赤黒徒然草

　石屋製菓を巡る議論の中で、札幌が石屋製菓に大変に世話になってきたという話があるけれど、石屋製菓が札幌に大変世話になってきた、という側面もあるんですよ。

　これは2000年11月10日の北海道新朝刊　「コンサドーレ賛歌」という連載の中で、石水さんがインタビューに答えもの。

　『チームができた一九九六年と比べると、うちの会社の売り上げは二倍の約七十億円になりました。本州でやったアウエーの試合で道内のサポーターが『白い恋人』を観客に配ってくれたこともあります。コンサドーレのファンが営業マンになって、応援してくれているんです。売り上げ増にはコンサドーレ効果もあったと思います』

　つまり、コンサドーレ札幌のスポンサーになって、売り上げが倍増したと言うことですよね。この当時は売り上げ70億ですが、今は80億。

　０６年４月期　売り上げ８２億７１００万円　経常利益　２６億５６００万円

　上の記事ひとつだと弱いので書き足しでもう一つ。2004年3月26日の朝刊。
『＜ひとフロンティア＞石水勲さん』という記事。

『コンサドーレが出場する全国各地の試合会場やスポーツ番組で、ユニホームの「白い恋人」の文字が躍動し、知名度アップに貢献。応援を始めた十年ほど前の売上高は約三十五億円だったが、０五年四月期は約八十億円を見込むまでになった。「サポーターの中には白い恋人を買って道外の試合先で観客に配ってくれる人もいる。営業マンを何万人も抱えているようなもの。サッカーの応援が売り上げに自然と結びついてきた」と話す。』

　石屋製菓の場合はほ売り上げのほとんどが「白い恋人」で、同じ商品を作り続けコストも下がってきているだろうから、売り上げ以上に石屋製菓の利益率はもっと拡大していったと思います。８２億の売上で利益が２６億ですからね。破格とされるクラブハウスのレンタル料だって、税金対策には大きな貢献をしていると思う。

　こうして見ると、石屋製菓の年間1億のスポンサー契約はむしろ格安。石水さんはやり手ビジネスマンなので、身銭を切ってコンサドーレに支援しているように見せておいて、その実しっかりと損をしないソロバンを弾いてきたんです。「支援」というから、何かいつも助けられてきたような感じがしますけど、石屋製菓の場合は、「支援」というよりも「投資」で、元を十分すぎるほど取っています。

　なので、「石屋様に札幌は常に助けられてきた」と、我々がことさらに卑屈になる必要はないと思うんです。

　石屋製菓の新社長さんは「コンサドーレ札幌のスポンサー契約は白紙」と言っていますけど、それは「白い恋人」の売り上げに果たしているコンサドーレの役割を知らない人が言う話。石屋製菓の売り上げの推移を見ると、新社長さんはむしろ「こんな不祥事を起こしていしまいましたが、どうかスポンサーは続けさせてください」とお願いすべきもの。

　会社を存続、業績を回復をさせようと思えば、当然、売り上げが必要なわけで、経費削減のみみっちい話のために格安の1億のスポンサー契約を渋れば、それ以上の売り上げや利益を失うことになると思う。独創的で先進的な技術開発で伸びてきた自動車が、経営再建の経費削減のために研究開発部門をそっくりリストラするような愚です。

　今回の一連の報道で、こうした側面がすっぽり抜け落ちています。石屋製菓が札幌を助けてきたような側面ばかりが強調され、それがいつの間にか社会常識化している。コンサドーレの広告効果を正しく報道してくれれば、新規スポンサー開拓に大きな力になったと思う。

　私が思うに、この窮地から石屋製菓が蘇るためには、むしろコンサドーレ札幌に今以上に積極的な投資をして、Ｊ１昇格、Ｊ１定着を後押しして、「白い恋人」の全国的な知名度を復活させる、ことの方が得策じゃないですか。

この記事に対するコメント一覧

12％のファンと4％のサポ

石屋製菓とコンサ同様に企業とスポーツは切っても切れない縁がありますネ。

企業はスポーツを応援するのはスパンの長い顧客と（欧州では何世代にも亘って）
顧客はファンよりサポの方が上客なのは言うまでもありません。

関西では京都で老舗のテレビ局のＫＢＳ○都と仕事で付き合いがあるのですが、ＫＢＳは
阪神戦の（巨人戦以外）ナイター中継を神戸のサンテレビとネット契約しているにも係わ
らず水・土・日のサンガ戦を阪神のネットを蹴って自社制作で西京極から生中継します。
制作プロデューサー氏に依ると阪神戦を中継すると平均１２％の視聴率（京滋地区）が
取れるのにサンガ戦では４％台だそうです。でも営業的には１２パーのライトな視聴者
よりディープな４パーのサポの方が売りやすいので４パーに重点的に営業するそうです。

ＨＦＣ営業「えーッこの度は在札のテレビ各局の営業の皆様に集まってのは頂いたのは次の
　　　　　　データをご覧いただきたかった為です・・では京都での阪神とサンガの・・」
Ｓ○Ｖ「あのー京都にはプロ野球々団はありませんし状況は本道とは・・」
○ＢＣ「そうですよね新潟も同じような・・・」
○ＴＢ「やっぱり日○ムの方が視聴者の食いつきも良いし・・」
Ｕ○Ｂ「いやッ今ウチは馬インフルエンザでそれどころでは・・・」
ＴＶ○「ウチは野球に弱いのでサッカーには・・・今以上にしたいのですが金が無い・・」
Ｎ○Ｋ「私どもは皆様方の受信料で成り立ってまして・・企業の利益とは一線を・・」

オオドサ「おまえらナニカンガエトルネン！！一人のサッカーサポは四人の野球ファンと
　　　　同じ重みがあるのは京都のデータでわかっとるんヤ！視聴率で差別したらアカンで！

全テレビ局営業「あのッ所得の高い京都のサポの購買力よりかなり本道では劣るので・・」

補足説明「京都は可処分所得の中に占める食費の割合が全国最下位なのに文化・スポーツに
使う比率はトップクラスです、大阪は可処分所得の中に占める食費の割合が全国最高なのに
文化不毛の地と呼ばれてます」（根拠の統計は少し古いのですが）

posted by 大阪の道産子| 2007-08-21 00:40

補足の補足

書き忘れましたが、札幌のお土産はサポとしてやはり白恋がメインでしたね。
（自分用の関西では手に入らないフノリ等を除く）
それと京料理が薄味なのは奉公人にご飯の量を減らすのが定説で、
大阪はしっかり味が付いてます。

posted by 大阪の道産子| 2007-08-21 01:48

Re:白い恋人とコンサドーレ札幌

ありがとうございます。

新体制になっても石屋製菓はスポンサー継続に前向きな論調が今日あたりから出てきました。私に言わせれば、コンサドーレの石屋に対するこれまでの「支援」を考えれば当然、というところなんですけどね。

これは19日の報知なですけど、「会談が実現しても来季以降のスポンサー続行について、すぐに確約を得られる可能性は低い。」
何をもって可能性が低いと判断するんだろう。
どうして、石屋製菓が札幌を「支援」という視点の報道ばかりで、逆の目線の報道がないんだろう。

　ぼやきですけどね。

　

posted by hibari| 2007-08-22 00:13

成せばなる！

逆の目線の記事書いても潰される若い記者も多々累々

ある日の道新社会部・・・にて・・・あっ道は○にしといてネ♪

オイ！燃えてるぞォー
デスク「エッまたどっかの飛行機が炎上したのか！」
ひばり「どうしてあなた達はそうしたステレオタイプの報道しか出来ないの？」
デスク「ハアッもしかしてあなたは？道内最強コンササポのヒバリアン・・」
ひばり「そうさ！だから日本のマスコミは江戸時代の瓦版から抜け出せないのョ」
デスク「その根拠は？？？」
ひばり「あんたたち検証報道とか追跡報道とかちゃんとやったことある？？」
デスク「やってますよ！ファイターズの首位独走の秘密とか・・・」
ひばり「石屋製菓は・・・」
デスク「・・・」

道新営業部長「ひばりさん・・わかりました道新は今の立場では直接石屋製菓の
サポートは出来ませんがファイターズと同様にコンサを応援をしたいと思います」
ひばり＆オオドサ「さすが道新さん！良く分かってるじゃないですか」
道新営業部長「でっコンサドーレのヘルメットに北海道新聞のロゴを・・」
ひばり＆オオドサ「ヘルメット？？？」
道新営業部長「えっコンサドーレは守備が堅いのデフェンスはヘルメットしてたのでは？

posted by 大阪の道産子| 2007-08-22 01:03