2008年10月11日

社長か監督か強化部長、誰か(か複数)が変わるべき

試合の結果は丸々スルーとか引責失敗報告放置とかの当ブログへようこそ(挨拶).
まあタイトル通りの内容なわけですが、理由なども述べつつ。

ブログとか方々を見てみると監督続投派の人々ってのもそりゃ多々いるわけです。その理由を大別すると、「監督には昨年度の実績があるから」「今年は負傷選手が多かったから監督解任はかわいそう、ろくに強化費かけられなかったんだし」「4-4-2ゾーンディフェンスというシステムが悪いのではなく、悪いのはそれを実行できない選手。システムを熟成させればもっと上も狙えるはずで、そこを簡単に変えるのはよくない」とかそんな感じ。

あとは強化部長留任のお知らせby社長と。
まあ、ダヴィは当てたから、という話もまったくもってわからないという話ではない。クライトンも来年よそのJ1チームからオファーがありそうないい選手で、それをつれてこれたのは大したものでしたよ確かに。

でも。
じゃあそれだけアシストや得点力あるやつそろえるのに成功して、チームとして、この結果はどうなん? という話となると、やっぱりだめでしょうというか、いろいろ間違ってるからこうなってるんでしょうということで。

ポイントはいくつかあるわけですが、

  • 戦術に必要な選手が強化部として取れてない、もしくは監督が強化部へ的確にオーダーできてない
  • 逆に、今いる選手に応じた戦術を監督が取れてない
  • で、今後どうすんの?

その辺をまともに示せてない現状では、監督も強化部長も社長も、全員留任はないかなーと。最低どこか、最悪全とっかえでいかないと将来はないと思うわけです。
以下長いので、御用とお急ぎでない方はどうぞ。

で、まあゾーンディフェンスというか三浦監督の戦術評価はこちらのブログがそれなりにいい総括と評価をされてるわけですよ。

ただ、この方の評価は根本的な部分が落ちてる、と私は思います。きついいい方するとサッカーわかってないというか用意してる答えのためにあえて間違ってるというか。あとは、結局監督が組織的な攻めを見せられてなかったことについてはスルーしてるというのと。

で、落ちてる部分ですがそれは、小学生なり、元日本代表の現役引退したおじさん達が三浦戦術極めたところで、J1どころかJ2だって勝ちぬけないってこと。いいかえると、戦術極めるにしたって、その戦術に必要な基本的な能力がない選手そろえときながら、その戦術を取ろうとしていること自体が無茶なわけですよ。

というのも、このエントリがいい例なんですが、要は三浦監督の求める4-4-2でクライトンは機能してないことに気づいていてどうして答えが間違ってるのかが疑問というか、監督替えないという決めてる回答のためにわざとやってるでしょという感じなんですけど。

ぶっちゃけ、三浦戦術でも、年度当初から大塚さんが万全で、補強で今野とカガケン的プレーヤーが取れていて、かつ監督が使っていれば残留できてたと思うんですよ。
そこがうちにかけていたところなんですが、4-4-2というか、ゾーンってのは、そのゾーンがブレイクされたときにほかのソーン守ってる選手がその場所へフォローできるスピードがあり、かつ抜かれた人もそのフォローのうちにケアしなおせ、かつそれを試合終了まで続けられる充分な運動量がある場合にのみとりうる戦術なんです。いいかえると、ゾーンで守るには、コアになる部分で相手を圧倒するスピードと運動量が必要なんですよ。その辺ゾーンにこだわらない3-5-2とかよりもよりシビアに。
つまり、今期必要だったのはスピードと運動量のある選手であって、背が高いなりフィジカルが強いなりを満たしていたにしても運動量やスピードのない電柱ではなかったということなんですよ。そりゃゴール前で適切に人につけてても、クロスあげられて空中戦で常に負けてたらどうしようもないから全員背が低くても運動量スピードがあれば勝てます、ということはないけど、少なくとも今よりもっと多くそういうスピードある人が必要だったんです。去年のJ2ではなく、今年のJ1という戦場ではよりいっそう。
いいかえるといくら経験積んでようが監督の戦術なりゾーンブレイクなりを正しく判断できようが熟成しようが、スピードで抜かれてフォローできない状況作られちゃおしまいというのがゾーンディフェンス。実際、抜かれたのを後ろから止めてゴール前ファールとかカードとかPKとかあったでしょ?
といって、「だったら抜かれなきゃいい」となるとそれはもう戦術じゃなくて実現不可能な精神論によるお花畑であって、そんなんができるんなら1DFで全部止めてもらうなり、SGGK(スーパーグレート/がんばるゴールキーパー)が全部シュートを止めてくれるなりすればいいわけであって、そんなん無理だからDF陣形を取るわけであって。

で、戦術を極めたところで、スピードと運動量がたりなければ今期同様、チンチンにやられます。それがJ2でも。なのにそういう選手を集めてるのがミスマッチだし、なのにそういう選手でそういう戦術を取ってるから勝ててないし。具体的にはサイドDFなら走りこみ対応はせいぜい1人2人だから最悪ってほどじゃなかったけど、ボランチやらせたらトップ下からFWの走り込みへの対応までできなきゃいけないのに、そもそもドリブルやってる相手にすら追いつけないぐらいスピードがたりなくて「もうお前レンタル元に帰れ、というか二度と出てくんな」という評価だったデビ純とか。

かつ、今の三浦采配だと、現有+αの戦力でやるなら来期以降はお先真っ暗といわざるを得ません。なぜなら、ミスもそりゃあるだろうけど将来を担うべき若手よりも、今ある程度計算できるベテラン勢を使ってる上で、かつ負けているから。ゾーン戦術で大宮があそこまでできて札幌でできなかったってのも、大宮は若手が多かったというところが実は大きいです。どんな優秀な監督でもフィジコでもベテラン選手のスピードを劇的にあげれる人なんかいないわけで、伸びしろのある若手と違って年を取ればとるほど運動量もスピードも落ちます。戦術の習熟度というプラスよりも戦術に必要な能力を失うというマイナスが大きくなる。
これではじめに使ってたけど最近はずしてる吉弘柴田その他若手を我慢して最後まで使い続けてベテランでフォローしながら戦術の習熟をかけて、「3年後J1に定着するために今許してください」って、監督が自分の首かけつついって、それをGMや社長が自分の腹までくくってサポーターに「今の結果は本当に申し訳ない、でも3年後をみてほしい。それで結果を満たせないなら監督コーチGM社長選手含めて能力足りないやつはやめる、でも未来のために全力でやらせてもらうから」とまでいうぶれないビジョンがありそれが認められるなら、それはサポーターならサポートすべきこと。逆にビジョンがあったからこそ、J2最下位だろうがサポーターは耐えたんであって、今のようにビジョンを見せられず、かつ結果を出せないなら退場していただくしかない。
でも、今の監督采配を見て、腹くくって若手我慢育成采配をやるように思えますか?

と問題提起をしていくと、とるべき選択肢が見えてくるわけです。

  • それでも、あえて監督のゾーンディフェンスを、数年かけてでも熟成させる。そのため、そのオーダーに明らかにミスマッチな選手を取り揃えた強化部長は契約終了、それをわからないで早々に「強化部長留任」とかいってる社長も、自称サポなら当然身を引けと。あとチーム戦術にあわないスピード運動量ない選手はばっさり解雇。まともな強化部長を連れてきて、三浦監督が即使いたくなるような選手を引っ張ってくる。

まさしくチームは三浦監督のためにという感じですね。そこに残るのは樅の木か電柱かはわかりませんけど。

  • いやいや、コストパフォーマンス的にすごくて、かつアシストなり得点なり、高評価選手を外れの山もあったとはいえ見つけてきた強化部長は当然留任。そんな選手をはいずり回って探してきたのに、選手を戦術で殺している監督は当然契約終了。数年間は、チームとしてミスマッチだろうが勝てなかろうが能力高い選手を発掘してきて売って資本強化というプロビンチャ経営に専念する。そこで負債なくして計算できる選手の複数年契約が重なった年に全力勝負。

一見よさそうというか現実的な方針としてはこれしかなさそうではあるけど、でも今期みたいにすごいけどミスマッチの選手とか、即辞めたアルセウとか、スピードないとうちの戦術で使えないってイタカレでわかっててノナトつれてくるってのは正直どうかと思われ。これでクライトンが若くて伸びしろがあって複数年契約だったらそれでも夢がもてましたけど。

  • とりあえず当たるか外れるかわかんない強化に丸投げで将来をかけてても仕方ないし大幅入れ替えやってたらチーム戦術も何もない。でも今いる選手でできない戦術取られてもどうしようもない。ちゃんとチームが将来あるべき姿を見据えた上で、今期の選手±αで、試合を作れる監督、そんな大はずれしない強化担当をつれてくる。マッチしないとはいえいい選手を見つけた眼力を評価というなら三上さんが強化部に残っていてもかまわないが、その選手がチームにフィットするかを判断する人がほかに必要。

落としどころはこの辺じゃないですか? 三浦監督が何かに開眼して、ゾーンじゃない4-4-2なり3-5-2なりをいきなり残り試合で大成功させて、結果はともかく来年以降のめどを見せられるんなら留任でもまあいいんですけど。

ここで考慮すべきなのが、社長と村野GMとの関係なわけですよ。
そもそも、強化部長留任とか監督留任とか、GMがいるのに社長がいう話じゃない。もちろん、GMとすりあわせ済みなら問題はないわけですけど。

チーム存亡の危機にあって、腹決めて5段階計画という育成・長期強化方針を立てた佐々木元社長、それをレンタル選手多々・外国人頼みの攻撃しかできない短期決戦方式にしてかつ収入や入場者数増という目標にはあらかた失敗と、台無しにして去っていった児玉前社長と続いて、まあ同じノリでつい社長が発言したのかもしれませんけど、その辺の評価はGMがやるべきなんですよ。
そして今年は減増資もしたし前社長のしがらみもなくなったしこんな成績なんで長期計画にあわない監督・選手に大鉈ふるっても文句すくなさそうだしと、立て直すチャンスなんですよ。長期計画をちゃんと。
今年GMに就任した時点では現有選手と強化部のもろもろと大体決まってしまっていたでしょうからできることは限られていたにせよ、来年再来年遠い将来とチームの色をどうするか、それにあう監督・選手はどんなタイプかというのを出した上で計画を立てると。
こちらでは責任論としていうなら村野GMの降格なんて話が出ているわけですが、それいうなら三浦監督をシーズン途中できらなかった責任なりこれだけミスマッチな強化をやらせてしまった責任であって、その前に辞めるべきやつがいるだろという話。その立てた中長期計画があまりに絵に描いた餅でどうしようもない、なら社長がGMを解任するかという話になるけど。

で、その辺をわかってないでGMの頭越しに留任留任いってるとか、三浦監督で来期以降チームを作ることがどんなことかわかってないなら、社長はどうよという話になるわけですが、はてさてどんなものやら。

posted by hokunan |11:48 | コンサドーレ | コメント(5) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:社長か監督か強化部長、誰か(か複数)が変わるべき

なるほどね~

whiteowlさんの戦術論は理屈で納得できるけど、こちらはリアルな話で納得できますね。

第3の案に賛成です。

理想なシステム、理想な選手と言うのはありえない。
基本システム、基本方針はあるけど、集めた選手で最適な戦い方をしなければならないと思う。
三浦監督はそれが得意でないのは、今年の戦いでわかってしまいましたね。

村野GMも影薄い。ちゃんとしたコメント聴いたことない(三上強化部長ばっかり)

あと文章読みやすくしてくれると助かります。
箇条書きにするとか

posted by つくる| 2008-10-11 13:00

Re:社長か監督か強化部長、誰か(か複数)が変わるべき

社長や強化部長の首切っても、後任で来ていただける奇特な方がいますかね。

そう考えると、監督交替が一番現実的なのかもしれないですが。

posted by アウェイのおじさん| 2008-10-11 13:01

Re:社長か監督か強化部長、誰か(か複数)が変わるべき

単に現状に苛ついてリセットしたがってるだけに感じます。

posted by もも| 2008-10-11 13:28

とんでもない監督つれてきそうw

たぶんHFCは社長以下全員留任だと思うよ。
三浦さんは、降格しても監督引き受けるようなことはしないと思うな。
結局、HFCは誰も変わらず、監督だけが変わることになるね。
それと、選手も去って行くかなw

posted by はぎ矢萩| 2008-10-11 13:53

Re:社長か監督か強化部長、誰か(か複数)が変わるべき

今年の失敗は、やはり補強でしょう。当然資金力に限りがありますので、同じ昇格組でも京都や東京Vのようには大型補強できないのは十分承知していますが、開幕前からJ1でそれなりに使えそうな選手は誰一人補強できず、若手の成長に頼らざるを得なかったわけです。残念ながら、その時点でクラブにはなにがなんでも残留したいという気概は感じられなかったわけです。
なりふり構わず、J2で前半活躍した岐阜のFWとか、J1を餌にレンタルででも獲得できたと思うのですが。

そういう意味では、フロントの責任は大きいです。

それに輪をかけて、監督は4-4-2&ゾーンという理想を最後まで追い求めすぎ、勝ち点を取るためにゴール前に鍵をかけるような守備をするなど、現実に見合った改革がきなかったという意味では、このチームには向いていないというべきしょう。

posted by 札幌マニア| 2008-10-11 16:34

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