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2009年12月06日

来年に繋がる試合

 もはや腐れ縁となってしまったヴェルディとの最終戦。どちらが勝手も順位変動がない試合だが、去っていく選手のため、今期の締めくくりとして、両チームに「いい試合」をしようという意志が見られて、好ゲームとなった。

 相手のと実力差を計算にいれて、相手を受けて、じらす、隙を突くような戦い方があるけれど、昨日の試合は、両チームがまったくイーブンに相手ゴールを目指した。

 そうなると、ちょっとしたパスの精度だとか、トラップの技術だとか、走り込みの質だとか、ほんのわずかだけど、ホームのヴェルディの力が上回る。それが前半の2失点として現れる。

 ところが、後半、ヴェルディは2得点を背景にして「勝ち逃げしよう」という気持ちが働く。そうなると、開始早々にあった。両チームのイーブンな状態が失われ、札幌は攻勢に回り、ヴェルディは守備に追われる。その結果としての後半2得点。

 結果としては、ドローだったけれど、リーグ6位と7位というお互いのチームの力を如実に示した好ゲームだったのではないか。

 いずれにしろ、長かった2009年シーズンもこの試合で最後となった。昇格を目指していたことを考えれば物足りない順位ではある。が、前回の降格時のように、昇格という目標が失われると、チームが方向を見失い、ずるずると順位を下げていったのに比べると、6位から一時は二桁まで下げた順位を、ここまで持ち直せたところは十分に評価できるのではないか。

 チーム編成が順調にすすめば、昨日の試合は、来年に繋がる試合だったといいたい。

posted by hibari |12:23 | コンサドーレあれこれ | コメント(2) | トラックバック(0)

2009年12月03日

今期の補強テーマ

 日刊スポーツの報道だから眉唾だけど(去年のオシム報道は忘れない)、ゴンがくるかもしれない。ゴンがくるかどうかは置いておいて、今期の補強テーマは、どうやら「メンタルの強化」にあるように思う。

11月13日の「報知新聞」だが、こんな記事があった。

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『コンサドーレ札幌が来季J1昇格へ“勝負魂”を磨く』

札幌・矢萩竹美社長(59)が「今年は試合数も多く、具体的なメンタル強化のプログラムが組めなかった。 現場スタッフに(必要性を)聞いてみたい」と今後、メンタルトレーニング専門家の招へい、講義を検討する方針を明かした。 

若手主体の経験不足からか、今季の逆転負けと追いつかれての引き分けは10試合(第48節終了現在)。 勝負どころでの精神的もろさも露呈し、勝ち点を取りこぼした。 

また、18チーム3回戦制51試合の過密日程ということもあり、開幕後の練習は必然的にコンディショニング重視に。 来季はJ2新規加入クラブがあれば、2回戦制に移行することが濃厚で、きめ細かな強化をにらんだ日程も組める。 

残り3戦も「消化」ではなく「強化」試合にする。 石崎信弘監督(51)は「ここはいい子、優等生が多い。もっとガムシャラにやってほしい。 好きでサッカーをしているのだから、出たい勝ちたいは当たり前」と精神面の物足りなさを指摘。 

リーグ戦が空く14日には、練習試合を急きょ設定した。今季の苦い経験をふまえ、心身ともに鍛え上げる。 
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 常々サッカーはメンタルスポーツだと思ってきた私だが、今期は、若い札幌のメンタルの弱さを痛感させられた。優勢に戦っていても、ちょっとしたことで気持ちを落とし、勝ち点を落とした試合を何度も見た。こう思っていたのは私だけではなく、実は強化部も同じ考えなのでないか。

 いくら札幌が育成型と要っても限度を超えると、甘えが生じてしまう。ユース出身の鈴木を何年もサテライトに温存し、戦力外通告をしてもフロントスタッフとして救った。ところが、今年、石井が戦力外通告を受けたが、これは「ユース出身でも切るときは、切る」というサインのように思う。

 30歳を大きく超え、リハビリを続けている箕輪に戦力外通告をしないのも、若手に対する教育効果を優先していることのように思う。36歳の藤山竜仁が入るのも、これと同じ文脈なのだろう。

 こうしてみると、ゴン中山の加入は、集客増や露出強化よりも、若手のメンタルを向上させることが第一の目標のように思える。
 

posted by hm1644 |23:52 | hibari | コメント(2) | トラックバック(0)

2009年12月01日

曽田のセカンドキャリアを期待する

 北海道に住む者ならば、札幌南高校という名前を知らない者はいないだろう。いうまでもなく、北海道一の進学校とされる公立高校だ。入学の門戸が開かれているのは学年の1位と2位まで。3位にはいれてもらえないという名門だ。

 2009年のJ2で引退を表明した曽田選手の出身校はこの札幌南校。厚別競技場のある厚別区から札幌南高に通った曽田は、卒業後の進路を筑波大学を選んだ。筑波大学のサッカー部からコンサドーレ札幌に入団している。

 曽田のいた筑波大学サッカー部は、大学サッカー界の名門で、レギュラークラスには、年代別代表がゴロゴロといる。そんなサッカーエリートばかりが集まっている部の中で、推薦でもない一般入試の選手が、レギュラーを取るためには、どれほどの苦労があったのか。

 おそらく曽田という人は、どんな分野でも、目指したからにはトップを極めなければならないと誓っているのだろう。高校は道内ではナンバーワンの南高であり、サッカーでは、大学ナンバーワンの筑波。そしてやるからにはプロ。そして、そのいずれの目標をも達成している。

 そんな曽田だから、2部リーグにいる自分というのが許せなかったに違いない。2002年の降格以来、曽田は、「J1に行きたいというよりも、J2にいたくない」と、2部リーグにいる不満をことある毎に口にしてきた。曽田の美学として、2部に甘んじていることが許せないのだろう。

 少し前のエントリーで、“昇格の原動力はため込んできた悔しさの総量"というようなエントリーを書いた。思えば、2007年の昇格、曽田がその原動力の一人だったことは間違いない。とするらば、曽田だためた「悔しさの総量」が、前年までリーグ中位の実力しなかった札幌を、昇格に押し上げたに違いない。

 サッカー選手としてのキャリアを2009年で終止符を打った曽田だが、むしろこれからのキャリアを期待したい。トップに上がるという目標を、どんな困難な状況に陥っても、最後には達成してきた曽田。

 その彼が、次にはどんなトップを目指し、そして実現していくのか、とっても楽しみだ。昨日のドーム最終戦、10分に満たない出場時間で、2万人の観客が中止する中、引退のメモリアルゴールを決めてしまう曽田の「人生力」の強さに、セカンドキャリアの飛躍を期待せざるを得ない。

posted by hibari |01:08 | hibari | コメント(0) | トラックバック(1)