2010年08月17日

【第22節】ユース風味のヴェルディ

2010/08/15(日)19:30 @国立競技場
J2・第22節
コンサ 1-2(1-1、0-1) 東京ヴェルディ
得点者:内村圭宏(10分)、菊岡拓朗(V・13分)、平本一樹(V・84分)
試合結果詳細はこちら→ 札幌公式 J'sGoalサマリー



前日に札幌へ日帰りし、今朝は6時前に家を出てJ村でクラセン(U-15)を見てから灼熱の中木戸駅まで歩き、夕方上野に着く・・という行程を実行したら、猛暑の中まっすぐ開場前の国立競技場へ向かう気力はありませんでした。
上野の冷房の効いた喫茶店内でしばらく休憩し、開場時刻も過ぎたころようやく立ち上がってスタジアムへ向かい、着いたのはキックオフの30分ほど前でした。
しかも今回は「国立で午後7時半キックオフなら行けるから、行く。」と夫が言い出し、スタンドで合流です。「生観戦、いつ以来だっけ?」と聞いたらNack5スタジアムでの大宮戦以来だそうです。それじゃ2年以上ぶりだね。
かくして、私の疲労と彼の意向の両方の理由で、座ったまま手拍子をする程度のまったり席からの観戦になりました。



国立競技場
ピッチとの間に陸上トラックがあるわりには見やすいスタジアムですよね。


まったり席からの観戦です
コンササポゾーンの上の方のまったりエリアで観戦です。
日が落ちて、スタンドの上の方は時折吹き抜ける風がようやく涼しさを感じさせるようになってきました。
ピッチの上はまだきっと暑いのでしょうけど。




No verdy No Life
向かいのヴェルディサポ席では、NO VERDY NO LIFE と書かれたダンマクを広げていました。
そうだよねえ、サポの気持ちとか生活ってそういうものだよねえ。
先日のクラセン(U-18)の表彰式の光景を思い出しました。

8/1(日)に三ツ沢競技場で行われたクラブユース(U-18)選手権決勝戦は、JFAサイトのテクニカル映像配信で生中継で見ることができました。うちの子たちの決勝戦なら勇んで向かいますが、ヴェルディユースと柏U-18との決勝戦となると暑い中現地へ出かける気力まではなかったので、私は自宅のパソコンで試合を見ていました。どっちも良いチームだなあとか良い選手がいるなあと感心しつつ眺め、延長戦の末、ヴェルディユースが優勝を決めました。
JFAの動画ではその後の表彰式の様子も中継されており、柏の選手たちの悔しさと誇らしさがないまぜになった表情や、ヴェルディの選手たちの嬉しそうなようすに続いて、最後にメダルや賞状、各種トロフィーなどを前にして両チームの記念撮影がありました。まずは柏の準優勝記念写真があり、そして優勝チームの撮影へ。ヴェルディの選手たちは満面の笑顔で誇らしげにトロフィーなどを抱えています(ひとりチームのポロシャツ姿で泣きくれていた選手は出場停止か何かで決勝戦に出られなかったのかな?)。みんなで整列して記念写真のポーズを取ったところで、やおらみんなで「緑~の~、服を着~て~、たたかう~俺たち~、緑~の~心は~、誰に~も~負けないぜ~♪」とヴェルディのチャントを歌い出しました。
ユースっ子だもんねえ。クラブ愛だわねえ。思わずじーんとしてしまいました。
小さいころからヴェルディに誇りと愛着を持ち、ヴェルディで育ってきた選手たち。
クラブへの愛着はきっとどこのユースっ子たちも同様で、うちの子たちも試合のときに円陣を組みながらみんなで赤黒の勇者を歌ったりします。でも今の彼らの場合は、そんな天真爛漫な気持ちだけじゃなく、クラブ存続の危機の現実に直面しながら、サッカー選手としての自分の未来に不安も感じながら、それでも愛を込めて歌っているのだろうなあと想像して胸が切なくなりました。
表彰式のようすはこちらのJFA TVで見ることができます。

ヴェルディに関しては、Jリーグ百年構想の対極をいく姿勢だった元の親会社に対する反感や、華やかな名門クラブだったにもかかわらずその後サポーターを減らし観客動員も多くないこと、多額の強化費を注ぎ込みながらJ2に降格したり、果ては経営危機に陥ったりしている状態にあることなどが原因でしょうけど、他サポがヴェルディを揶揄したり軽んじたりするような風潮が一部ありました。
私も「あんなに素晴らしいユース選手をたくさん輩出・抱えているのに、どうしてトップチームはああなの?」と不審に思う気持ちは持っていましたが(現にトップチーム同士の対戦ではコンサはヴェルディに対して分が良かったですしね)、でも、ユースで対戦するときのヴェルディの王者ぶりをいつも実感しているものですから、やっぱりヴェルディは私にとって一目置いて敬意を抱く対象で、とても揶揄する気にはなれませんでした。
だってね、ジュニアユース年代でもユース年代でも、ヴェルディの選手たちってほんと凄いんですよ。ボール扱いが巧みで、強くて、速くて、自信たっぷりで、ずるがしこさも含めて賢くて。悔しいけどチーム全体の地力が一枚も二枚も上だなと対戦していてい痛感することがしょっちゅうでした。近年は少しずつ差は縮まってきていると思うけれど。なんせ下部組織全体で年代を通して、コンサがクラブ創設以来ヴェルディに初めて、かつ現時点で唯一、勝ったのは、去年の高円宮杯(U-15)の準決勝でヴェルディジュニアユースと対戦したときですもんね。
そんな下部組織を抱えていながら、トップチームに昇格したヴェルディユースの選手たちはなぜか早々に他チームに放出されたりして、トップチームを強くする方向へ働いていないように見えるのが不思議だったんですけどね。





始まります
とかぼんやり考えているうちに、さ、試合が始まりますよ。


【試合の感想はいつものように箇条書きで】

  • 国立競技場のゴール裏上方から見ていると、選手ひとりひとりの表情等はよく見えないながらも、全体の動き方などはわかりやすかったです。どちらが優勢ともいえないような立ち上がりでゲームが始まったと思いました。
  • そんな中、心臓をぐっと掴まれるような、わ!!!と息をのんだ最初のシーンは、ヒロが右サイドタッチライン近くでボールを受けて、ツツツ・・とドリブルで少し斜めに切り込んだあと、左前方へ向けてパッとまさに絶妙のキラー勝負パスを繰り出し、それが通った瞬間でした。あのパス、凄かったですねえ。なんでもない普通のシーンが、あの1本のパスでまさに大チャンス!!の様相に一変しました。そしてそこからマコがゴール前にボールを出し、うっちーが鮮やかに決めて。うわーー!!ゴール!!!(誰が決めたかそのときは分かってなかったんですけどw)立ち上がって大喜びです。
  • 先制点をとれたこと自体も嬉しかったけど、チャンスの起点がヒロだというのがまた喜びを一層大きくしました。思わずなぜか夫に向かって自慢する私。たぶん「あれぞドヤ顔」という表情だったと思います。「ね、凄いでしょあの27番。ヒロ。」って。
  • もちろん、いくらチャンスを作っても最後を決めてくれなきゃゴールにはならないんで、そしてあそこからのシュートが決まらないことは往々にしてあるんで(爆)、きっちりパスを出し、鮮やかにシュートを決めてくれた2人がいたからこそのヒロの輝きだったわけです。マコもうっちーもありがとう。
  • でもさあ。振り返ってみるとよかったシーンは、あの先制点までの流れと、そして試合終盤に左サイドのヒロがゴールライン近くまで駆け上がって鋭くあげたクロス(→ファーの征也の足があと少しで届かず)くらいだったんじゃありません?
  • 後はひたすらひたすらヴェルディにボールを持たれて。ヴェルディが回しているボールを奪えないんですもの、うちの選手たち。たまにどうにかして奪って(拾って)も、次の攻撃につなげる余裕がないからとりあえず適当に蹴ったり近くにいる味方の方へ適当に出したりして、すぐに相手にボールを渡してしまって。
  • ヒロは1対1の攻防で(フィジカルも含め)負けてしまうことが多くてサイドを突破していけなかったし、征也はどうしたことか、せっかくえぐっても上げるクロスは大きすぎるばっかりだし。
  • ハーフタイムをはさんで後半の立て直しに期待しましたけれど、後半も様相は変わりませんでした。ハーフタイムにあったヴェルディユースのクラセン(U-18)優勝報告会で、ユースの選手がサポーターに向かって挨拶をしたシーンをぼんやり思い出したりしてました。
  • おまけに、ハーフタイムで2人も交代になったので、直樹は怪我?と心配だし、こうなるとたぶん純貴の出場は望み薄かな・・と悲観的になるし。元気溌剌と後半を迎える(←私が)わけにはいかないようです。
  • 全体のボール回しを見ていると、ヴェルディの選手たちのパスの精度、トラップの精度に比べて、うちの選手たちのトラップとかパスの技術が非常に見劣りしてしまいました。どうしてあんなことになったのでしょう。あんなに下手でしたっけ?うちの選手たち。(´Д⊂ヽ
  • だから、暑くて動けないとか、動きがないからパスコースを作れないとかいう以前に、ちゃんとボールを止められないから思うようにちゃんとボールをコントロールできないんだ・・とある種の諦観が混じってきて、なんだかもう仕方ないなと思いました。まるでヴェルディユースとの試合を見ているときと似た心境です。やっぱりヴェルディの選手たちは基本技術が巧いわ。はぁ。って。
  • でも、考えてみると、ヴェルディのユニを着ているせいか巧く見えるけれど(爆)、ピッチにいる選手たちの中でヴェルディユースorジュニアユースの出身者は半分くらいなんですよね。途中交代で入った2人もユースですけれど、交代になったのもユースだったので全体に占める割合は変わらずです。なのにどうしてあんなに「ヴェルディユース風味」な試合展開になったのでしょう。ユースもトップも基本は一貫しているということなのでしょうか(←ある意味あたりまえ?)。
  • コンサは何もできず、ただ攻められるばかりで、右往左往しているうちに決定的な形を作られて、でもなぜか相手がわざわざ枠をはずしてくれたり(あれ、味方の選手だったら怒ると思う、というほどにw)、高原が素晴らしい反応で防いでくれたりして、奇跡的に終盤まで1-1のままでした。これ、もしかして何かの間違いでひょっこりコンサがゴールして勝っちゃったらかえって申し訳ないかもと思うほど、一方的な展開でした。でもそんなときほどコンサのゴールが決まるってことあるんだよね☆って実は期待もしてたんですけどね。
  • でもそうはうまくいかず、試合終盤にとうとう失点です。仕方ないね、相手の攻撃は鮮やかだったし。これまで失点しないのが不思議なほどだったし。
  • 高原は2~3点くらい決定的なのを防いでくれたと思うから、高原の働きに不満があるわけじゃないけど、キャッチできるんじゃないかな?と(素人目には)思うシーンでもパンチして前に落としたり、キャッチしようとしてこぼしたり(?)がけっこうあるのが気になりました。あれはボールの特性のせいなのかしら?
  • 試合を見ていたら、1-2での敗戦という結果は順当すぎるほど順当と思われて、逆にこれでコンサが勝ったらヴェルディサポの怒り(不満)はさぞやと思ったから、試合終了の笛が鳴ったときもわりと淡々とした気分でした。こりゃ今日はもう仕方ないわ。コンディション整えて、丁寧にプレーするよう準備するしかない、トラップとかパスとか練習して、もっと余裕をもって普通にやれるようになるしかない。と思いました。
  • 選手たちがうなだれながら(嫌々そうに?)サポーターの方へ向かってきたとき、周囲の「ヤジ・説教モード」の雰囲気を嫌った夫が「もう帰ろう」と言うので、私もそのまま帰ることにしました。だからその後どういうやりとりがあったのか見ていません。でもあの試合を見て感じたことをサポが選手にぶつけるのもいいんじゃないかと思います。伝えたいことがあるなら。

スタジアムを出て地下鉄駅まで歩くころには夜風もいくぶん涼しくなって、J村へ持って行った重い荷物は夫が持ってくれたので身軽になったし、地下鉄で3駅という近さはやっぱり感動の便利さだったので、重い足取りになるはずの帰り道が少し救われたのでした。
クラセンでの札幌U-15の選手たちの素敵さもありましたね。
でもやっぱり、頼むよ、トップの選手たち・・・。


posted by あきっく |12:54 | コンサ周辺のいろいろ | コメント(3) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
クラセンU15

予選3連勝で決勝Tに進み、初戦の相手がまた東京Vですか・・・

トップの仇を討てというのも何だか情けない話なので、
宮杯に臨む兄貴分のU18の露払いを期待します。

posted by はかたん1号 | 2010-08-17 15:31

ピッチとトラックの間に看板がないですね

試合前に広告見たとき絶句しましたよ、その少ない看板も端っこ「アンパンの木村屋」だし。時勢柄営業は難しいけど、けどこれはないんじゃないかと思いました。

本日3年B組熱中先生で半日入院しまして、ノブりんが「暑いから」ということが実は具体的にこういう恐怖だとわかりました。とすればあのときの具体的指示は「試合ぶっ壊すぞー!まじめに走ろうとするやつは、この場を去れ!」というのが正しいことが判明です。
だとしても、芳賀の動きを半分にするとか、藤山をサイドかボランチにとか、古田を1.5列目にしたらとかもっとやりようがあったかもしれないけど。

最後の糾弾は完全にすべってたなぁ、伝わるように怒る技術って難しいけどね。

posted by さいとー@横浜| 2010-08-17 21:14

Re:【第22節】ユース風味のヴェルディ

>はかたん1号さん
札幌U-15は堂々の1位突破なのに、次(ラウンド16)の相手がヴェルディJrユースと知ってびっくりしてしまいました。ヴェルディはグループAを1位抜けするかと思ってたわ。
でも名古屋は全少で優勝した年代ですもんね。どっちも強いのでしょうね。
で、確か・・・と思ってひぐまさんとこのアーカイブたどって確認したのですが、うちの子たちはU-12時代(2007年)に全少の準々決勝でヴェルディジュニアに敗れていますから、兄ちゃんたちのことより、まずは自分たちのリベンジのために燃えてもらいましょう!

>さいとー@横浜さん
Σ(゚Д゚ )ハッ
見やすいと思ったのはピッチの周りに看板がなかったため??

暑いのはつらいですよねー。だってほんとに暑くてしんどいですもんね。生きている人間ですからね。
困りますよねー。
なんとか工夫して賢く乗り切って欲しいよなあと思います。←丸投げ

posted by あきっく| 2010-08-18 07:22

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