思います。ただ、究極的にはこのコンビネーションは3A+3Tにしたい。それが無理なら3A+2T。至高のプログラムへの夢は広がります。

・3S
昔から苦手だったサルコウジャンプ。実際には2番目に点数の低いジャンプなので、出来なくてもそんなに問題はないのですが、やはの全てのジャンプを跳べた方がプログラムに幅が出来るし、リカバリーもしやすくなります。今回やはりGOEは-0.60と、あまり質の高い3Sではありませんでした。それでも、以前はパンクや転倒が茶飯事でしたから、確実に向上している感じです。安定的にプラスのGOEをもらえるまでにはもう一息でしょう。


真央が課題としているジャンプについて簡単に考察してみましたが、これだけ課題を抱えながら今回フリーで132.89という得点を出しているのですから、ジャンプが全て矯正され、至高のプログラムが完成したらと想像すると鳥肌が立ちます。
世界選手権まであと1ヵ月ほどなので、ここに挙げた課題が世界選手権で全てクリアになること難しいと思いますが、これらの課題がどのくらい克服されているか、大いに期待して世界選手権を見たいと思います。

posted by たじ |00:53 | コメント(0) |

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