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2013年07月09日

'13第23節VSアビスパ福岡・アフターインプレッション。~三上×荒野の可能性~

 仕事前にスタメンだけチェックして立てた予想としては、

○左サイドの守備が怖すぎる。松本が狙われるのは明らかでこちらはほぼ福岡に制圧されそう
○ゲームメイクは誰がするんだ?砂川に集めようとするのを狙われるんじゃないか?
 宮澤がパス出し役ならゴメスと荒野がよほど頑張らないと苦戦は必至。
 荒野と宮澤が上手くポジションチェンジしてくれればあるいは…。
○ウッチーとカズゥがいないセンターライン。果たして三上にポスト役が務まるか?
 宮澤の1トップよりはマシだろうけど、望みがあるならここか。

 いずれにしても、宮澤以外の前線5人(ボラ含む)が動き回らないと勝負にならない、福岡のハードプレスをかいくぐるには運動量で上回るしか手がない…と戦術厨なりに考えてはみた。だから群馬戦や徳島戦の出来からすれば砂川のスタメンはないとも思った。いっそバクチ打つなら左SHは神田にして、ボール持たせたらひたすら勝負させるくらいやっても…とも思った。
 で、結果としては三上が見事にポスト役をこなしただけでなく、荒野が2ゴール。特に2点目は出色。宮澤に続く変態の素養を持っているとは思っていたが、あのゴールはまさに変態の片鱗を見せてくれた。倒れなかったボディバランスもさることながらあの体勢からアウトサイドでチョンとシュートが出来るのが変態(←くれぐれも言っておくが変態は褒め言葉である)。文句なくMOMで、サッカー雑誌風の評価点でも7.0くらいつけてもいいように思う。

 カギとなったのは解説の曽田が言うところの距離感。

 福岡は出場停止の石津に代わってオズマールがスタメン。ロングボール主体で攻撃するというのは1つの手としてアリだけど、オズマールにボールを預けようとしてもコンサが厳しく応対してなかなかキープできず、周りの選手の距離が遠くセカンドボールも拾えずで攻撃の形が作れない。もともとの距離“間”がコンサと違って広くなっていた。
 松本がアシストした際も2人いるのに誰もアタックに行ってないために余裕で出させてしまった。オズマールに集めることでコンサの右サイドに偏った攻撃になったことと、人のいるところにボールを出すことが多くなり、ロングボール作戦は結果としては失敗。点差にかかわらず後半開始時にオズマールを交代させたのは当然だろう。
 ただ、開始早々の奈良のルーズな処理はいただけない。上原が掻き出してくれたおかげでCKで済んだが、ああいうプレーがスタメンの座を遠くしているのでは?杉山との呼吸も未だに合っていないように見える。徳島戦で松本がPKを与える遠因にもなっているし、個人的には杉山にイマイチ信頼が置けないでいる。

 対照的にコンサは三上も荒野も個々で良かったけど、この2人が常に近い距離を保っていたことで互いの良さをいっそう引き出せたというのが率直な感想。互いにやりたいことがわかっているというのももちろん大きかっただろうけど。純貴とウッチーにはそうした近い距離での連係が今まであまり感じられなかったのでインパクトは相当デカかったのでは。
 これが例えば三上とウッチー、純貴と荒野の組み合わせで同じレベルのプレーが出来るかというのは個人的にはちょっと疑問。時間をかければそうなる可能性はあるだろうが、三上と荒野のいわゆる“ニコイチ”だからこそ可能だったのではという思いが今のところは強い。ただ、それを差し引いても三上のポストワークはほぼ満点。シュートを打つ積極性もあったし十分及第点以上。

 中盤ではまずボランチの2人、特にゴメスに注目。曽田の解説では上手く縦関係が出来ているとしていたが、このへんがカズゥと宮澤で組んだ場合の違いなのかな、と。ボールは持てるけどイマイチ真ん中の厚みに欠ける感じがしたのはカズゥと宮澤(or深井)だと横関係になることが多く、相手もカズゥには厳しく行っても宮澤にはゾーンで応対して穴を空けないという守備になる場合が多いのではと妄想する。
 ゴメスが前とのニコイチになったのは監督としても想定内のはず。ただ、宮澤とゴメスのコンビも今までとは違うものを感じさせたし、後半戦に向けてのラッキーボーイになりうる余地は十分あると思う。福岡戦は荒野と三上に美味しいところを根こそぎ持ってかれちゃったけど(笑)。
 不安だった左サイドはヤスが左のSHに回っていたのでだいぶ助かった感じ。1ゴール1アシストの攻撃面はもちろんのこと、守備面での貢献も非常に大きかった。終盤まで足が止まらず常に効いていたヤスはスタメン起用が当然であり軸にすべき選手。

 終始コンサがポゼッションで圧倒したワケじゃないけど、厳しい守備で福岡にリズムを作らせず、コンサは近い距離感を維持して決め時を逃さなかったのが前半の45分という印象。後半すぐの福岡の攻勢も慌てず受け止めて動揺せずに集中力を維持した。もしかして、松本のところをネチネチ攻めることはない(スピードでブッチ切ったりドリブルで切り裂く選手がいない)と見切っていたとか?だとしたらこれはもうスカウティングの勝利。
 終了間際に2点取り損ねたのはアレだが、福岡にはほとんどPAに入らせず(福岡が焦りからか早めにシュートを打ってきたのもあるが)、完封して当然の試合をちゃんと無失点で締められたのは良かった。強いコンサというよりはむしろ久々に安心して観られる試合だった。優・良・可でいえば良は間違いなくつけられる。優にしてもいいんだけど、トドメは刺せた試合だし限りなく近い良ってことにしといたほうがいいのかな。もっともっと質を高めないとJ1では戦えないしね。

 それでも、勝ち点は別にして今までの失態や沈滞ムードを払拭するには十分の試合。
 違いを見せることが出来たのは後半戦を戦う上でも非常に価値が高く内容のある勝利だった。
 いやあ、いろんな意味でひとり土下座まつりだったわ…(苦笑)。
 

posted by フラッ太 |18:55 | アフターインプレッション | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:'13第23節VSアビスパ福岡・アフターインプレッション。~三上×荒野の可能性~

ならさんが序盤に不安定なフリをしたおかげで福岡の攻撃がつまらないロングボール主体になって(あっちの監督もならを見てロングボール出すよう指示していた)、前半は圧倒した・・・というのは

posted by ならが| 2013-07-10 12:17

ならがさんへ

 奈良が一呼吸置いたのは意図的でしょうが、それが結果的にミスになってしまった。
 不安定なフリってことではないと思いますよ。
 あと、書き方が悪かったですかね。攻撃で圧倒してというのではなくて
 守備で福岡にリズムを作らせないことでコンサの時間帯を作ったということです。

posted by フラッ太| 2013-07-12 19:03

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