2010年02月04日
高木美帆と岩崎恭子
彗星のごとく登場した、バンクーバーのニューヒロイン、高木美帆ちゃん。 15歳、中学3年生にして1000m、1500m、チームパシュートの3種目の代表です。本当は3000mでも代表相当の成績だったのですが、種目が多くなりすぎるので削られてます。私はこの高木選手は今季まで全然ノーマークでした。昨シーズンまでは高山利沙(駒大苫小牧)の方が注目株で、五輪最年少代表の期待がかかっていました。高山は高木の1学年上で、昨シーズンまでは中学生でした。そして種目も高木と被っていたので、高木は昨年までは高山の陰に隠れた格好で、あまり注目されていなかったと思います。だから今シーズン「注目のホープ、高木」と言われ始めた時は「あれ?高山じゃなくて?」って感じでした。伸び盛りで、なんだか滑るたびに記録を伸ばしていく様は本当に頼もしく、また、インタビューの受け答えも落ち着いていますね。「日本代表としてオリンピックに出場するという自覚は自分の中にちゃんとある」なんて15歳の言葉とは思えません。 ところで彼女は今後サッカーはどうするんでしょうか。将来のなでしこ候補として合宿にも参加する程の実力。スピードスケートで五輪に出場するほどの脚力はサッカー選手としても圧倒的な武器でしょう。技術を磨けばきっとサッカーでも大成できると思いますし、サッカー界にとっても彼女はワイルドカード的存在だと思いますが、ここまでハイレベルになるとスケートとの両立は難しいかもしれません。本人も「スケートに絞らなきゃいけないのかな」とこの点には不安そうなコメントもしています。しかし、もし彼女が今後も「スケートとサッカーの掛け持ち」という道を模索するなら、コンサドーレも北海道のプロサッカークラブとして全面的に支援するスタンスでいてほしいと思います。例えばコンサのU-15の練習にオープン参加してもらうとかどうでしょう。もちろん、本人が「スケートに専念」というのなら余計な口出し無用とは思います。ちなみに、彼女が進学予定の帯広南商業は女子サッカー部があります。 話を五輪に戻します。中学生で五輪出場。急成長で一気に国民の注目の的となったと言えばどうしても岩崎恭子を思い出します。もっとも、岩崎恭子が注目されたのは金メダルを取ってからのことなのですが。 スポーツに限らないかもしれませんが、何事も上達というのは練習に比例しないものです。伸び悩んでいるかと思えば、なにか壁を乗り越えると、そこから飛躍的に成長するということはよくあります。岩崎恭子はバルセロナ五輪の直前から五輪期間中に「飛躍的に成長」した典型例です。五輪前はほとんど名前も知られていない無名選手だったのに、五輪が終わったら岩崎恭子は国民のヒロインです。あまりにもそのギャップが大きすぎたのでしょう、五輪後はまともに練習も生活も出来る状態ではなかったようで、残念ながら彼女の競技生活はバルセロナ五輪がピークとなってしまいました。14歳の少女には五輪金メダルという荷物は少し重すぎたのかもしれません。 だから今の高木美帆を見ていると、バンクーバー五輪後も重圧に潰されないようにと今から願わずにはいられません。チームパシュートではメダルも射程圏内です。個人種目では今のところメダルにはまだ遠いと思われていますが、ここから五輪本番までの間にさらに一段、二段記録が伸びてメダルという可能性も十分考えられます。なにせ現在高木美帆は岩崎恭子級の急成長中なのですから。 バルセロナ五輪当時を振り返ってみると、そもそもなんで岩崎恭子は五輪前は注目されていなかったのかと調べてみると、競泳代表に中学生が3人いたのです。そして誕生日で並べると岩崎恭子は最年少ではありませんでした。だから五輪前は岩崎恭子に特別なスポットライトが当たるということはなかったんですね。そう考えると、今の高木美帆は五輪前から史上最年少の代表ということで注目を浴びていて、ある意味五輪に向かう心構えができているかもしれませんね。 高木美帆選手のバンクーバー五輪での活躍、そしてその後の健やかなる成長に期待してます。
posted by たじ |16:32 | コメント(0) |
スポンサーリンク
スポンサーリンク