スポンサーリンク

2017年04月01日

【映画】  わたしは、ダニエル・ブレイク 

昨日のプレミアム金曜日、
さすがに15時は無理ですが、17時になったら すぐに事務所を出て、シアターキノで観て来ました。
17時25分からという難しい上映開始時間もあってか、3分の1くらいの入りでした。

原題は ”I , Daniel Blake” 
昨年のカンヌ国際映画祭の パルム・ドールです。

1491056036-_20170401_090836.JPG


舞台は イギリス北東部のニューカッスル、
主人公は 59歳の大工、ダニエル・ブレイク、
テーマは 社会福祉で、格差社会で切り捨てられる社会的弱者の心の叫びを代弁したヒューマン・ドラマです。

永年 実直に生きてきた主人公は、心臓病を患って医者から仕事を止められ、仕方なく国の援助を受けようと手続きをするのですが、規則規則で融通の利かないお役所仕事に阻まれます。経済的にも精神的にも追い詰められ、尊厳さえも奪われようとしていた時、同じように苦境に陥っていたシングルマザーとその子どもたちと出会い、互いに助け合う中で次第に絆が芽生え、かすかな希望を取り戻していく姿を描いています。

舞台はイギリスなのですが、日本の姿と重なります。
違和感がないというよりも、社会的弱者を取り巻く環境は 日本と何も変わらないのだという事に驚き、”明日は我が身、決して他人事ではない” と思うと ちょっと背筋が寒くなります。

こうした状況は 日本や英国に限らず 米仏独を含め 多くの国で同じようなものなのでしょう。
イスラム国が勢力を拡大し、テロが続く背景にも こうした貧困問題があるのでしょうし、イギリスや多くの国で 移民や難民の受け入れを拒否するのも判らないではない と 思ってしまいました。

ただ、この映画は 怒りを持って現状を告発しますが、同時に こうした現状を変えて行くのは お互いの助け合う心、思いやりだ とも主張します。
「今度はわたしたちに助けさせて・・・」 というセリフに救われますし、
「人生は変えられる。隣の誰かを助けるだけで。」 というコピーにも表れています。
静かで、深い作品でした。


posted by aozora |23:13 | 映画 | コメント(3) | トラックバック(0)