2012年01月28日

【ユース2011ふりかえり】プレミアリーグが始まった影響は?

昨シーズンはトップもユースも目次エントリをほったらかしのままで過ぎてしまったので、遅まきながら今になって整理を始めています。
去年のユースの試合観戦記は未了のものも多くてなんとかしなければ・・・なんですが、それとは別に「ザ・インタビューズ」で書いたものを<当時考えていたこと>の記録としてこのブログにも残しておこうと思います。

「ザ・インタビューズ」とは、匿名でいただいた質問にそれぞれが「インタビューを受ける側」の立場になって回答して楽しむサービスを提供するサイトです。去年の9月ころ大流行になって私も質問したり回答したり盛り上がったんですが、このごろはすっかり下火・・ですね。登録メンバー同士での質問のやりとりが少なくなったせいか、運営者側から自動的に質問が送られてくるような状況で。でも今でも(運営者からのじゃない)ご質問があれば喜んでお答えしたいと思っています。お待ちしています。→こちらから

以下は私の「ザ・インタビューズ」記事からの転記です。あちらで読んでいた方は二重になってごめんなさい。


質問:高円宮杯がプレミアーリーグとなった影響は今のところありますか?

【私の回答】(2011年09月14日時点)
(ちなみにこの時期は、全18試合のうち第9節までの前半戦(7/16終了)で好調な成績を収め、約1か月半の中断期間を経て後半戦が再開して2試合(第11節まで)を終えたところでした。再開後は2試合とも引き分けで・・。ヴェルディやレッズと熾烈な首位争いを繰り広げていました。)


コンサユースにとっては「おおいにある!!」と思っています。
コンサユースは例年、雪が積もって外でサッカーができない2月や3月に関東や広島に遠征して練習試合をする以外は、シーズンが始まってからは全国レベルの対戦相手との試合を経験するのが夏のクラセンが初めてになるというスケジュールでした。
地理的条件から、ふだん練習試合をできるのは道内のチームだけになってしまうので。

だからクラセンの初戦は毎年立ち上がりにおたおたして。ガツンとくる相手にびっくり腰が引けた感じで始まるのが常でした。試合途中でようやく相手のプレスの強さパスの速さに慣れてきて対応できるようになる…という感じでした。そうなるとどうしてもクラセンのグループリーグを勝ち上がるのが難しく、強い相手との対戦経験を多く積むチャンスや晴れがましい経験をするチャンスを得られません。それよりさらに残念なのが、そのため夏までの時間を漫然と過ごしがちになってしまう傾向があり、その期間が非常にもったいなかったと思います。
もちろん北海道プリンスリーグを勝ち抜くのは簡単なことではありませんし、北海道で優勝して高円宮杯の出場権を得るには、1敗も許されない、場合によっては引き分けすらも許されないとの状況になりますから、毎試合必ず勝たなければならないプレッシャーはあるのですが、それはチーム単位でのこと。試合の局面で選手同士の個人技を含めたギリギリのせめぎ合いができる試合は多くはありませんでした。選手たちの目標は高いところにあり、全国でも高いレベルでやれるようにと考えているとはいえ、実際に、うまい、かなわない、負けたくないと痛感する相手と直面する機会があるか否かで、練習の取り組み方もどうしても違ってきてしまうところはあるんじゃないかと思います。人間ですもの。

でもプレミアリーグの始まった今年は違いました。今年の選手たちは去年からレギュラー格で試合に出ていた選手が多いせいもあるかもしれませんが、プレミアリーグ開幕のヴェルディ戦から始まって毎週試合をこなしていくにつれ、傍目にも選手たちがめきめきと力強くなって成長していくのが目に見えるようでした。
自信もついたでしょうし、サカダイ、サカマガ、ゲキサカなど全国版の媒体に取り上げられることが増えたのも嬉しかっただろうと想像します(笑)。
だから夏前の成長曲線と現時点での到達点を思うと(当社比)、今年のクラセンはどうなるだろう(*´∀`) とホント楽しみでした。

夏も越え、今の時期になると、例年と比べるとかなりチームが熟成した感があります。これ以上はどんな形になるのか、これまでの例からいうと未知数です。今後のチームの伸びしろはあるのかなあと不安に思ったりもしますが、ま、あとは選手個々のさらなる成長に期待!でしょうね。


このようにプレミアリーグはコンサユースにとって良い影響ばっかりと言いたいところですが、反面心配な点もありまして。
今年の春先はプレミアリーグの登録人数が23名までと少なかったこともあって、コンサユースはGK以外の1年生の登録がありませんでした。そしてその後1年生もみな登録されるようになってからも、ここまで1年生の試合出場はありません。
これまではコンサは比較的若い選手の多いチームでした。毎年毎年「来年を見据えたこれからのチーム」と評されるほど(笑)、1年生からたくさん試合に出場する選手が多くいました。
去年までなら、まず道内の試合(プリンスリーグ)で少しずつ出場機会を得ていって、力をつけていき、夏のクラセンのころにはスタメンで出場する1年生も珍しくなくなっていました。
けれどレギュラーメンバーでさえ毎回ぎりぎりのところでしのぎを削るプレミアリーグだと、経験のない1年生を出場させる余裕がなかなかないのでしょう。この点、将来的にはどういう影響が出るだろうとちょっと不安の種です。
そこを考えて今年からBチームは札幌ブロックリーグにエントリーして公式戦をこなしていますが、正直ちょっと力の差がありましたねえ。大勝する試合の連続でぶっちぎりで2部優勝でしたから、経験値を積むには物足りなかったかもしれません。上級生に頼らず、自分たちで全部やるんだというプレーに対する責任感や積極性みたいのは育まれたかもしれない。来年はブロックリーグ1部に昇格し、そこでも勝てば再来年にはプリンスリーグに昇格できるはずですから、そうなったら十分にBチームメンバーの試合経験としても機能するようになるでしょう。それまでの工夫が大事かな。

2011-09-14 07:00:06 


質問:札幌のユースはなぜ強いんですか?

【私の回答】(2011年9月29日時点)
(コンサユースは第12節にとうとう初黒星をしかもホームで喫し、その次の尚志高校に辛勝しました。前期の対戦では悠々と勝てた相手でも、力の差は縮まってきているんだなあと実感していたころです。
コンサU-18のことに限定して(U-15のことはあまりわからないので)、あくまでも「今年の」好結果について書いています。)


コンサユース、今年は特に好結果ですもんね。今のところ。
なぜだろー。
私なりに考えられる要因をいくつか挙げてみます。

◆最初からチームの完成度が高かったこと
ユースはトップチームで活躍するプロ選手を育成するのが主な目的の機関ですから、ユースの大会でチーム自体が好成績を残すことよりも、個々の選手が力を伸ばすことを優先していると思います。
もちろん育成するのは試合に勝つための選手ですし、「勝ちたい強い気持ち」自体が選手として身につけるべき個の力でもありますから、毎試合、選手たちは1試合ごとに全部全力で勝とうとしますし、勝つことを求められます。勝つことでしか得られない成功体験は成長の貴重な糧になりますし、勝つことによってより強い相手と真剣勝負する機会に多く恵まれますから。だから好成績より育成が目的とは言っても、「勝たなくてよい試合」があるわけではないので、その点は誤解のないようにお願いします。
そのうえでの話ですが、通年でユースの試合を眺めていると、特に選手の起用やポジションに関して素人なりに考えることがありました。例えば有望な、経験を積ませたい1年生には春先から少しずつ出場機会を与え、増やしていって成長を促しているんだなとか、3年生の進路がおおむね決まるころを過ぎると、3年生より1、2年生の方が優先して使われるようになるんだなとか。ポジションをしばしば変えて慣れない位置でもプレーさせて、うまく機能しないことも含めいろんな経験をさせているんだなとか。(傍から見ているだけですから、怪我とか体調不良とか学校行事の都合とかプライベートな事情とかそういう前提事情は知らないまま、試合に現に出場している選手が誰か、だけを見ての理由の推測ですから、まったく的外れなものも相当あるかもしれませんけど(笑)。)

ここ数年のコンサユースのサイクルは、春に新しい1年生たちが入ってきて雪が溶けてようやく外でサッカーができるようになるころ北海道プリンスリーグが開幕し、7月半ば過ぎまで続きます。その期間は新しいメンバーでの実戦経験を積んでいくことと1年生を代わる代わる試合に慣れさせることが並行して進みます。メンバーもポジションも流動的です。プリンスリーグは優勝することが必須(=じゃないと秋の高円宮杯の出場権を逃してしまうことになる)ですから、けっこうギリギリの試合もあったりしてドキドキの日々です。無事それが終わると次は夏のクラブユース選手権@J村のシーズンです。
クラセンではその年のチームが初めて全国レベルのチームと対戦することになります。北海道とは違う本州の暑さも大敵ですが、それよりももっと、相手の早いプレス、速いパススピード、強い当たり、簡単には勝てない足元勝負、体の使い方、そして時には「ずるいプレー」に、面食らったり戸惑ったりします。毎年初日の試合の前半くらいまではおたおたびっくりしつつプレーしているような印象を受けます。あんまりよい成績を残せないことが多い大会ですが、この大会を経てチームがひとまわりたくましくなるような気がします。そして秋に始まる高円宮杯は、コンサユースにとって「いよいよ本番」。これまで培ってきたチームプレーとか、選手個人の力を全国の舞台で思い切りぶつける大会になります。
これを過ぎるとJユースのグループリーグがあるのですが、このころになるとかなり1、2年生の起用が増えて、クラセンのころとはチームの様相がずいぶん変わっている感じになります。
長々と書いてきて何が言いたかったかと言うと、ここ数年のコンサユースの平均的なサイクルでは、チームは常に新しいメンバーで形成途上であり、常に若く経験の少ない選手が混じっており、完成形と見えたときにはもう新しいシーズンに突入している、状態でした。
しかし、今年のチームは趣が違うのです。
遡ること約2年前になりますが、一昨年の夏クラセンが終わったあと、試合に出るメンバーと出場ポジションがずいぶん変わりました。クラセンで真剣勝負の体験を経てこのまま高円宮杯へ向けて熟成していくのかと思ったら、直後の知事杯から選手のポジションもずいぶん変わり、当時1年生だった(今の3年生の)奈良くん(CB)や拓馬(ボランチ)はそのころからずっと中軸のポジションで出場しています。
翌年(つまり去年)は1年生で最初からレギュラーになる選手が多く、公式戦のメンバーのほとんどが1、2年生という状態が続きました。3年生で試合に出てるのはFWの三上陽輔、MFの菅原康介、GKの松原修平の3人だけという感じで。ですから今年のチームのほとんどの選手は去年から恒常的に試合に出ていた選手なのです。
そういう意味で、今年のチームは春先から例年と熟成度が違いました。雪解け前の春先の広島遠征でなんだかすごく広島を押し込んで勝ってしまって驚いたのは、たぶんこの連携・チーム熟成度の違いがあったからなんじゃないかと思っています。例年なら「新しいチーム作りの試行錯誤時期」にあたる旧プリンスリーグのシーズンに、今年はプレミアリーグで継続的に全国レベルの相手としのぎを削る対戦を重ね、互角以上に戦える環境がさらにチーム力を向上させるという好循環を招いたと思います。もっとも、この点を考えると、今年ここまで1年生の試合出場がないことが来年どう響いてくるのか、不安びくびくなんですけど。
さらに言うと、今の2年生、3年生の中心選手にはU-12からコンサ育ちの選手が多くいて、U-12からじゃないとしても、ほとんどは札幌U-15からU-18へ進んだ選手です。長い選手同士で9年間一緒ですし、6~8年間一緒にプレーしている選手たちがごろごろいます。互いの特徴はわかりきっているはずですから、そりゃ連携もよくなりますよね。


◆良い選手が揃っていたこと
今のメンバーのほとんどが去年からレギュラーだった大きな理由は、それだけの選手が揃っていたからでしょう。たぶん。選手の能力を見極める力は私にはありませんから、監督が試合に出す選手を見てそう思うだけですけど(笑)。
どうして今年の2年生、3年生にこんな多くの能力の高い選手が揃っていたのか。
偶然かもしれませんw
無理矢理推測?するとしたら、今の3年生(貴之、貴哉)が小学校4年生でU-12に入ったのは2003年にあたります。ゴメスや夢実や一希や彰吾の学年だと2004年。日本中が日韓W杯で盛り上がっていた2002年ころとか、コンサドーレが岡田監督のもとJ2で優勝した2000年や、札幌ドームが開業し、J1にいたコンサドーレの観客がうなぎ登りだった2001年ころには、北海道でサッカーを始める子供たちも多かったことでしょう。今のコンサユースの主力選手はそのころの子供たちにあたるんじゃないかなと思ってます。
・・・となると、その後日本ハムファイターズが札幌に移転して、マスコミの熱狂ぶりもそちらに移ってしまってからの後の世代はどうなんだろ?とちょっと心配になるところでもありますけど(汗)。


◆ユースで選手を育成する基盤が充実してきたこと
北海道サッカークラブ(コンサドーレの運営会社)が財政的危機に瀕して、「5段階計画」と称する経営立て直しとチームの長期的強化のための計画を打ち出したのが2003年シーズン末。計画初年度がスタートしたのが2004年のことでした。ユースに力を入れて自前で選手を育成していく方針はたぶん以前からあったのでしょうが、この計画で改めて、クラブの基本方針として方向性が確立されました。貧乏な財政の中でもアカデミーには(比較的)大きな予算を割き、アカデミー専用の練習場とかユース選手用のバス、自宅から通えない選手のための寮の設備など、少しずつ育成環境を充実させてきました。物的設備だけじゃなく、育成にあたるスタッフの充実も大きく前進していることでしょう。現在のU-18の四方田監督は、1999年にトップチームのコーチとしてコンサドーレにいらしたのですが、2002年からはU-18のコーチになり、2004年からはU-18の監督としてユース選手の育成にあたっています。数えたらもう今年で10年目になりますね。北海道のこの年代の子供たちを多く見てきて、さぞやたくさんのノウハウ蓄積があることでしょう。U-12監督の浅沼さんや札幌U-15監督の名塚さんも長く指導にあたってくれています。
アカデミーに力を入れた地道な積み重ねの蓄積が、こうして花が開いてきたのかなと嬉しく思います。サポとしてはこのままずっとずっと長く続けていただけますように・・・と願っています。

2005年4月時点での四方田監督インタビューを読み返すと、着実に進んできたことが感じられて嬉しくなりました。

2011-09-29 07:37:10 


今振り返ってみると、このころは、素晴らしい内容で堂々と完勝していた夏前の状況とは違い、苦しくなってきたなあ、チーム力の差が縮まってきているなあと感じていた時期でした。その後チームは勝ったり負けたりを繰り返しつつ、怪我やトップへの帯同で抜ける選手も出てきたし、さらにシーズン終盤には例年よりかなり早い積雪のせいで外での練習ができないなどの苦労もしました。シーズン終盤の夏や秋ころには見られなかった「走り負け」みたいな試合展開は、少なからず積雪の影響があったんじゃないかなあと素人ながら思っています。
でも、そういう苦労も選手の力を伸ばす栄養になるとも実感しています。だってたとえばシーズン終盤の彰吾の頼もしさときたら、夏のころには想像もできないほどでしたもん(って例に出したら失礼かしら?)。ナガコウの頼もしさも奈良くんの不在により一層磨かれた感があったし。
そして何より、GO FOR 2018 CUP を見ての新発見でしたけど、プレミアリーグで去年出場機会のなかった1、2年生たちも、しっかりとたくましくなっていることがわかりました。
この回答を書いたころに私がしていた心配は、きっと杞憂だったのだと思います。思いたい!(笑)
2012年のプレミアリーグはどういう展開になるでしょうね。
きっと去年以上の好成績(つまりチャンピオンシップ優勝?)をあげるぞーと選手たちは燃えていることでしょう。
熱い戦いと熱い選手たちがたくさん見れるといいな。今からもう待ち遠しい限りです。

posted by あきっく |13:05 | ユース | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:【ユース2011ふりかえり】プレミアリーグが始まった影響は?

先日のDOアンビシャスの中で、練習場の確保の大変さが垣間見えましたが、あーいったハンデをものともせずにプレミアイースト制覇…本当に頑張ったよなートップ全員道産子!なんて夢見たいな一言は、冗談にしてもコーチ陣が思ってるとは、頼もしいww

今年、結果もさることながら、2年連続トップ昇格5人を期待しますw

HFCの営業さんはあのビデオ持って見せて営業したら良いのにwwそれでも無理かーこの地じゃ(爆

posted by 30| 2012-01-31 15:56

Re:【ユース2011ふりかえり】プレミアリーグが始まった影響は?

>30さん
フルコートの上質人工芝の屋内練習場があればねえ・・・(夢想)。
今年もトップ昇格5人!とかになったら、嬉しくて舞い上がりますけど、レプリカユニの背番号をどうしようか深刻な悩みに直面することになると思います。
やっぱり番号着脱式?(爆)

posted by あきっく| 2012-02-02 00:51

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