コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2006年08月19日

ひぐまスポーツJ村回顧版(3)

全日本少年サッカー大会(8月5日~8月12日・於Jヴィレッジ、西が丘サッカー場)



 最後はU-12について振り返る。
 もとより「結果として」の試合の勝敗という部分では二の次のカテゴリーではあるが、U-18の項でも述べたように全員が現状の自分たちの力を出し切って勝利を目指し精一杯戦わなければ勝ったにせよ負けたにせよ「夏の思い出」を作っただけで終わってしまう。しかしすべての試合でそういう戦いぶりを安定して発揮することが、何と言ってもまだ小学生である彼らにとって如何に難しいかということを見る者に教えてくれたカテゴリーであった。


<小さくても立派な赤黒の勇者だ>


<札幌○4-0●ACジュニオール/6日>
<札幌○2-0●川上SSS/6日>
 コンサドーレ札幌単独チームとして初の予選突破で出場権を得た今大会。6チームづつに分かれたグループラウンドでは初戦のACジュニオール戦がひとつの鍵を握る試合だと思っていた。相手は昨年も出場経験のあるチームであり、仙台市泉区を本拠とし、ベガルタ仙台の下部組織にも人材を供給しているクラブである。小学生とは思えない大柄な選手もおり、苦戦は免れないと思っていた。
 ところが試合開始早々に何の恐れも遠慮もなく札幌は猛攻を仕掛け、FW稲田浩平(6年)の秒殺ゴールで先制してしまう。これで勢いが増した札幌は1人1人が長い距離を走り、常に前へ前へとボールを運び試合を支配する。完勝と言ってもいい内容で最高の船出を飾った。先ごろ再任された日本サッカー協会の川淵キャプテンや綾部理事も全ピッチを回る視察の足を止め、前半20分をまるまる見続けるほどの素晴らしい内容だった。
 このACジュニオール戦を本来の実力と考えれば、2戦目の川上SSS戦の、特に前半はまったく納得のいかない内容となってしまった。1戦目ではピッチの至るところに漲っていた積極性が影を潜め、なんとなく試合をしているだけと言ったら選手たちには失礼かもしれないが、そう受け取れてしまうくらいの受け身のサッカーになってしまった。後半は持ち直し11本ものシュートを浴びせ2-0で寄り切ったものの、課題が浮き彫りになった試合となった。


<札幌-川上SSS戦より>


<札幌○2-0●四日市JFC/7日>
<札幌○2-0●FCアミーゴ/8日>
<札幌○3-1●山口SS/8日>
 3戦目の四日市戦は「今までで一番悪い内容」と浅沼監督もお冠りの試合だった。シュート数でも4-6と劣った。試合開始直後と後半開始早々という時間帯に抜け目なく得点した点は試合運びという点では評価できるかもしれないが、チーム全体としては覇気に乏しい試合だったと聞く。
 4戦目はここまで6得点と爆発中だった稲田がアシスト役に回り、初先発の下級生のFW岡田洋平(5年)が2ゴールを上げる活躍で4連勝。早々と決勝トーナメント進出を決めてしまう。
 最終戦の山口SS戦の立ち上がりに相手シュートのこぼれ球を押し込まれて今大会初失点を喫したが、直後に同点とし前半終了間際に勝ち越し、さらに試合終了直前にダメ押し点を決めて、結局札幌は5戦全勝。得点13失点1という見事な成績で決勝トーナメントに駒を進めることになった。大会前には「グループ突破は難しい。いい練習もできていないので試合になるかどうかもわからない」と浅沼監督が語っていたことを思えば、内容面での細かい部分はさておき、最高の第一障害飛越と言って差し支えないだろう。


<札幌-川上SSS戦より>


<札幌●0-1○FC浦和/9日>
 札幌が属したグループHは1位、2位どちらで勝ち上がってもグループAの勝ち抜けチームと対戦する組み合わせとなっていた。このグループAには過去2年連続優勝で今大会で3連覇を狙う横浜Fマリノスプライマリーと、互角の力量を持つとピッチ雀が囁くFC浦和が同居していた。グループ1位こそ横浜に譲ったものの、浦和はグループラウンド戦で横浜を破り、そして最終的には決勝戦まで進出し、横浜との再戦で破れ準優勝に終わっている今大会屈指の実力チームだったのである。そういった強いチームとノックアウト式の真剣勝負を体験することができたことは札幌イレブンにとっては重畳の極みではなかったかと思うが、惜しいことに「気持ちがまったく伝わらなかった。技術では負けてないはずなのに…これじゃ勝てない」(浅沼監督・スポーツ報知報道より)という試合をしてしまった。前半のシュート数は1-5。後半は4-1と盛り返したのだが、その後半唯一のシュートが後半終了間際の相手のフリーキック。約30mを浦和DF内田に直接決められ涙を呑んだ。


<札幌-川上SSS戦より>


 あらためて言うまでもなくこの年代は輝かしい未来へと続く階段の、まだほんの昇りかけの位置に過ぎない。大切なのは一歩一歩階段を昇っていくことの難しさ、昇るために求められる様々な要素を自覚することと、さらには歩み続けることの意義や喜びをも体感することである。
 ほんの数日ではあるが、全国から集った精鋭たちに揉まれ、札幌U-12が過ごしたJヴィレッジの青い芝の上には、それらすべてがあったように思う。

 最後に各年代の選手・指導スタッフの皆さんに心よりねぎらいの気持ちを送りたい。特に全カテゴリーで選手を引率し、3週続けてJヴィレッジにやってきた育成部の斉藤俊和さんには本当にお疲れ様でしたと申し上げたい。
 また、各大会にて現場でお目にかかった懐かしい皆さんのお名前を綴ることにする。いずれもかつてコンサドーレ札幌に在籍した方々である。それぞれの場所で強化・育成・編成等に立場を変えつつも、サッカーの世界を歩み続けている。たいへんお元気で頑張っていることを、かつて供に戦い喜びも悔しさも味わったコンサドーレサポーターの皆さんに広くお伝えしておきたいと思う。
 (順不同)清水エスパルス・太田貴光さん、FC東京・有馬賢二さん、ジュビロ磐田・森下仁志さん、同・石井肇さん、ヴィッセル神戸・木山隆之さん、柏レイソル・酒井直樹さん、東京ヴェルディ・冨樫剛一さん、京都サンガ・古川毅さん、浦和レッズ・田畑昭宏さん。


<中央:古川さん、左上:木山さん、左下:田畑さん、右:森下さん、下:有馬さん>


posted by higuma |10:59 | コメント(0) | トラックバック(0)

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